新しい「プロV1x」がよかった! 野村タケオがタイトリストのボールフィッティングを受けてきた
野村タケオのゴルフ実験室
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。プロ、アマチュア問わず、国内外でNo.1の使用率を誇るボールと言えばタイトリストの「プロV1」ファミリーです。その中の「プロV1」と「プロV1x」の2025年モデルが間もなくの発売となります。まだ正式発表もされていないボールですが、すでに新しい「プロV1」シリーズにチェンジしているツアープロも多く、ツアー優勝まで飾っております。そんな注目のニューボールをひと足早くフィッティングして、コースで試打する機会をいただきましたのでレポートします!
〈取材・文・写真提供 野村タケオ〉
ゴルファーそれぞれに「最適なボール」があるの?
「プロV1」ファミリーのボールと言えば、高性能でツアーでも毎年好結果を残し続けているボールです。そんなボールの新製品ですから、当然期待してしまうのですが、やはりツアーボールですからお値段もそこそこ高くなるわけです。ですからボール選びには慎重になるし、そもそも僕たちアマチュアにプロと同じツアーボールは必要なのでしょうか? そこでまずタイトリストのボールフィッティングを受けて、自分に最適なボールが何なのか? を調べてみました。今回のフィッティングには全て2025年モデルを使いました。
ボールフィッティングはSW、7番アイアン、ドライバーの3本で行います。まずは一番グリーンに近いところから打つSWの数値を取ります。この時に使うボールは2025年モデルの「プロV1」と「プロV1x」を使いました。
まずはSWで50ヤードのショットを打ちます。この時の打ち出し角やスピン量などをトラックマンで計測しました。僕が受けたフィッティングは天然芝から打てる環境でしたが、人工芝の練習場でもこのフィッティングは受けることができます。
「プロV1」「プロV1x」ともにしっかりとスピン量が出ていましたが、ほんの少し「プロV1x」の方がスピン量が多かったです。でもどちらのボールでもしっかりとスピンが効いて、グリーン上では止まる弾になっているので、SWでのショットに関してはどちらのボールでもいいですねということでした。打感はほんの少しだけ「プロV1」のほうが柔らかいですが、これも打ち比べてやっとわかる程度の差ですね。
次が7番アイアンです。この試打では打ち出し角やスピン量に加えて、最高到達点や飛距離、着弾する時の角度などを見ていきます。これも「プロV1」「プロV1x」を打ち比べるのですが、僕の場合どうやらアイアンでのスピン量が少し少ないらしく「プロV1」では7番アイアンの理想のスピン量よりも少なめになってしまいました。そうなるとボールがドロップ気味になるので、飛距離も少し落ちてしまいます。当然グリーン上で止まりにくくもなります。
飛距離はほぼ同じながら、少しだけ「プロV1x」の方が弾道が高く、その分着弾するときの角度も上からになります。そしてスピン量が多くなったのでグリーンでは止まるし、飛距離も安定して出ます。「プロV1」でもスピンは少ないながら着弾の角度は悪くないので、グリーンでは止まるのですが、より安定して飛距離が出て止まるのは「プロV1x」ということになりました。ということで、アイアンのフィッティングでは「プロV1x」の方がいいんじゃないかということに。
弾道とスピン量に明らかな違いがあるのがわかるぞ!
最後にドライバーでのフィッティングです。ドライバーでもいろいろな数値を見るわけですが、やはり打ち出し角やスピン量が大事になってきます。「プロV1」だとスピン量が2500~2600回転という感じ。「プロV1x」だと2800回転前後になったのですが、フィッターさんによると「プロV1x」の方がちょうどいいスピン量なんじゃないかということです。スピンが少なめだと、オフセンターヒットした時などにスピンが減りすぎて飛ばなくなったりすることがあるので、ある程度のスピン量がある方がいいのだとか。ただし、どちらのスピン量でも悪くはないので、決して「プロV1」じゃダメということではないらしい。
また弾道はほんの少しですが「プロV1」の方が低くなりました。弾道に関してもどちらでも悪くないということでした。打感はやはり「プロV1」の方が少し柔らかくてフェースにひっつく感がありますが、「プロV1x」は少しだけ硬くて、打音も高く、ほんの少し弾く感じがします。ドライバーに関しては少し「プロV1x」の方が数値的には良さそうですが、あとは弾道とか打感・打音の好みで決めてもいいんじゃないかという結論に。
最終的に全ての試打結果を見てみると、SWとドライバーに関してはどちらのボールを選んでも良さそうということでしたが、やはり7番アイアンのスピン量が「プロV1x」の方が適正値に近いということなので、今回のフィッティングでは「プロV1x」がちょっとおすすめということになりました。
フィッティングの後にハーフラウンドで実際に両方のボールを打ち比べてみましたが、確かにドライバーの弾道やアプローチの感覚なんかは「プロV1x」が良かったです。「プロV1」の打感の柔らかさもいいのですが、少し柔らかすぎる気もするし、パットの時の打感も少し「プロV1x」の方が好みです。
ということで、僕は2025年モデルの「プロV1x」がいいということになりました。
ボールフィッティングを受けてみて思ったことは、やはりしっかりと数値を見て、そのクラブに求める弾道やスピン量が出ているのかを確認できるところがいいですね。タイトリストには「プロV1」ファミリー以外にもボールがありますが、やはりスコアを作るという面では、どんな腕前やヘッドスピードであれ「プロV1」ファミリーのボールを使うのがいいということです。その方がミスした時の幅も少なく済むんですよね。実際にフィッティングでアイオノマーカバーの「飛び系」と呼ばれるボールもSWで打ちましたが、弾道が明らかに高く、スピンもかなり少なくなりました。高さである程度は止まるものの、やはりグリーン周りから使うにはなかなか難しいですね。
タイトリストのボールフィッティングはちょこちょこ開催されていますので、ぜひとも一度受けてみることをお勧めします。タイトリストの方に聞くと、まずボールを選んでから、クラブを選ぶというのが正しい順番だとおっしゃってましたよ。
そして最後に2025年モデルの「プロV1」と「プロV1x」の感想を。まず見た目に関しては、ほぼ一緒です。ロゴも数字も同じですが、いつものように側面のラインというかモデル名の左右にある矢印が前作とは少し違います。今回はシンプルな先の尖ったラインになています。
そしてフィーリングですが、基本的に僕レベルでは前作との違いはほぼ分かりません。というか、フィーリング面では変えないように作っているんですね。多くのトッププロが使っているわけですから、フィーリングが変わってしまうとプロがチェンジしてくれませんからね。
僕は最近はずっと2023年モデルの「プロV1」をつかっていたのですが、飛距離性能もほぼ同じに感じました。ただ、ある程度振った時のウェッジショットやアイアンショットでのスピン量が前作よりも上がっているように感じます。50ヤードくらいでのショットでもトントンピタッと止まったし、アイアンショットでもグリーンに着弾してから転がる距離が少なく感じました。僕がラウンドで使ってみて感じたのはそのくらいのことでしたね。
元々「プロV1」ファミリーのボールの評価はとても高いわけですが、フィーリングを変えないまま、さらに新しいテクノロジーを投入するというのは本当に難しいことだと思います。そしてわずかでしょうが、前作よりもさらに素晴らしいボールに仕上がっているはずです。プロがすぐに2025年モデルにチェンジしたことがその表れだし、すでに優勝という結果が出ていることで性能の高さは実証されています。
さて2025年モデルの「プロV1」「プロV1x」はどこが進化しているのでしょうか。詳細は1月14日に出るそうなので、もう少しだけ楽しみにお待ちくださいね。間違いないのは、今回もとても素晴らしいボールに仕上がっているということです。
ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。