「ティショットがすごく大事」ただし重要なのは飛距離ではなく……
河本はプロデビューした2022年から3年連続で「ドライビングディスタンス」1位。昨シーズンの平均322.58ヤードは史上最長記録で、今シーズンも2位に10ヤード超の差をつける盤石のパフォーマンスで“王座”を守りました。
その河本に「どうしたらイーグルを取れるのですか? 何を大事にしているのですか?」と単刀直入に聞いてみたところ「ティショットをすごく大事にしています」との答えが返ってきました。
日本シリーズの舞台だった東京よみうりカントリークラブの6番パー5(519ヤード)では、いずれもイーグルだった初日の2打目で使ったのはピッチングウェッジ(PW)に相当するロフト46度のクラブ。2日目はサンドウェッジ(SW)よりもさらに寝たロブウェッジともいえる60度のクラブだっただけに「すごく大事」とは、ドライバーで豪快にブッ飛ばして少しでも短い番手でグリーンを狙うことなのかと思いきや、違いました。
「2打目をいい所から打てないとグリーンを狙ってチャンスを作れませんから、そこだけ考えて。ティショットは飛距離を出す、というより、どのポジションにボールを置くか、ということを意識しています」と「大事」の内容を説明してくれました。
どうすればいいパットを打てるかを考える
さらに「基本、3打目はパットで打たないと入らないので。いいパットを打てるにはどこに乗せるのか。そこに乗せるためにはどこから打つのがいいのか」とも。
この言葉通り今シーズン記録した「11」のイーグルのうち、実に9回がワンパットでした。
カップから逆算して考え、その日のピンポジションに応じて、どこに乗せるのが入る確率の高いパットを打てるのか。
そこに乗せるにはフェアウェイのどこから打つのがいいのか。
ティショットはその場所を狙うという、コースマネジメントの基本を忠実にやっている回答でした。
河本は「イーグル率」の部門では幡地隆寛、岩崎亜久竜に次いで3位。とはいえJGTOも、公式な記録はないものの、同じホールで4日間で3イーグルというのは記憶にない、と言うほどの圧巻のプレーにはこのマネジメントがあったのです。
そしてどこに乗せると「入るパット」が打てるかを考えてグリーンを狙う。
見習いたい「マネジメント」
年末年始でラウンドの機会も増えるかと思います。一般ゴルファーがイーグルを取るのは夢のようなことかもしれませんが、このコースマネジメントを真似することできそうです。
例えばパー4で、2打目以降はどういうレイアウトなのか。
池やバンカーのプレッシャーが少ないのはフェアウェイの左右どちらから打つのがいいか。
2グリーンのコースなら、その日のグリーンはフェアウェイのどちらのサイドから打つのが狙いやすいのか。
またグリーン近くまで来たら、どこに乗せれば次のパットが優しくなるのか、といったことを考えてプレーしてみては、いかがでしょう。
とりあえず、ドライバーは少しでも前に。
次はピンまでの距離を打っていく、とプレーするよりも、ご褒美のバーディがくる可能性はより高まるかもしれませんね。
(取材・文/森伊知郎)


