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佐久間朱莉が未発表モデル「i240」で逆転勝利! “全英仕様”のクラブでつかんだツアー3勝目

2025/06/29 ゴルフサプリ編集部

佐久間朱莉

「アース・モンダミンカップ」最終日(29日、千葉・カメリアヒルズCC)は、1打差の2位から出た佐久間朱莉が4バーディー、2ボギーの70で回って通算11アンダーまで伸ばし、逆転で今シーズン3勝目を挙げた。そのバッグを見ると、「全英女子オープン」(7月31日~8月3日、ロイヤル・ポースコールGC)に向けて今週から投入したクラブがあった。

ツアー最高賞金額大会で3Uをいきなり投入!

今大会は賞金総額がツアー最高の3億円! 優勝賞金も5400万円のビッグトーナメントでした。

ここで優勝した佐久間朱莉は、今シーズンの獲得賞金1億円。
生涯獲得賞金3億円の大台を突破しました。

そしてバッグの中を見ると、ピカピカのクラブが2本入っていました。

まずは5Wの代わりに入ったのがハイブリッドの3番(いずれもG430)です。

佐久間朱莉,クラブセッティング

「全英」用のG430を最終日の難ホールで使った

G430ハイブリッド

佐久間は2週前の「サントリーレディス」で「全英女子オープン」の出場資格を得た際に「風対策としてユーティリティ(ハイブリッド)の3番を入れることを考えています」と話していました。

その3Uが、この「G430」です。
これまでに「去年、一度使ったぐらい」という番手を佐久間は今大会の練習日に試すと、トラックマンの測定では5Wとのキャリーの差が2~3ヤード。
「高さを抑えられて強い球が打てる」(佐久間)弾道が気に入り、試合にも即投入します。

バッグに入れたのは、風が強かった初日と最終日。
初日は出番がなかったものの、最終日は実測191ヤードで難易度が最も高かった(平均スコア3.5325)9番パー3と、難易度2位(平均スコア4.2987)の16番パー4。
9位(平均スコア4.0779)だった17番パー4のいずれもティショットで合計3回使いました。
最終組で回った菅沼菜々(16番)、河本結(9番)がボギーを叩いたホールでのショットの感触は「自分としては良かった」で、全てパーセーブ。シビアな場面でいきなり使って、優勝を争うライバルに差をつけました。

未発表モデル「i240」アイアンも投入

i240アイアン
アドレスで大きな差を感じない(写真右)、ブループリントSの7番(左)と、i240の6番(右)

また6番〜PWまで「ブループリントS」で揃えられていたアイアンも、6番が未発表モデルの「i240」に今週から代わりました。

佐久間は今シーズン2勝してきたとはいえ「ショットの調子はあまり良くない」と言います。

事実、2勝目を挙げた「ブリヂストンレディス」の後は連続予選落ち。
ショットがブレていたのが気になっており、フェアウェイウッドとユーティリティは最新作の「G440」から昨シーズン使い続けた「G430」に戻しています。

6Iは寛容性の高いモデルにすることで、打点がズレるなどのミスが出ても(あくまでトッププロのレベルで、です)ナイスショットとの結果の差が大きくならないようにする策をとりました。

本来ならばしっかりスイングを調整するべきしれませんが、今はシーズン真っ盛り。
さらに約1か月後には「全英女子オープン」が控えていますから、あまり基本的、あるいは大がかりな修正はできません。

「i240」はアドレスで、7~PWまでの「ブループリントS」との“流れ”に違和感を抱かないことを重要視。

こちらはグローバルでのツアー選手へのシーディングが開始されたタイミングだった、3週前の「ヨネックスレディス」でテストし、「G430」の3U同様に今週から投入しました。

今後とも本番までに変更の可能性があるとはいえ、3Uに関しては「全英」用に使い始めた試合でいきなり優勝、と幸先のいいことになりました。

一躍「シンデレラ」となった渋野日向子と似たパターン!?

「全英女子オープン」といえば、日本のゴルフファンで最も印象に残っているのは2019年の渋野日向子でしょう。

この年は5月の「サロンパスレディス」でツアー初優勝すると、「資生堂」で2勝目を挙げて乗り込んだ全英で見事な優勝をしました。

佐久間も今年4月の「KKTバンテリンレディス」でツアー初優勝し、「ブリヂストンレディス」で2勝目。渋野同様に初&複数の勝利を挙げて「全英女子オープン」に乗り込みます。

さらに当時の渋野も、佐久間もクラブ契約はピンです。

こうした巡り合わせからして、佐久間の「全英」での活躍に期待がどんどん膨らんできます。

(取材・文/森伊知郎)