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初心者向けアイアンの基礎知識とセットの選び方

2019/04/04 ゴルフサプリ編集部

ここではゴルフ初心者の方に向けて、アイアンについての基礎知識をお届けします。アイアンがどんなクラブなのか、どんな種類があるのか、どんなアイアンがやさしいクラブなのかについて解説しています。

また、後半ではアイアンセットを購入する際に、参考にしたいポイントについてもご紹介しています。ゴルフ初心者の方はもちろん、これからアイアンセットを購入予定の方も是非ご参考ください。

《この記事の内容》

そもそもアイアンとはどんなクラブ?

まず、アイアンとはどのようなクラブなのか確認しましょう。

ゴルフクラブの種類は、飛距離によって「ウッド」「ハイブリッド」「アイアン」「ウェッジ」「パター」の5種類に分けられます。その中で、アイアンは「グリーンやハザードエリアを考慮して、正確な距離を打ち分ける」ために使用するクラブです。

  • ウッド…長い飛距離を飛ばすためのクラブ
  • ハイブリッド...長い距離を飛ばすためだが、方向性を求めるクラブ
  • アイアン…正確な距離を刻みながら方向性と転がりを調整するためのクラブ
  • ウェッジ...アプローチやバンカーからの脱出、ボールの高低差を調節し、ピンに寄せるためのクラブ
  • パター…グリーン上のボールをカップインするためのクラブ

アイアンは飛距離や方向性の打ち分けなど、操作性(コントロールのしやすさ)に優れていることが特徴のクラブです。アイアンは1番〜9番までの番手があり、目指す飛距離に応じて細やかな飛びの調整をすることができます。

※一部メーカーでは10番、11番などのウェッジをアイアンの番手として表示するものもある

アイアンの各番手の平均飛距離(一般的な男性の場合)

  • 1番(1I):200ヤード
  • 2番(2I):190ヤード
  • 3番(3I):180ヤード
  • 4番(4I):170ヤード
  • 5番(5I):160ヤード
  • 6番(6I):150ヤード
  • 7番(7I):140ヤード
  • 8番(8I):130ヤード
  • 9番(9I):120ヤード

上記のように、番手が1つ上がるにつれて約10ヤードずつ飛距離も大きくなります。1番アイアンが最も飛距離が大きく、9番アイアンが最も飛距離が小さくなります。(最近流行りのストロングロフトのアイアンは7番で200ヤード飛ぶというものもあります。)

このようなことから、1~5番を「ロングアイアン」、6~8番を「ミドルアイアン」、9番〜PWを「ショートアイアン」と呼びます。(現在のアイアンでは特注以外、1〜3番アイアンは発売されていません。)

アイアンのパーツと特性について知る

アイアンのヘッド形状とソールに注目

ゴルフ初心者の方なら、できるだけやさしいクラブを選びたいですよね。やさしいアイアンを選びたい時に、まず注目すべき部分がヘッド形状とソール幅です。

このヘッド形状とソール幅が、「ミスへの強さ」や「コントロールのしやすさ」に関わっています。

アイアンのヘッド形状の種類とそれぞれの特徴

アイアンのヘッド形状は大きく3種類に分けることができます。そのヘッド形状の種類が「マッスルバックアイアン」「キャビティアイアン」「中空アイアン」です。

マッスルバックアイアンの特徴

タイトリスト718MB アイアン

マッスルバックアイアンはヘッドの操作性が高く、ボールコントロールしやすい(いろいろな球筋を打ち分けやすい)ことがメリットです。またフェース部分が肉厚なので、芯で打つと心地よい打感を味わえます。一方で、ヘッドが小さいために芯を外すと飛距離が出ないなどミスに弱いというデメリットがあります。

キャビティアイアンの特徴


マッスルバックよりヘッド、フェース面、ソール幅が一回り大きいのが、キャビティアイアンです。キャビティアイアンは、フェースの裏面が削られるように凹んでおり、その分ヘッドの下側に重量が配されていることが特徴です。

マッスルバックよりフェース面が大きく、またヘッドの下側に重量が配されており低重心のため、ミスに強くボールが上がりやすいことがキャビティアイアンのメリットです。一方、ヘッド全体が少し大きめのためボールコントロールのしやすさについてはマッスルバックに劣ります。

初心者向けキャビティーアイアンは、スイートスポットが広いというメリットもあります。多少、フェースのセンターを外して打ったとしても、大きな飛距離ロスがありません。また打感も大きく損なうことがないというのがメリットです。

中空アイアンの特徴


中空アイアン(ハイテクアイアン)は、外からは見えませんがヘッドの中に空洞があります。マッスルバックのような見栄えですが、やさしいのが特徴です。

フェース面の大きさやヘッドの外側・下側に重量が配されていることから、「ミスに強い」「直進性のある打球が打てる」「ボールが上がりやすい」というメリットがあります。

アイアンのソール幅の種類とそれぞれの特徴

アイアンによってソール幅の大きさは様々です。初心者ゴルファーにとってソール幅が大きいアイアンと小さいアイアンでは、どちらが優しいアイアンといえるのか。それはソール幅が大きいアイアンです。

ソール幅が大きいアイアンのメリットは大きく2つです。一つ目は、ソール幅が大きいことで低重心となり、ボールが上がりやすいこと。

2つ目は、地面との接地面が広くなることで芝の上を滑りやすくなり、多少ダフっても芝の上を滑ってくれるので飛距離ロスが少ないことです。

《ソール形状について》

アイアンのソールを見る時に、幅とともに確認したいのがソール形状です。ソール形状には丸みを帯びた「ラウンド」と平らな「フラット」の2種類があります。

「ラウンド」「フラット」のメリットは以下の通りです。

  • ラウンド…地面(芝)との接地面が少ないためラフからのショットでもクラブが抜けやすい
  • フラット…地面(芝)との接地面が大きいためクラブが滑りやすく多少ダフっても大きなミスになりにくい

ロフト角、ライ角、バウンス角などパーツの意味は

《ロフト角とは》

ロフト角とは、クラブを地面に対して垂直に立てた際に、その垂直線とフェース面が成す角度のことです。フェース面が垂直線より離れるほどロフト角が大きく、フェース面が垂直線に近づくほどロフト角が小さいということになります。

ロフト角が大きいほどボールが上がりやすくなり、ロフト角が小さいほど飛距離が稼げます。

アイアンには7番や9番など、「番手」と呼ばれる番号が記されていますが、番手ごとにロフト角が違うものがセットになっています。番号が小さいほどロフト角も少なく、クラブの長さも長いので、飛距離が出ます。

逆に大きい番号の9番などは、ロフト角も大きく、フェース面が寝ており、クラブの長さも短いので、ボールは高く上がりますが、短い距離を狙えるようになっています。

《ライ角とは》

ライ角とは、クラブのソールを地面に対して水平にした際に、シャフトの中心線と地面の水平線が成す角度のことです。このライ角が大き過ぎる(アップライト過ぎる)アイアンだとフックボールが出やすくなり、ライ角が小さすぎる(フラット過ぎる)アイアンだとスライスが出やすくなります。

平均的なアイアンですと、番手が1つ変わるごとに0.5度ずつライ角が刻まれるよう設計されています。たとえば、3番アイアンのライ角が60度であれば4番アイアンのライ角は60.5度になるということです。

低い番手はクラブの長さが長く、高い番手はクラブの長さが短いため、それぞれの長さに合わせてライ角が設定されいています。

先ほど、ライ角が大きすぎても小さすぎてもミスにつながりやすくなるとお伝えしました。そこで、自分に合ったライ角はいったい何度なのかという疑問がでてきます。

この自分に合ったライ角の選び方としては、インパクトの瞬間にクラブのソールが地面に対して水平状態に接地する角度が基本となります。

《バウンス角とは》

バウンス角とは、クラブを垂直にした際にリーディングエッジからソールが張り出た量を差します。

ソール幅が大きいほど、ソールが芝の上を滑りやすくなります。一方、ソール幅が小さいほど、ソールが地面に刺さりやすくなります。

ヘッド重量とスイングウェイトとは?

アイアンやドライバーなど、飛距離を出したい時にスイングで重要となる要素がヘッドスピードです。ヘッドスピードが速いほど、インパクト時にボールへ与えるエネルギーが高まります。

飛距離を出すうえでヘッド重量も大きな要素です。ヘッド重量とはヘッドの重さ。ヘッドが重いほど、ボールへのインパクト力が高まるので飛距離を伸ばすことができます。

また、もう一つ注目したいのがスイングウェイトです。このスイングウェイトは「バランス」ともいい、クラブをスイングした際に感じるヘッドの重さを数値化したものです。

スイングウェイトは、A0〜A9、B0〜B9…F0〜F9のような数値でクラブのスペックなどに記載されています。(F9に近づくほど、スイングウェイトが重い)

このヘッド重量やスイングウェイトが重いほど、ボールへ与えるエネルギーが高まります。しかし、重すぎるとスイングしづらくなったりバランスが崩れるため、自分が一番フィーリングのよいバランスの物を選んで購入することをおすすめします。

そもそもアイアンセットの構成はなんのため?

ゴルフショップで販売されているアイアンセットは、5番〜9番+PW(ピッチングウェッジ)の組み合わせが基本です。アイアンは「狙った距離に落とす」ことでカップホールに近づけるクラブのため番手が細かく刻んであります。

自分にとって「よいアイアンセット」とは?

アイアンセットはセット販売のため料金も高いです。「高いお金を払うなら、自分にとってベストなアイアンセットを選びたい」と購入も慎重になりますね。

この記事ではゴルフ初心者の方に向けたアイアンの基礎知識についてお伝えしてきましたが、そんなゴルフ初心者の方なら「やさしいアイアンセット」を選ぶようにしましょう。

たとえば、フェース面が大きく、ソール幅が広い、そして低重心のキャビティーアイアンの様なミスに強いアイアンがやさしいアイアンです。また、リーディングエッジがオフセットされた(リーディングエッジがシャフトラインに対して後方に下げられた)グースネックのアイアンもやさしいアイアンです。

また「自分にとって良いアイアンセット」の判断基準ですが、これは『スイングを振り切れる範囲で、できるだけ重いアイアンセット』を参考にしてみてください。重すぎると振れませんし、軽すぎてもショットが安定しません。

またアイアンに限らず、クラブの重さ(ヘッド+シャフト+グリップの重さ)はダフりやトップの一因となる場合があります。

たとえば、自分にとってクラブが重過ぎることで振り切れずヘッドスピードが出ないことや、ヘッドが軽いことでフェースのセンターでボールをインパクトしづらかったりして、正確な飛距離を打てないミスにつながりやすくなります。

以上のことから、ゴルフ初心者の方は「やさしいアイアンセット」「スイングを振り切れる範囲で、できるだけ重いアイアンセット」を選択してみてください。

アイアンセットにSWやAWを含めるメリット

現在の一般的なアイアンセットは5番〜9番+PWが一般的です。また、AW(アプローチウェッジ)とSW(サンドウェッジ)までがセットになった初心者向けのアイアンセットもあります。

SWとAWがセットに含まれているメリットは?

ゴルフ初心者がアイアンセットを購入する際、AWとSWまでがセットになっているとどのようなメリットがあるのか?

アイアンとセットになっているウェッジは、ヘッド形状やシャフトがアイアンと同じものになっています。そのためどの番手でも違和感がなく、スイングが安定しやすいというメリットがあります。

「まだスイングにバラつきがある」「ウェッジ選びのうえで自身の基準やこだわりがない」そんなゴルフ初心者の方なら、AWとSWまでがセットになっているものがおすすめです。

一方、ゴルフ上級者の方が選びやすいマッスルバックなどのアイアンセットには、ウェッジはセットになっていません。これは上級者ゴルファーほど、自分のスタイルに合わせたウェッジ選びをする傾向にあるからです。

単品ウェッジはヘッド形状やバウンス角などバリエーションが豊富なため、上級者ゴルファーにとっては自身のプレースタイルや好みに合わせて選べるという点がメリットになるのです。

アイアンセットの売れ筋傾向

各ECの売れ筋傾向を見るとアイアンセットの構成は以下のようになります。

スリクソン Z585 アイアン(6本セット) N.S.PRO MODUS3 TOUR 105 DST
・6本セット
・#5〜#9 + PW

BRIDGESTONE GOLF TOUR B JGR HF2 アイアン 6本セット
・6本セット
・#5〜#9 + PW

インプレス UD+2 アイアン 2019年モデル 4本セット
・4本セット
・#7〜#9 + PW

BRIDGESTONE GOLF TOUR B JGR HF1 アイアン 5本セット
・5本セット
・#7〜#9 + PW1+PW2

上記のような構成が現在の売れ筋になります。5番〜9番+PWを押さえてあとはSWとAW(アプローチウェッジ)を買い増す傾向が高いようです。

また単品でもアイアンは4番と5番、ウェッジはSWとAWが売れ筋に上がっていることから、いずれ買い替え買い増しするのは4番と5番アイアン、加えてAW(アプローチウェッジ)となるでしょう。

ゴルフ初心者ならアイアンセットはここがポイント(まとめ)

ここまではゴルフ初心者の方に向けて、アイアンの基礎知識や初めてのアイアンセットの購入で参考にしたいポイントについてご紹介してきました。

ゴルフ初心者の方であれば、「やさしいアイアンセット」「スイングを振り切れる範囲で、できるだけ重いアイアンセット」を購入する際にご参考ください。

また最後に、アイアンセットを購入する際に確認しておきたいチェックリストをまとめています。それぞれの特徴や違いによる影響を理解しておくと、購入もスムーズです。是非、お役立てください。

クラブ重量振り切れる範囲で、できるだけ重いものがおすすめ
スイングウェイト・クラブをスイングした際に感じるヘッドの重さを数値化したもの
・自分が一番フィーリングのよい重さのものを選ぶ
ヘッド形状ヘッド形状は「マッスルバックアイアン」「キャビティアイアン」「中空アイアン」の3種類
ヘッドの材質ヘッドの材質は「カーボンスチール」「ステンレススチール」「コンポジット」の3種類
シャフトの基準となる長さ#7=37インチ
シャフトの材質と特性・スチールシャフト…重量があり、ヘッドスピードが速い男性向け(最近では軽量化モデルもある)
・カーボンシャフト…軽くて振りやすい。ヘッドスピードが遅い女性やシニア向け
セット内容(PW、SW、AW)・PW…ウェッジの中で最も飛距離が出るウェッジ。飛距離は約100ヤードが目安。
・AW…フェアウェイからグリーンに寄せる際に有効なウェッジ。飛距離は約90ヤードが目安。
・SW…バンカーや深いラフからグリーンに寄せる際に有効なウェッジ。飛距離は約70ヤードが目安。

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