アイアンのリピータブルなトップスイングの条件とは?(2/2)|教えて!ホーガン先生
アイアンが際立つ!強いインパクトの作り方【第6回】Part2
安定した強いインパクトを迎えるにはダウンを決定するトップの決め方が重要。
ホーガンは、肩の十分な回転が必要と述べ、左肩の上の部分がアゴに触れることを挙げた。
単なるターンでは、触れないのでは……?
これがホーガン流|ダウンの左ヒジロールは「遅らせて」強くたぐる
タメとリリースのメリハリは左ヒジをチェック
「トップでせり上がった左肩は、ダウンでの左手のたぐり動作、左ヒジのロールの戻しで下がります。ですが、インサイドから叩く強いインパクトを実現するには、この動きを一呼吸、遅らせるのがベターです」(森)
切り返しで、クラブと右ヒジを落とす動作だけでも、左腕、左肩はトップ直前の高さまで下がる。
「ダウンの腰の回転のリードで手元は下がります。そこから、左ヒジのロールを意識して、たぐり込めばいいんです」(森)
注意したいのは右ヒジ。左ヒジのロールに合わせて、すぐに左にロールしてはいけない。
「左手のたぐりで、フェースを立ててボールを押すまでは、右ヒジは右腰骨を指したまま。フォローまで我慢です」(森)
左ヒジのたたみで 右ヒジはロールする
右ヒジが早い段階で外を向いてしまうと、たとえヘッドは走っても“押す”インパクトにはならず、フックなどのミスにつながる(左)。
フォローに入り、左ヒジのたたみに合わせて右ヒジをロールしていくのが正解(右)。
左ヒジは外向きでクラブを落とす
左ヒジを早い段階でたぐるようにロールしてしまうと、インサイドから叩けるポジションにヘッドを落とせない。「右ヒジ、右手首を腕相撲の負けポジションのようにすると、インパクトで押し込めるパワーがタメられます。左ヒジを外向きのまま、ヘッドと右ヒジを下げるのがポイントです」(森)
たぐらないリリースは押せない
左腕を止め、右手でヘッドを走らせる場合は、右ヒジはすぐに外を向く。「これでも飛距離は出せますが“押し”の弾道の強さ、コントロール性は期待できません」(森)
あっ!これもホーガン流|“押し込む”インパクトが両ヒジに表れるラーム
コンパクトなトップからパワフルなショットを放つジョン・ラーム。「フォローで両腕が伸び切る位置でも、ヘッドは左手を追い越さない“たぐり”をキープ。右ヒジも下を向いたまま。だからフェースは左に返りすぎず、フォロー後半でシャフトが立つんです。スピンが安定し、ラインの出る打ち方ですね」(森)
ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。
森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。
取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images
GOLF TODAY本誌 No.558 73〜77ページより