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アイアンの強いインパクト作りにはダウンで「右足の蹴り」は必要?(2/2)|教えて!ホーガン先生

アイアンが際立つ!強いインパクトの作り方【第10回】Part2

2019/04/23 ゴルフサプリ編集部

強いインパクト作りにはフットワークも重要。だが、余計に動かしすぎても、抑えすぎても、打点の乱れやエネルギーロスにつながってしまう。

必要にして十分なフットワークとは何か、ホーガン流ボディターンとともに考えてみよう。

これがホーガン流|「腰の切れ」を生むのは「内側で粘る」イメージ

「ヘッドを振る」が大前提

たぐり込み動作

ヘッドを振る意識が腕の振りを促し、下半身のリード動作を追い越していく

腰のターン

左ヒザに内向きのテンションがあるため、左腰はゆるんで開かず、切れ上がる

ダウンでは右足は蹴らずに〝内側で踏み込む〞

さて、ホーガンのドライバーショットを見ると、右足を強く蹴っているように見える。

著書『パワー・ゴルフ』では、飛距離を出すコツとして「アドレスで、右足の内側のスパイクを地面に埋め込む動作をする。こうすることで、結果的にインパクト近辺で右足が地面を強く押すことになり、より大きな飛距離を出すことができる」と述べている。

しかし、これは〝蹴る動作〟ではない、と森プロ。

「右足の〝蹴る動作〟を意識すると、右足カカトが上がり、右ヒザが前に出やすくなります。すると、左ヒザも割れ、効率的なターン動作ができなくなります。

正しい動きは、左腰のターンに合わせて右脚を内側に倒していく、つまり〝内側に踏み込む〟感覚を持つようにすべきです」(森)

腕の振りを支えるのも フットワークの役割

「右足内側の踏み込み感覚は、左腰のターンを意識するだけでフットワークの余計な動きを排除します。大事なのは、ダウン始動と同時に下りてきた腕とクラブを一気に振る意識。この上体の動作をバランスよく支えるのも、フットワークの役割です」(森)

「左ヒザリード」「腰のスライド」はNG

「意識的に左ヒザでリードしたり(左)、腰をスライド(右)させたりして、体の開きを抑えようとすると、スイング動作を崩してしまう。腰は多少スライドするが、それは右足の踏み込みだけで十分」(森)

あっ!これもホーガン流|左ヒザを残して腰をターンするから左足カカトが浮く

パトリック・リード

マスターズのディフェンディングチャンピオンのパトリック・リードは、インパクトで左足カカトが浮き気味。「切り返し直後を見ると、左腰はターンしているのに左ヒザは残すよう下に向けたまま。結果、体が開かず、コントロールの効いたショットが打てています。フィニッシュでは、左足カカトが内側に入って体の負担をなくしています」(森)

ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images

GOLF TODAY本誌 No.562 81〜85ページより