ゴルフ新ルール|ドロップのやり方、勘違いしている人が多いのでもう一度おさらい!
新ルールが施行されて3ヶ月以上経ちましたが、まだまだ慣れていないせいもあり、ゴルファーのあいだでは多少混乱が生じている部分もあるようです。
プロのトーナメントでもいくつかトラブルになったという話も聞こえてきます。まだいまいち新ルールを理解できていないという方も多いでしょうが、理解したつもりでも勘違いして覚えてしまっている方も多いように感じます。
そこで!皆さんがよく行うであろう「ドロップ」について、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオと一緒にもう一度おさらいしてみましょう。
撮影/野村タケオ
膝の高さからドロップする。
去年までのルールでは腕を真っ直ぐに伸ばし、肩の高さからドロップするのが正しいやりかたでした。
しかし新ルールでは膝の高さからのドロップということになりました。低いところから落とすことにより、落下後のボールが転がりすぎて再ドロップになる事を減らし、プレー時間を短縮しようという狙いもあるようです。
膝の高さというのは、膝下を地面と垂直になるようにしたときの高さのことです。ですから、膝を曲げないように真っ直ぐに立ち、その膝の横からドロップをすれば正しくドロップができたと言えます。
膝の高さ=膝の横ではないんです!
しかし、腰や膝の痛い人や体の硬い人(僕もそうですが)は、真っ直ぐに立ったままの姿勢で膝の横からドロップするというのがちょっと難しかったりすることもあります。
そこでどうすれば膝の横からドロップしやすいのかを一生懸命考えるわけで、片膝ついた王子様ポーズとかが良いんじゃないかって話しになるわけです。
しかし、実はここですでに誤解が生じているんですよ。新ルールのドロップは「膝の高さから」と決まっているわけですが「膝の横から」と決まっているわけではないのです。ここ重要!
なのでドロップの際に必ずしも膝下が地面と垂直になっている必要はないんです。膝が曲がっていても全く問題なし!
ただし、曲がった膝の横からドロップしちゃうと、これは正しい場所よりも低いところからのドロップになってしまうので違反となってしまいます。仮に膝が曲がっていても、膝が曲がっていないときの高さからドロップすればOKなわけです。
こういうポーズでもボールがちゃんと膝を伸ばしたときの膝の高さからドロップされていれば全く問題ないわけです。
極端な話、こんなポーズでも、ルール的にはOKなんです。(マナー的にはダメでしょうけどね)
この部分を勘違いしている人が多く、ちょっとでも膝が曲がってると、それは違反だー!ってなっちゃうわけですね。もし身近に間違えて覚えてしまっている人がいたら教えてあげてください。
ただし、いくら正しい高さからのドロップであっても、膝を曲げてやっていると、同伴競技者から間違った位置からのドロップだと誤解されかねません。できればそういうトラブルは避けたいもの。なので、結局は、なるべくそういう誤解を受けないような姿勢でドロップしたほうがいいとは思います。
救済エリアは必ずドライバーで測る?
新ルールのドロップに関連して、ドロップする範囲を測る方法についても誤解が多いようなので、少し書いておきましょう。
新ルールではドロップする範囲(救済エリア)を決めるには、バッグの中のパターを除いて一番長いものを基準にするということになりました。おそらくほとんどの人はドライバーということになるでしょう。ですから、例えばカート道などからの救済を受けるときは、ニアレストポイントから1クラブレングスの範囲内にドロップ出来る訳なので、ドライバー1本分の範囲ということになります。
ただここからが問題。ドライバー1本分ということなので、必ずドライバーを使って計測しなければいけないと思っている方が多い。
「いちいちドロップの時にドライバー持っていくの面倒だよね~」なんて会話を聞くことがありますが、実は必ずしもドライバーを使わなければいけないわけじゃないんです。このあたりがかなり曖昧な部分なのですが「ドライバーってこのくらいの長さだよね」って感じでいいんですよ。
仮にちょうど8番アイアンを持っていたとしたら、その8番アイアンで長さを測り、それにグリップの長さ分を足したくらいがドライバーの長さだから、ここまでが救済エリアだなって決め方でも良いんです。もしユーティリティを持っていたら「ユーティリティに10センチくらい足せばドライバーだよね」ってことでも良いわけです。極端な話、自分の靴が何足分でちょうどドライバーの長さっていう決め方でもいいし、歩幅大きめの一歩がちょうどドライバーの長さって測り方でも問題ないわけです。
または8番アイアン等の短いクラブで救済エリアを計測したとして、その範囲内にドロップできていれば、確実にドライバーで測るエリアよりは内側にあるわけですから、これでもOKです。ただし、もしその8番アイアンで計測したエリアを出てしまい、なおかつドライバーで計測したと思われる範囲から出たか出ていないのか微妙な場所にボールが止まった場合は、ドライバーを用いて確認する必要がありますこのあたりは注意が必要ですね。
このように基本的にはわざわざドロップをするたびにカートまで走ってドライバーを取りに行くことはないわけですが、同伴競技者からクレームが出たりした場合に、きちんと自分の考えと、何をもとに救済エリアを決めたかをしっかりと説明できるようにしておいたほうが良いと思います。
ちなみに新ルールではドロップしたボールは救済エリアの範囲内に止まっていなければダメということになりました。前ルールではボールの落下地点から2クラブレングス以上転がらなければエリア外にでたとしても問題なかったのですが、今回からエリア外に出たボールは再ドロップとなります。このあたりも注意してくださいね。
今回のルール改正はけっこう曖昧というか、緩くなった部分があるのですが、基本的には「ゴルファーだから嘘はつかないよね」ってことを前提にされているわけでです。今回紹介したルールの他にもちょっと誤解を生みやすいことや、あまり知られていないことなんかもありますので、また分かりやすく記事にできたらな~って思っています。
ゴルフは審判のいないスポーツです。ルールをちゃんと理解して、しっかりと自分で正しくジャッジしてプレーしましょうね。
(取材・文)ゴルフバカイラストレーター野村タケオ
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