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アイアンの飛距離が出るフェードボールの打ち方は“右に曲げない”(1/2)|教えて!ホーガン先生Ⅱ

アイアンが際立つ!強いフェードの作り方【第1回】Part1

2019/05/15 ゴルフサプリ編集部

計10回にわたり「強いインパクト」ができるホーガン流のスイングを検証してきたが、ここからは「強い弾道」について考察していこう。

ホーガンの持ち球は風に強いフェードだったが、真のイメージは“絶対左に巻かないストレート”だ。

ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

フェードとドローの本質は強弾道+「逆球解消」の追求

強いインパクトはクラブの構造がフック回転を生む

ホーガンは元々フッカーで、強いフェードを習得したことで黄金期を築き上げた。

「ルール上、パター以外のクラブはヘッドの重心がシャフト軸線から外れ、重心アングルができます。インパクトエリアでヘッドを走らせてリリースすると、どうしてもトゥがヒールを追い越し、フェースが左を向くようになります。

ホーガンに限らず、ヘッドスピードが最高に達するスイングの最下点際でインパクトできるプロや上級者は、ナチュラルにフッカーとなります」(森)

では、フックを消してストレートに近づけるには、スライスの要素が必要なのだろうか。

「ヘッド軌道とフェース向きでスライスの要素を取り込むとパワーロスが大きくなります。フェースターンによるかぶりを抑えつつ、ヘッドを押し込む動きが〝フェースを立てる〟ことです」(森)

「強いフェード」は「低いドロー」だ!

ドロー:フェースを押し込むことでフック回転を消しつつ、タテ回転を増やしたストレート弾道。ロフトなりの高弾道で、飛んで止まる。

フェード:フック回転の要素を消したストレート弾道。フェースを立てて打球のタテ回転を強めるため、打ち出し角度が低めになる。

フック:ヘッド軌道よりフェースがかぶるため、低弾道でランが出る。

スライス:ヘッド軌道よりフェースが開き、パワーが伝わらず、飛距離が落ちる。

原則
決めるのはインパクト

弾道の強さ、安定性を決めるのは、インパクトエリアでのヘッドの動き。スイング動作は、ここから逆算するのが正解。

原則
ダンブローはゆるやか軌道で

効率よくパワーを伝えるには、ヘッドの動きのベクトルを弾道ラインに近づけること。なるべく入射角をゆるやかに。

原則
ダウンブローはインサイドアウト

パワーをロスしないのはストレート軌道だが、スイングは円軌道。最下点の手前では、原則インサイドアウト軌道に。


正しいインパクトのイメージは?


次回へ続く

イラスト/久我修一
取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images

GOLF TODAY本誌 No.563 105〜109ページより