アイアンの飛距離が出るフェードボールの打ち方は“右に曲げない”(2/2)|教えて!ホーガン先生Ⅱ
アイアンが際立つ!強いフェードの作り方【第1回】Part2
計10回にわたり「強いインパクト」ができるホーガン流のスイングを検証してきたが、ここからは「強い弾道」について考察していこう。
ホーガンの持ち球は風に強いフェードだったが、真のイメージは“絶対左に巻かないストレート”だ。
ホーガン流「弾道」メカニズム|ボールに「タテ回転」が強くかかるように「押す」
3つの強弾道イメージ
つかまった軽いフック
ボールがフェース上で潰れて、飛び出すまでにフェースがターンし、フック回転がかかる。ロフトが大きいほどこの度合いは強まる。少し右に打ち出して目標に合わせる手段もある。
陳清波のドロー
森プロの師、陳清波のドローは、オープンフェースでとらえて、スクエアまでターンして打ち出すイメージだという。「スタンスのラインまでドローで戻るイメージと教わりました」(森)
ホーガンのフェード
左手首の外転動作で、1番手ぶんロフトを立てるイメージ。飛距離とともに、バックスピン量も増やし、風に負けない、止まる強弾道になる。打ち出し方向はスタンスの向きで調整。
フェース上をせり上がる球をどう押し込むか
アイアンショットを考えてみよう。ダフらないためにも、ヘッド軌道は薄めのサイドブローかダウンブローになる。
「強いインパクトを求めるなら、ゆるやかな入射角のダウンブローがベストです。その場合、ヘッド軌道の最下点の手前でとらえることになるので、若干インサイドアウト軌道になります。
そのため、スタンスラインより右に打ち出されて、ヘッドがターンするとフックで戻るようになります。つまり、ダウンブローはフックと相性が良い技術なんです。
私の師匠、陳(清波)先生はインパクトの〝押し込み〟でヘッド軌道をストレートに近づけ、ドローを完成させました。ですがホーガンは、ヘッド軌道はそのままのイメージで〝フェースを立ててタテ回転を強める〟技術で〝左に巻き込まない〟ストレート=フェードをマスターしています」(森)
「フェースがボールを包み込むよりも、立てながら押すことでフック回転が消え、タテ回転が主になります」(森)
トゥダウン + フェースターン = 「フック回転」
「インパクトでは、フェースが開いた状態だとボールの右手前から当たります。そこからヘッド重心が押し込む間に、ボールはフェースをかけ上がります。フェースが開いたままだと右にスライスしますが、トゥダウンとフェースターンでボールを包み込むと、ボールにはフック回転が加わります」(森)
ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。
森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。
イラスト/久我修一
取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images
GOLF TODAY本誌 No.563 105〜109ページより