ローリー・マキロイのドライバースイングを分析【連続写真つき】
連載「大判写真で見る、一流プロのドライバーマネどころ」VOL.7
今年は6試合連続でトップ10に入る活躍を見せるローリー・マキロイ。第2の全盛期とも言われているマキロイは、2年連続で米国PGAツアーで年間平均飛距離1位をマーク。そのヒミツは?今回はローリー・マキロイのドライバースイングを写真とともに解説していく。
※連続写真は2018年に撮影したものです。
[目次]
・2年連続で米国ツアーのドライバー平均飛距離No.1|ローリー・マキロイ
・マス目連続写真で見るローリー・マキロイのドライバースイング分析
・ローリー・マキロイのドライバーグリップのヒミツ
・ローリー・マキロイのドライバースイングのマネどころ
2年連続で米国ツアーのドライバー平均飛距離No.1|ローリー・マキロイ
インパクトのポイント|ヒップターンは左のお尻を回す!
ローリー・マキロイは左のお尻がインパクト前にターン。アマチュアはインパクト前にお尻が目標方向に流れてしまう人が多いのでヒップターンできない。
マス目連続写真で見るローリー・マキロイのドライバースイング分析
❶ 左肩を下げて、手首を低く動かす
テークバックでは前傾姿勢から左肩を少し下げる動きをすることで、手首が低い位置を通るバックスイングになる。
➋ トップでも左ヒジはストレート!
左ヒジはトップでもストレートに伸ばしたまま。最大限に腕を伸ばした状態からダウンスイングに入ることで遠心力が大きくなる。
手首が低い位置を動くことで加速する!
【POINT】
インパクト前後の姿勢、手首の位置を見ると、全く体が伸び上がることなく、手首が低い位置を通ることでヘッドを加速させることができる。
❸ お尻を回すことで腕の通り道ができる
お尻を横に動かすのではなく、回転させることによって、フォローでは腕の通り道ができるので、ヘッドがスムーズに動く。
ローリー・マキロイのドライバーグリップのヒミツ
左手をフックに握り、上半身をロックする
マキロイのスイングのカギになる左手は、完全にロゴが見えるくらいストロンググリップ(フックグリップ)に握っています。
ここまでストロングに握ると、アドレスで左ワキが締まってきて、上半身に一体感が生まれます。腕だけが動かないように上半身をロックさせている感じです。だから手打ちにならずに、体全体を使ったスイングになるのです。
お尻の動きによって、捻転を深くしている
身長178㎝と、決して大柄とは言えないマキロイ。しかし、飛ばし屋揃いの米国PGAツアーでも2年連続で平均飛距離1位の成績を残しています。そのスイングの特徴は、左サイドのカラダを使った高速ターンにあると言えるでしょう。
実際にマキロイのスイングデータを解析すると、骨盤の回転スピードがすごく速いそうです。ですが、スイングを見ると骨盤の回転はダウンスイングの初期までで、それ以降はどちらかというと上半身主体で、左ヒジの運動量でクラブを振り抜いています。
注目は、テークバックで手元が低い位置から左ヒジをぐっとカラダに引きつけて、引きつけたままフィニッシュまで一気に振り抜いているところ。
そのパワーを生んでいるのは、左のヒップです。テークバックでぐっと左のヒップに力を入れ、カラダの左サイドを捻転させています。手を低い位置からなにかを引っ張るように上げることで、左ヒジの引きつけが可能になりますし、ヒップの力を十分に使うことができるので、インパクトでパワーが生まれるのです。
ローリー・マキロイのドライバースイングのマネどころ
左ヒジを右手で抑えて素振りすると力感がイメージできる
低い位置から引っ張るように左ヒジを引き付けることで、左のヒップの力が使えてインパクトまで最大限にパワーを蓄積できる。マキロイのスイングイメージは、実際に左ヒジを体に付けたままスイングすることで体感できます。腕がカラダから離れると、体の筋肉が使えないことがわかるでしょう。
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インパクトゾーンでは、左ヒジを体につけるくらいの距離感をキープして、体から離さないことがポイント。
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左ヒジが開いてしまうと、体の筋肉を使うことができず、インパクト後もいわゆるリバースピボットになる。
●解説・レッスン
永井延宏
1969年生まれ、埼玉県出身。10歳からゴルフをはじめ、25歳でアメリカにゴルフ留学。フロリダのミニツアーに参戦しながら最先端のティーチング理論を学ぶ。帰国後、本格的にレッスン活動をスタート。わかりやすい指導で多くの信奉者をもつ。
協力/ゴルファーレ高田馬場
GOLT TODAY本誌 No.564 17~19ページより