ゴルフ初心者におすすめ!シャフトの簡単な選び方
カリスマクラフトマンが初心者ゴルファーに伝授!
近年はヘッドよりも重要になってきているのがシャフト選び。クラブの振りやすさを左右するシャフトは、クラフトマンである鹿又の専門分野。その選び方にもゴルファーに役立つ独自の視点があった。
鹿又芳典さん
●かのまた・よしのり/アマチュアだけでなく、プロゴルファーのクラブも手がけているカリスマクラフトマン。長年、ゴルフ雑誌などゴルフメディアでも活躍し、1年間に2000本以上の最新クラブを試打している。
(golf-baka.com/)
取材・文/野中真一
取材協力/ジャパンゴルフスクール、ゴルフショップマジック
適正シャフトは、スコアではなくパワーや年齢で変わる!
ドライバーに関しては純正シャフトと呼ばれる、クラブを購入したときに標準で装着されているシャフトがあります。これは最も価格が安く、そのモデルの定番シャフトと言えます。
もう一つがカスタムシャフトと呼ばれるもので、シャフトメーカーのシャフトが装着されているものです。カスタムシャフトになると、純正シャフトが装着されたドライバーに比べて1万5000円前後、高くなっているモデルが多いです。
ここで純正、カスタムと言う言葉のイメージだと「初級者=純正シャフト」で「中・上級者=カスタムシャフト」と思われがちですが、それは完全に間違いです。
シャフト選びにおいてはスコアや腕前よりも、年齢やパワーが大切です。
ドライバーの選び方でも説明しましたが、特に日本のゴルフメーカーは50歳以上をメインのターゲットにしているモデルが多いです。だから、純正シャフトも50歳以上を想定しているモデルが多い。そのシャフトをゴルフは初心者でも40歳のスポーツ経験者が打つと、逆にシャフトが合わないので、すごく難しいクラブに感じることがあるのです。
特に野球経験者の方は要注意です。
アマチュアゴルファーには野球経験者も多いですが、野球をやっていた人は初心者であってもヘッドスピードは早いです。そうなると、シニア向けの純正シャフトではなくて、ツアープロが使う重量帯のカスタムシャフトを最初から使ったほうが上達は早くなります。
セッティングではシャフトフローが大切!
シャフトはフェアウェイウッド、アイアン、ウェッジの重さが正しくなっていることが大切です。クラブの数が増えると、シャフト選びには無限のパターンが考えられるので、シャフト選びの迷路に入ってしまう人は多いです。
そんな状況にならないように私がオススメしているのはフルショットする中から最も得意なクラブを最初の基準にすることです。
例えば7番アイアンが得意な人は、そのアイアンのシャフトを基準にしてアイアンより短いウェッジは少し重く、フェアウェイウッドは少し軽く、ユーティリティはアイアンと同じくらいにするのが良いと思います。
シャフト選びの基本は短くなるクラブほど徐々に重くなっていくことです。
それはクラブの長さに合わせたフローでもありますし、短いクラブになると飛ばすことより、正確な距離を打つことが大切になるので、重めにしていくことが大切だからです。
ドライバーシャフトの選び方だけは単体で考えてOK!
アイアンを基準にしてウェッジやユーティリティのシャフトを選ぶことはすごく有効ですが、唯一、ドライバーだけは別モノと考えてください。
さきほどセッティングの流れで解説した「短いクラブほど重くする」の基本だと最も長いドライバーが最も軽いシャフトになるのですが、必ずしもそのルールに合わせる必要はありません。
その理由は、ドライバーはティアップした状況でしか使用しない唯一のクラブだからです。ドライバーだけはそのルールにしばられずに、自分が振りやすいモデルを選んでください。その結果として、フェアウェイウッドと同じ重さになってもOKです。
14本のシャフトフローを考えるときに昔はドライバーからフェアウェイウッドは約10グラム重くして、ユーティリティはさらに20グラム重くする。アイアンはユーティリティのシャフトに合わせる。そしてウェッジはアイアンより重めにすると言う14本の基本ルールがありましたし、今もそれを提唱される方はいます。しかし、最新のクラブにはそれほど細かく10グラム、20グラムにこだわらなくて良いと思いますし、ドライバーは別モノと考えるべきだと思います。
同じフレックスでも、シャフトが違えば別モノ!
シャフトのフレックスに関しては、ベテランゴルファーでも勘違いしている場合が多いのです。フレックスと言うのはシャフトの硬さを表す単位でよくR、SR、S、Xなどと表記されます。硬さの順番で言うとXが最も硬く、S、SR、Rと軟らかくなっていきます。
ただし、これは同一シャフト内での基準でしかありません。だから別のシャフトにするときには関係ない基準になるのですが、ゴルフショップなどでシャフト交換するときも「昔からSを使っているから、次もSにしてください」と言う人はすごく多いです。それでは、自分に本当にぴったりなシャフトには出会えません。
特に純正シャフトからカスタムシャフトにするときは注意してください。純正シャフトのSは硬さの感覚としては、カスタムシャフトのRかSRくらいになることが多いです。
だからフレックスに関しては、ある程度、重さを基準にして振りやすいシャフトを見つけた後の微調整くらいに考えてください。
最後にタイプ別のシャフト選びの参考を提案しますので、シャフト選びに悩んでいる人は参考にしてみてください。
【60代以上/スポーツ経験なし/初心者】
- ドライバー:40〜50グラムの純正シャフト
- フェアウェイウッド:40〜50グラムの純正シャフト
- ユーティリティ:50グラム前後の軽量カーボン
- アイアン:50グラム前後の軽量カーボン
- ウェッジ:90グラム前後の軽量スチール
- パター:純正シャフト
【50代/スポーツ経験あり/上級者】
- ドライバー:50グラム台のカスタムシャフト
- フェアウェイウッド:50グラム台のカスタムシャフト
- ユーティリティ:90グラム前後の軽量スチール
- アイアン:90グラム前後の軽量スチール
- ウェッジ:120グラム前後のスチール
- パター:純正シャフト
【40代/野球経験者/初心者】
- ドライバー:60グラム台のカスタムシャフト
- フェアウェイウッド:60グラム台のカスタムシャフト
- ユーティリティ:90グラム前後の軽量スチール
- アイアン:100グラム以上のスチール
- ウェッジ:120グラム前後のスチール
- パター:純正シャフト
【関連】
・ゴルフクラブの選び方|初心者向け基礎知識をクラブ種類別に解説