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アイアンスイングを上達!飛距離を安定させる打ち方を小川泰弘プロが解説

2020/01/06 ゴルフサプリ編集部

アイアンはピンやグリーンを直接狙いたいときに使うクラブ。ボールを遠くに飛ばしたいドライバーとは違って、飛距離を安定させて打つことが大切だ。狙ったターゲットに正確に運ぶためのポイントを小川泰弘プロが親切にレッスン。アイアンの飛距離がそろってくるとグリーンオンの確率がアップし、スコアアップに大きく前進できる。

教える人・小川泰弘プロ

おがわ・やすひろ。
1972年9月5日生まれ、東京都出身。1999年プロ入り。
昭和の森ゴルフアカデミーで幅広い年代層をレッスン。実戦的でわかりやすい指導法に定評があり、これまでにレッスンしたゴルファーは2500人を超える。

取材・写真/三代 崇 協力/昭和の森ゴルフコース

アイアンの飛距離を安定させるには「縦の距離感」を揃えることが大切

アイアンは飛ばすためのクラブではなく、ボールを狙ったターゲットに運ぶためのクラブです。そのためには「縦の距離感」を揃えることがとても重要なポイントとなります。

たとえば7番アイアンで打ったときに、ナイスショットなら140ヤードくらいの距離が出るけど、ちょっとダフリとなって20〜30ヤード手前にショートしたり、トップしてグリーンをオーバーしたりではスコアがまとまりません。

多くのアマチュアゴルファーはピンやグリーンを狙うとき、方向を第一に考えようとしますが、飛距離の安定を優先しないと出球の方向も狂いやすいのです。

7番アイアンのショットで10回打ったら10回とも140ヤード近くの距離が打てるようになるのがベストです。そこまでいかなくても誤差を5〜10ヤード以内に抑えられたら合格です。

これが「縦の距離感」をそろえるということです。飛距離が安定してくると方向性の誤差も少なく抑えられますから、グリーンオンの確率もアップします。

現在は、3〜5番アイアンはほとんど使われなくなり、6〜9番までとPW、AW、SWの3本のウェッジをキャディバッグに入れているゴルファーが増えましたが、それぞれの番手とおりの飛距離が打てるようになりたいものです。

アイアンの飛距離安定には振り幅を抑えたスリークォータースイングがいい!

アイアンの飛距離がなかなか安定しないという人は、球をすくい上げようとしているか、クラブを振りすぎているかのどちらかが原因です。

7番アイアンの場合、ボールの位置はスタンスの中央か、やや左寄りとなります。スタンス幅は肩幅くらいが目安です。そして両手を左モモのツケネの前にセットし、ややハンドファーストに構えましょう。

バックスイングで胸を右に90度右に回し、ダウンスイングでは体重を左足に乗せてハンドファーストのインパクトをつくります。

構えたときよりもグリップの位置を少し目標側に寄せてフェース面を立てるイメージで打ちます。7番アイアンのロフト角を30度とすれば、インパクトでは20〜25度くらいまでロフトを減らして打つという感覚です。

ロフトを減らして打つ意識を持つとボールを上から正確にヒットしやすくなり、適切なスピン量がかかって球の打ち出し角と飛距離が揃いやすくなるのです。

ところがボールを上げようとするとインパクトで右足体重となり、構えたときよりもロフト角が増えてしまいます。
ボールの手前の地面を叩いてダフリになりやすいですし、フェースにうまく当たったとしてもボールが高く上がりすぎて飛距離が低下してグリーン手前にショートという結果となるのです。

アイアンショットでは基本的にはフルスイングはしません。飛距離を安定させるためにもフルスイングの4分の3くらいの振り幅のスリークォータースイングで打つことを心がけましょう。

トップとフィニッシュのポジションをやや低い位置でピタッと止められるようなスイングです。手の高さは肩くらいを目安と考えてください。

アイアンで振り回そうとするとトップがオーバースイングとなり、左手グリップや左ヒジが緩みやすくなります。フィニッシュでもバランスよく立てませんから、インパクトの打点が狂いやすく、縦の距離感が揃いません。

その点、スリークォータースイングで打とうと思えばスイングがきれいになりますし、緩まずに打てますから飛距離が安定してグッドショットの確率がアップします。

これはプロたちがよく用いる「ライン出し」のショットで、飛距離と方向性を同時に安定させるという一石二鳥の効果があります。

スリークォータースイングで打つからといって、飛距離もフルスイングの4分の3まで落ちるわけではありません。
振り幅を小さめに抑え、スイングの力感も8割くらいにセーブすることで飛距離の安定をはかるのが目的であり、実際には飛距離はほとんど変わらないか、フルスイングよりも少し落ちる程度です。

インパクトの打点が安定しやすいことを考えれば、むしろスリークォータースイングのほうが平均的な飛距離が伸びたというケースがとても多いのです。

ボールの位置はスタンス中央付近。両手を左モモのツケネの前にセットし、軽くハンドファーストに構える。
バックスイングで胸を90度右に回し、トップの手の高さは右肩くらいを目安にする。
アドレスよりもグリップを目標側に寄せて、ハンドファーストのインパクトをつくる。
フィニッシュの手の高さも左肩くらいが目安。トップと左右対称形となるのが理想だ。
アドレスよりもロフト角を減らすつもりでインパクトする。
上げようとするとインパクトが右足体重になり、ロフト角が増えて飛距離が落ちる。
飛ばそうとしてクラブを振り回すとミート率が低下し、飛距離が安定しない。

5番アイアンを上手に打ちこなすコツとは?

5番アイアンは今ではあまり見られなくなりました。プロやシングルゴルファーは使っている人をよく見ますが、一般のアマチュアゴルファーは6番アイアンから入れているのが普通です。

というのも今の5番アイアンは昔の3番アイアンと同じくらいのロフト角となっていて球が上がりにくく、扱いが難しいからです。

パワーがあってヘッドスピードが速い人でしたら、5番アイアンでも高さを十分に出せますが、平均的なパワーの持ち主やあまり力のない人はナイスショットしても球が低い角度で飛んでいきます。

5番アイアンが打てないと悩む人の多くは、5番で打っても6番で打っても距離がほとんど変わらないと口にします。下手すると5番も7番もまったく変わらないという現象もよく起こります。

本当ならクラブの番手ごとに10ヤード刻みくらい距離を打ち分けたいところですが、一般のアマチュアにとってはロフト角が少なめの5〜7番アイアンの距離の打ち分けは至難のワザです。

もともと5番アイアンは低い球を打つためのクラブなのです。5番アイアンと7番アイアンではキャリーは2〜3ヤードしか変わらなくても、5番アイアンのほうが、ランが10ヤード多く出ることはよく起こります。冬のフェアウエイのように地面が硬いときや、風が強い日などは5番アイアンの特性が大いに生かされます。

5番アイアンを使って打つときは「ボールを上げよう」と考えないこと。グリップエンドを普段よりも少し余らせて6番アイアンと同じ長さに持ち、最初から低く打ち出す気持ちでスイングしましょう。
目線を高くしないで、地面すれすれの低い目線をキープし、フィニッシュを低い位置に止めるのがコツです。

5番アイアンは難しいから避けたいという人は、代わりにユーティリティクラブを使いましょう。アイアンよりもソールが幅広く造られているため、振り抜きがスムースですし、ボールが上がりやすいですからやさしく感じられます。

球が上がりやすいからといって意図的に上げようとしてはいけません。6番アイアンを手にしているつもりでボールを上からヒットし、フォロースルーを低く出していきましょう。

6番アイアンよりもロフト角の少ない5番アイアンは低い球を打つためのクラブだ。
5番アイアンで打つときはグリップエンドを余らせて6番アイアンと同じ長さに持とう。
目線を地面すれすれに低くキープし、フォロースルーも低い位置に止めるのがコツ。
最初から低く打ち出すイメージでスイングすればグッドショットの確率が上がる。
球が上がりにくいからといって目線を高くとったり、すくい打ったりしてはミスになる。
5番アイアンが苦手ならユーティリティクラブを代わりに使うといい。
6番アイアンのイメージでボールを上からヒットし、クラブを低く振り抜こう。
ユーティリティクラブで打つときもボールを上げようとするのはNGだ。

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