コロナに喝!飛ばしで勝つ!!シニアトーナメント百戦錬磨のプロから学べ!
佐藤信人がシニアデビュー戦で先輩プロのスイングをウォッチ!
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国際スポーツ振興協会・半田晴久会長の申し入れにより急遽実現したシニアツアー「ISPSHANDAコロナに喝!!シニアトーナメント」。本来のスケジュールより約3ヶ月遅れの開幕となったが、シニアの部72名、スーパーシニアの部40名のシニアプロが実戦のブランクを感じさせないいぶし銀のプレーを披露してくれた。中でも集まったギャラリーを感嘆させたのは、優勝した柳沢伸祐はじめシニアプロの飛ばしのテクニックだった。
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佐藤信人
さとう・のぶひと
1970年3月12日生まれ、千葉県出身。米陸軍士官学校、ネバダ州立大学を経て93年プロテスト合格。「日本プロ」「ツアー選手権」「日本プロマッチプレー」などレギュラーツアー9勝。本大会でシニアツアーデビュー。
50歳過ぎても、まだまだ飛ばしています!
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頭の左横でヘッドを感じたい
柳沢選手はシニアの中でもかなりの飛ばし屋です。距離が出てスイングが若々しく見えるのは他の選手と比べてトップが深いからです。ぼく自身も含めほとんどの人はキャリアを重ねるほどトップが浅くなります。それは単に体が固くなるだけではなく、曲げたくない気持ちが強くなるからです。
最近はレッスン記事でもコンパクトなトップが推奨され、オーバースイングはよくないといわれていますが、少々なら気にする必要はありません。むしろ助走区間は長い方がダウンスイングに勢いがつき、ヘッドスピードが上がりやすくなります。飛距離を求めるなら、柳沢選手のトップの深さを見習いたいところです。
深いトップを作るには、体を無理に回転させる必要はありません。体が固ければ腕をねじってもいいし、柳沢選手のように手首を使ってもトップは深くなります。素振りだと深く入るのに、実際にボールを打つときには手首をロックさせてしまう人が多くいます。グリップをゆるく握ってヘッドを感じながら上げるようにすれば、頭の左横までヘッドが深く入ります。
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柳沢伸祐
やなぎさわ・しんすけ
1966年7月13日生まれ。埼玉県出身。26歳でプロテスト合格、レギュラー時代は目立った成績を残せなかったが、シニアツアーでは通算3勝目をマークした遅咲きの飛ばし屋。アビバホールディングス所属
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ストロングでもウィークでも飛ばせる!
球がつかまる要素を何か一つ入れよう
ウィークグリップでゴルフを覚えた世代には、スライスで悩んでいる人が多くいます。フェースが開いたまま下りて来やすく、それを自分からつかまえようとしてクラブが外から入ることでよけいにスライスが止まらなくなるパターンです。
スライスを治すにはどこかでつかまる要素を入れる必要がありますが、マネをしやすいのが谷口選手のストロンググリップです。最初から左手をかぶせフックに握っておけば、バックスイングでフェースが開きにくく、インパクトでフェースが閉じて当たるので、球がしっかりつかまって飛距離も出ます。
つかまえたいけれどストロンググリップに違和感のある人は湯原選手を参考にしましょう。ウィークで握る湯原選手はつかまる要素として意識的に左の壁を作っています。インパクトで肩が開くとヘッドが外から入ってスライスになりますが、湯原選手は左肩をぎりぎりまで開かないように我慢し、その間にヘッドがグリップを追い越すように戻ってがつんと球をつかまえています。
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谷口徹
たにぐち・とおる
1968年2月10日生まれ。奈良県出身。レギュラーツアーで20勝を挙げ、賞金王2回。シニアツアーではデビュー3試合目の「日本シニアオープン」で優勝。フリー
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湯原信光
ゆはら・のぶみつ
1957年8月14日生まれ。東京都出身。倉本昌弘、羽川豊とともに日大3羽ガラスといわれプロ入りした翌年に初優勝。レギュラーツアー通算7勝。シニアツアー1勝。岡藤ホールディングス・東京国際大学所属
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回転で飛ばすもよし!体重移動を使うもよし!
パワーを効率よく使いヘッドを走らせる
回転を重視した効率のいいスイングで飛ばす倉本選手。コンパクトなトップのノーコック打法は柳沢選手とは対照的ですが、クラブを引き下ろすときの大きなタメが浅いトップで飛ばせる秘密です。連続写真を見ても、ダウンスイングをヘッドから動かすのではなく、ヘッドはトップの高さに置き去りにしたまま手を真下にギュッと下ろしているのがわかります。
もう一つ、倉本選手を見習いたいのは頭の位置が変わらないところ。最近はぐっと沈み込むような打ち方がもてはやされていますが、軸を保ってパワーを逃がさないようにすることも大事です。
回転で飛ばす倉本選手に対して、フットワークを使って飛ばしているのが尾崎選手です。バックスイングで右に乗って、インパクトで左に戻る感覚では遅すぎます。尾崎選手はバックスイングの初期から完全に右体重にシフトし、切り返す前にはもう左をグッと踏み込んでいます。肩口までクラブが下りたときには完全に左体重にシフトして、インパクトにかけてタメを解放してクラブを走らせています。
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倉本昌弘
くらもと・まさひろ
1955年9月9日生まれ。広島県出身。昨年はPGA会長を務めながら全18試合に出場し「スターツシニア」で優勝も果たしたシニアツアーの顔。レギュラーツアー通算30勝。シニアツアー8勝。フリー
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尾崎健夫
おざき・たてお
1954年1月9日生まれ。徳島県出身。腰痛を抱えながらもトップクラスの飛距離を維持。レギュラーツアー通算15勝、シニアツアー5勝。09年シニア賞金王。エフティグループ所属
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飛ばしは構えから、美しい立ち姿をマネしよう
アドレス時の頭の高さを変えない
シニアプロは皆さんアドレスがきれいですが、力感とリラックス感が絶妙な伊澤選手の立ち姿はとくにかっこよく見えます。
すべてをマネするのは難しいけれど前傾角が変わらないところは見習いたいです。お尻の位置をまったく変えずに振れるのは、リリースのタイミングが合っているからです。リリースが早いとダフるので、それを防ぐために体を浮かせるしかなくお尻は前に出てしまいます。
また、ハンドファーストでインパクトしているところもポイント。アドレスよりも10センチくらい左で打つことで、ボールを長く前に押せるようになり飛距離も方向性もアップします。
崎山選手は再現性の高いスイングです。ポイントは首の長さが保たれているところ。前傾角をキープしやすく懐が広くなるので、クラブが寝て下りるなど変な動きをしません。無駄な力も抜けるので、飛ばそうと力んでミスしやすい人は崎山選手をマネしてみましょう。最初は力感が落ちるかもしれませんが、高い頭の位置を保ったまましっかり振れるようになれば飛距離も伸びます。
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伊澤利光
いざわ・としみつ
1968年3月2日生まれ。神奈川県出身。レギュラーツアー16勝、賞金王2回。期待を背負ってデビューしたシニアツアーでが苦労の末2年目地元開催の「福岡シニアオープン」で涙の初優勝を飾った。フリー
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崎山武志
さきやま・たけし
1962年11月22日生まれ。愛媛県出身。21歳でゴルフを始め、レギュラー時代は目立った成績を残していないがシニアで才能が開花しツアー通算7勝。15年、16年と2年連続賞金王獲得。アビバホールディングス所属
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GOLF TODAY本誌 No.580 160〜167ページより