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コロナに喝!飛ばしで勝つ!!シニアトーナメント百戦錬磨のプロから学べ!

佐藤信人がシニアデビュー戦で先輩プロのスイングをウォッチ!

2020/10/26 ゴルフサプリ 編集部

国際スポーツ振興協会・半田晴久会長の申し入れにより急遽実現したシニアツアー「ISPSHANDAコロナに喝!!シニアトーナメント」。本来のスケジュールより約3ヶ月遅れの開幕となったが、シニアの部72名、スーパーシニアの部40名のシニアプロが実戦のブランクを感じさせないいぶし銀のプレーを披露してくれた。中でも集まったギャラリーを感嘆させたのは、優勝した柳沢伸祐はじめシニアプロの飛ばしのテクニックだった。

佐藤信人
さとう・のぶひと
1970年3月12日生まれ、千葉県出身。米陸軍士官学校、ネバダ州立大学を経て93年プロテスト合格。「日本プロ」「ツアー選手権」「日本プロマッチプレー」などレギュラーツアー9勝。本大会でシニアツアーデビュー。

50歳過ぎても、まだまだ飛ばしています!

最終日は濃霧でスタートが約2時間遅れたが、最終組のティーオフ前には富士山が美しい姿を現した。
68歳以上のスーパーシニアの部で優勝した福沢孝秋。これまで「日本プロシニア」「日本シニアオープン」「関東プログランドシニア」「日本プログランドシニア」「関東プロゴールドシニア」のシニア5冠。残りの「日本プロゴールドシニア」を若・い・う・ち・に獲りたいと気勢を上げた。
ともに初日首位からの逃げ切り優勝を飾った柳沢伸祐(シニアの部、写真右)と福沢孝明(スーパーシニアの部、写真左)。中央は本大会を主催した国際スポーツ振興協会会長の半田晴久氏。

頭の左横でヘッドを感じたい

柳沢選手はシニアの中でもかなりの飛ばし屋です。距離が出てスイングが若々しく見えるのは他の選手と比べてトップが深いからです。ぼく自身も含めほとんどの人はキャリアを重ねるほどトップが浅くなります。それは単に体が固くなるだけではなく、曲げたくない気持ちが強くなるからです。

最近はレッスン記事でもコンパクトなトップが推奨され、オーバースイングはよくないといわれていますが、少々なら気にする必要はありません。むしろ助走区間は長い方がダウンスイングに勢いがつき、ヘッドスピードが上がりやすくなります。飛距離を求めるなら、柳沢選手のトップの深さを見習いたいところです。

深いトップを作るには、体を無理に回転させる必要はありません。体が固ければ腕をねじってもいいし、柳沢選手のように手首を使ってもトップは深くなります。素振りだと深く入るのに、実際にボールを打つときには手首をロックさせてしまう人が多くいます。グリップをゆるく握ってヘッドを感じながら上げるようにすれば、頭の左横までヘッドが深く入ります。

柳沢伸祐
やなぎさわ・しんすけ
1966年7月13日生まれ。埼玉県出身。26歳でプロテスト合格、レギュラー時代は目立った成績を残せなかったが、シニアツアーでは通算3勝目をマークした遅咲きの飛ばし屋。アビバホールディングス所属

体が固くて回らない人は手首のコックも使いましょう。
①体を回すだけでなくコッキングを使えばさらに深いトップを作れる。②フォローも大きくとって大きなスイングアークで飛ばす。
①時計の針で3時を指す深いトップ。慌てて振らなくても十分にヘッドを加速できる。

ストロングでもウィークでも飛ばせる!

球がつかまる要素を何か一つ入れよう

ウィークグリップでゴルフを覚えた世代には、スライスで悩んでいる人が多くいます。フェースが開いたまま下りて来やすく、それを自分からつかまえようとしてクラブが外から入ることでよけいにスライスが止まらなくなるパターンです。

スライスを治すにはどこかでつかまる要素を入れる必要がありますが、マネをしやすいのが谷口選手のストロンググリップです。最初から左手をかぶせフックに握っておけば、バックスイングでフェースが開きにくく、インパクトでフェースが閉じて当たるので、球がしっかりつかまって飛距離も出ます。

つかまえたいけれどストロンググリップに違和感のある人は湯原選手を参考にしましょう。ウィークで握る湯原選手はつかまる要素として意識的に左の壁を作っています。インパクトで肩が開くとヘッドが外から入ってスライスになりますが、湯原選手は左肩をぎりぎりまで開かないように我慢し、その間にヘッドがグリップを追い越すように戻ってがつんと球をつかまえています。

昨年最終戦「ISPSハンダカップ・フィランスロピーシニア」以来8ヶ月振りのシニアツアー。久しぶりに顔を合わせたプロたちがティーイングエリアで話に花を咲かせた。

谷口徹
たにぐち・とおる
1968年2月10日生まれ。奈良県出身。レギュラーツアーで20勝を挙げ、賞金王2回。シニアツアーではデビュー3試合目の「日本シニアオープン」で優勝。フリー

ストロンググリップはフェースが閉じて当たりやすい。
ストロンググリップはフックが出やすいが、腰を切ることで相殺される。
①左手の甲を上に向けて握ればテークバックでフェースがそれ以上開かず、インパクトでフェースが閉じやすい。②インパクトで下半身が目標を向くくらい腰を切ることでストロンググリップの弱点(球がつかまりすぎる)をカバーしている。

湯原信光
ゆはら・のぶみつ
1957年8月14日生まれ。東京都出身。倉本昌弘、羽川豊とともに日大3羽ガラスといわれプロ入りした翌年に初優勝。レギュラーツアー通算7勝。シニアツアー1勝。岡藤ホールディングス・東京国際大学所属

シニア世代に多いウィークグリップはフェースが開いて当たりやすい。
左肩を開かずヘッドの戻りを待ってインパクトすることでスライスが出にくくなる。
①手の甲を目標に向けて握るウィークグリップはフェースコントロールがしやすい。体と腕を同調させるとフェースが開きにくい。②インパクトは体の左でボールを捉え、目標に背中を向けたまま打つくらいのイメージで振ると最後にクラブが走る。

回転で飛ばすもよし!体重移動を使うもよし!

パワーを効率よく使いヘッドを走らせる

回転を重視した効率のいいスイングで飛ばす倉本選手。コンパクトなトップのノーコック打法は柳沢選手とは対照的ですが、クラブを引き下ろすときの大きなタメが浅いトップで飛ばせる秘密です。連続写真を見ても、ダウンスイングをヘッドから動かすのではなく、ヘッドはトップの高さに置き去りにしたまま手を真下にギュッと下ろしているのがわかります。

もう一つ、倉本選手を見習いたいのは頭の位置が変わらないところ。最近はぐっと沈み込むような打ち方がもてはやされていますが、軸を保ってパワーを逃がさないようにすることも大事です。

回転で飛ばす倉本選手に対して、フットワークを使って飛ばしているのが尾崎選手です。バックスイングで右に乗って、インパクトで左に戻る感覚では遅すぎます。尾崎選手はバックスイングの初期から完全に右体重にシフトし、切り返す前にはもう左をグッと踏み込んでいます。肩口までクラブが下りたときには完全に左体重にシフトして、インパクトにかけてタメを解放してクラブを走らせています。

今季国内ツアーでは初めてギャラリーが入場。万全の対策に加え、平日開催ということも手伝って密にならない観戦を実現できた。
会場内を巡回する「ミッツポリス」。シニアトーナメントの明るい雰囲気を壊さないコロナ対策が好評だった。
深いトップが作れなくても、真下に素早く下ろすことでタメを作れます。
ハーフウェイアップで右足に体重を乗せます。
トップで右足体重は遅すぎ。クラブが上がりきる前に左足を踏み込みます。

倉本昌弘
くらもと・まさひろ
1955年9月9日生まれ。広島県出身。昨年はPGA会長を務めながら全18試合に出場し「スターツシニア」で優勝も果たしたシニアツアーの顔。レギュラーツアー通算30勝。シニアツアー8勝。フリー

①体重移動は意識せずその場で回転するイメージ。頭(軸)がブレないからヘッドを速く正確に動かせる。②ヘッドを残したまま手を引き下ろす。浅いトップからでも十分なタメを作ることができる。

尾崎健夫
おざき・たてお
1954年1月9日生まれ。徳島県出身。腰痛を抱えながらもトップクラスの飛距離を維持。レギュラーツアー通算15勝、シニアツアー5勝。09年シニア賞金王。エフティグループ所属

①状態をリラックスさせることで下半身のフットワークが使いやすくなる。②ハーフウェイダウンでは完全に左足体重。あとはインパクトにかけてタメを解放するだけ。動きはゆっくりなので参考にしやすい。

飛ばしは構えから、美しい立ち姿をマネしよう

アドレス時の頭の高さを変えない

シニアプロは皆さんアドレスがきれいですが、力感とリラックス感が絶妙な伊澤選手の立ち姿はとくにかっこよく見えます。

すべてをマネするのは難しいけれど前傾角が変わらないところは見習いたいです。お尻の位置をまったく変えずに振れるのは、リリースのタイミングが合っているからです。リリースが早いとダフるので、それを防ぐために体を浮かせるしかなくお尻は前に出てしまいます。

また、ハンドファーストでインパクトしているところもポイント。アドレスよりも10センチくらい左で打つことで、ボールを長く前に押せるようになり飛距離も方向性もアップします。

崎山選手は再現性の高いスイングです。ポイントは首の長さが保たれているところ。前傾角をキープしやすく懐が広くなるので、クラブが寝て下りるなど変な動きをしません。無駄な力も抜けるので、飛ばそうと力んでミスしやすい人は崎山選手をマネしてみましょう。最初は力感が落ちるかもしれませんが、高い頭の位置を保ったまましっかり振れるようになれば飛距離も伸びます。

ギャラリーに入場口では、手指の消毒、うがいなどの対策を徹底。今後のトーナメント開催に向けての試金石となった。
出場選手や関係者だけでなくギャラリーにもサーモグラフィーによる検温を実施。
首の長さ(=頭の高さ)をキープすることでボールとの距離を保てるのでミート率が上がります。
お尻が壁に張り付いたように前傾姿勢をマネすればアーリーリリースを解消できます。

伊澤利光
いざわ・としみつ
1968年3月2日生まれ。神奈川県出身。レギュラーツアー16勝、賞金王2回。期待を背負ってデビューしたシニアツアーでが苦労の末2年目地元開催の「福岡シニアオープン」で涙の初優勝を飾った。フリー

①アドレスからインパクトまでまったく変わらない前傾角だけでも真似したい。②リリースをぎりぎりまで遅らせることで、インパクトで伸び上がらず、イントゥインの軌道で振り抜くことができる。

崎山武志
さきやま・たけし
1962年11月22日生まれ。愛媛県出身。21歳でゴルフを始め、レギュラー時代は目立った成績を残していないがシニアで才能が開花しツアー通算7勝。15年、16年と2年連続賞金王獲得。アビバホールディングス所属

①高いアドレス姿勢を取ることで余計な力みがなくなる。②打ちに行くと体が突っ込んで頭の位置が下がる。首の長さをキープしたまま振る意識が大切。

GOLF TODAY本誌 No.580 160〜167ページより

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