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『サンクス・ウィメンズ・ゴルフツアー』とは?

選手のプレーとサポーターの応援力が織りなす団体戦

2021/02/18 ゴルフサプリ 編集部

2020年9月24日、12月11日の2度にわたって開催された『サンクス・ウィメンズ・ゴルフツアー』が注目されている。そもそもはコロナ禍で活躍の場を失われた女子プロを救済する趣旨で開催された同大会。だが、そこにはプレーヤーとファンの絆を深める様々な取り組みがなされていた。

GOLF TODAY本誌 No.584 65〜67ページより

2020年12月11日に行われた第2回大会には59名が出場して熱い戦いを繰り広げた。
サポーターは迫力満点のプロのショットを間近で見て感じることができる。
第2回大会は4アンダーで河村来未選手が優勝。賞金100万円をゲットした。
会場では大会側や選手が用意したファン垂涎のオリジナルグッズも販売。
サポートするプロと記念撮影。コロナに鑑み、この一瞬だけマスクを外してパチリ。

女子プロとファンの関係を再構築する新トーナメント!

“選手は日頃応援してくださるサポーター、ファンへの「感謝」の気持ちを持って。サポーター、ファンは目の前で繰り広げられる選手のプレーから「感動」をいただくことへの「感謝」の気持ちを持って。「選手のプレー」と「サポーターの応援力」とが織りなす「団体戦」をここに用意いたしました”

大会ホームページでこう謳う『サンクス・ウィメンズ・ゴルフツアー』は、プロゴルファーの和田泰朗が代表を務める大会事務局によって運営された。

「コロナ禍により多くのプロが、職場であるトーナメントを失っています。特に新制度が導入された女子ツアーには、アマチュア資格を捨てたプロテスト未合格者の戦う場がありません。プレーヤーにとって日々練習する理由が失われつつあります。ファンとの接点も失いかけている危機的状況です」と和田。

だが一方で、これまで当たり前だったトーナメント、プレーヤー、ファンの関係性を改めて見つめ直す機会にもなったという。それが戦いの場を失った女子プロがいかんなく技を披露し、かつファンとの関係を再構築できるトーナメントの開催につながった。

プレーの妨げにならなければフェアウェイ内を歩ける。プロとの距離の近さが売りの一つ。

参加資格は5名以上のサポーターを見つけること

和田は言う。「プロがプロたる所以はプレーで人を感動させるから。この原点に立ち返ると、プロとファンのあるべき関係は明確。プロはファンに感動をもたらし、その対価としてファンは入場料でプロをサポートする。そんな場をシンプルな形で両者に提供したかったのです」。

実現に向け、プロにはユニークな条件を提示した。参戦希望のプロは入場料(税込2万円)を払ってくれるサポーターを最低5名見つけるというもの。その支払いが完了して初めて出場が叶う。厳しい要求に聞こえるが、プロたちの今後を考えると有意義だろう。自分を売り込んで多くのファンを獲得するのは、プロとして当然だからだ。

付け加えると、プロが集めるサポーターは基本10名まで。5名を超えた分の入場料収入は、賞金とは別に70%が選手に還元されるが、還元率は全体のサポーター数のバランスを見て修正。第1回は記念大会ということで100%、第2回大会は85%で総額410万円を超える金額を選手に還元した。

また、このシステムでプロとサポーターの立場が対等になり、ゲームは想いを共有する者同志が一体となり団体戦の様相を呈する。両者の関係もより密接になるというわけだ。

もちろん一般のファンも入場できる。大会自体をサポートする形で入場料を支払うが、この収入は参加資格を満たせないプレーヤーに補填され、一人でも多くが出場できる仕組みになっている。ほかにも大会の理念に賛同する個人から協賛金を募集(1口1000円、観戦は不可)したり、企業から協賛金を募り(1口5万円で1口あたり2名まで観戦可)、その使途や配分方法はホームページ上で公開している。

ファンも試合に参加している雰囲気の素晴らしい大会

さて、そうなると入場したサポーターがどれだけトーナメントを堪能できるのかが気になるが、9月の第1回から矢継ぎ早に2回目が開催されたことからもわかるように好評である。

サポーターが口を揃えるのは、密を回避する前提でも「プロとの距離が近い」(もちろん密は回避している)こと。一部を除き、サポーターもクラブハウスを利用できるし、プロのゴルフバッグも覗き込める。何よりうれしいのは、プレーの妨げにならない限りフェアウェイを歩き、グリーン周りで観戦できること。間近で迫力満点のプレーが見られる。

そんなワクワク、ドキドキの1日を終えたあるサポーターは「私たちファンも試合に参加している意識が高まる素晴らしい大会だと思います」と感想を寄せる。また「前日の準備や当日の運営にお呼び立ていただき、とてもうれしかったです!弊社のサービスを応援してくれるような方々のご紹介もいただき、心強く、感謝の気持ちでいっぱいです」とは企業サポーターで協賛したゴルフ専用マッチングアプリ「Gol-pal」の町野さん。ビジネスツールとしても将来性ありのようだ。

密にならないよう十分に距離を保ってサポーターとプロが交流。

写真や動画を撮影、SNSにも自由に投稿できる

「サポーターも本大会の主役ですから、一打一打を間近で見ていただき、素晴らしいプレーにはプレーヤーに伝わる形で賛辞を送っていただく。売店などゴルフ場内の施設を自由に利用できますし、ホールアウト後にはプレーヤーとファンが交流する時間も設けました」(和田)。さらに画期的なのはプレーの妨げにならなければ、写真や動画の撮影もOKなこと。SNSにも自由に投稿ができる。

となると選手サイドのやりづらさも気になるが「普段の試合では体験できない緊張感の中でプレーできること、いつも応援してくださっている方の前でプレーできる舞台を作ってくださり感謝の気持ちでいっぱいです。私たちはお客様がいてくれて、お客様に見てもらえてこその職業です。レギュラーツアーに参戦できない今、同じような経験ができるのは必ず生きてくると思います。第3回も参加させていただけるよう精進していきたいと思っています」と過去2回参加の高山佳小里が言うように問題はないようだ。

「フェアウェイを歩いていただけるのも、プレーヤーと交流していただけるのも、マナーあっての賜物。サポーターの方々が本大会を作り上ける“主役”の役割を果たしてくださっているあかしだと思います」と和田。

そのせいもあり過去2回の大会は、ワンデートーナメントならではの展開で大いに盛り上がったという。コロナの状況もあって第3回大会についてはまだ未定ながら、暖かくなる頃に開催する方向で検討中とのこと。興味が湧いた方は“主役”の一人として大会に参加してみてはいかがだろうか。

大会の運営スタッフはボランティア。ゴルフを愛する人が集うアットホームなトーナメント。

撮影協力/裾野カンツリー倶楽部

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