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キャロウェイ APEX DCBアイアンの試打評価|高橋良明レビュー

2021/03/02 ゴルフサプリ編集部

やさしさや飛距離を最優先するゴルファーにとっても、構えやすさや打感のよさ、正確性は必要です。『APEX DCB(エイペックス ディーシービー)アイアン』がAI(人工知能)やタングステンの助けを借りて実現したちょうどいいやさしさと飛びについて「試打のスペシャリスト」高橋良明が検証と解説を行います。

[目次]

キャロウェイ APEX DCBアイアン総合評価

キャロウェイ APEX DCBアイアン

飛距離性能★★★★☆(4/5)
打球感★★☆☆☆(2/5)
操作性★★★☆☆(3/5)
上がりやすさ★★★★☆(4/5)
総合評価★★★☆☆(3/5)

キャロウェイ APEX DCBアイアンの特徴

キャロウェイのフラッグシップアイアン『APEX』シリーズの2021年モデルは、『EPIC(エピック)』シリーズでおなじみの「FLASH(フラッシュ)フェースカップ」とウエイトを大幅に増量した「タングステン・エナジー・コア」を初搭載。従来モデルを上回る初速性能と最適化されたスピン性能を実現しています。

ソール幅の広いディープキャビティ形状を採用した『APEX DCBアイアン』は、球が上がりやすくミスヒットに寛容なシリーズ3機種でもっともやさしいモデル。アベレージゴルファーがちょうどいいやさしさで飛ばせる軟鉄鍛造アイアンです。

特徴

  • ミスヒットに強く安心感の大きなディープキャビティ
  • 広い高初速エリアが全番手で安定した飛距離を実現
  • 深低重心設計によりロングアイアンも上がりやすい

特徴1.ミスヒットに強く安心感の大きなディープキャビティ

『APEXアイアン』と同じ系統のすっきりした顔ですが、『APEX DCBアイアン』はよりトップラインが厚くネックのオフセットが大きいので球がつかまりやすくやさしいイメージがあります。

モデル名に入っている「DCB」はディープキャビティバックの頭文字で、その名の通りキャビティ部分が『APEXアイアン』よりもかなり広くて深くなっています。

ソール幅もワイドで見るからに低深重心、軟鉄鍛造アイアンながらミスに強く安心感を与えてくれる形状となっています。

特徴2.広い高初速エリアが全番手で安定した飛距離を実現

AIによって『APEX DCBアイアン』専用に設計された「FLASHフェースカップ」をPW以外の全番手に採用。どの番手でも高いボール初速が得られる飛び系軟鉄鍛造アイアンとなっています。

また、高初速エリアが広く、さらに各番手の役割に応じてスピン量が最適化されているためどの番手も安定した弾道でやさしく飛ばすことが可能です。

フェースの素材はステンレスですが無駄な振動を吸収するウレタン・マイクロスフィアを搭載。軟鉄鍛造本来のやわらかな打感を味わうことができます。

特徴3.深低重心設計によりロングアイアンも上がりやすい

『APEX DCBアイアン』も『APEXアイアン』同様、フェース下部のトゥ、ヒール、センターバックの3箇所に比重の大きな「タングステン・エナジー・コア」を配置。ディープキャビティデザインと適切に配分されたウエイトのおかげでより高い慣性モーメントと深く低い重心設計を実現しています。

「APEX」シリーズの3モデルの中ではもっともロフトが立っている『APEX DCBアイアン』ですが、長い番手でもしっかりとボールを上げてくれて、ミスヒットしてもブレにくく安定した初速で真っすぐに飛ばせるヘッドになっています。

キャロウェイ APEX DCBアイアンのスペック

ロフト角は『APEXアイアン』よりわずかに立ち気味。極端なストロングロフトではないので球がつかまって高さを出しやすくなっています。シャフトは軽いカーボンと軽量スチールが選択でき、ハードヒッター以外の幅広いゴルファーに対応しています。

メーカーキャロウェイゴルフ
製品名APEX DCB アイアン(2021)
ヘッド素材ボディ:軟鉄+ウレタン・マイクロスフィア+タングステン・インナーウエイト+スクリューウエイト

フェース:17-4ステンレス
番手/ロフト角4I/20度
5I/23度
6I/26度
7I/30度
8I/34度
9I/38度
PW/43度
シャフトスチール:Diamana 55 for Callaway(R)、N.S.PRO 950GH neo(S)、N.S.PRO Zeros 7(S)
長さ(#7)37インチ
重量/バランス(#7)約380g/D0(Diamana 55 for Callaway)、約424g/D2(N.S.PRO 950GH neo)、約408g/D1(N.S.PRO Zeros 7)
価格6本セット(#5〜9、PW):142,560円(税込)
公式サイトキャロウェイゴルフ公式サイト

キャロウェイ APEX DCBアイアンを試打レビュー

シリーズ初採用の「FLASHフェース」と「タングステン・エナジー・コア」を搭載し、やさしい飛び系軟鉄鍛造アイアンとしてデビューした『APEX DCBアイアン』。その飛距離性能と打ちやすさについてプロゴルファー高橋良明がレポートします。

試打レビュー

  • キャロウェイらしい顔で抜群に球がつかまりやすい
  • 7番アイアンは8番の高さで6番の距離が打てる
  • ボール初速が速いので軽めに振って飛距離が出る

キャロウェイらしい顔で抜群に球がつかまりやすい

ブレードは『APEX アイアン』よりも厚くなっていますが、フェースはそれほど大きくないところがやっぱり「APEX」だなと思わせます。

『APEX DCBアイアン』の顔の特徴はグースが強めに入っているところです。『APEX アイアン』と『ビッグバーサアイアン』の中間くらいで、「APEX」シリーズの中ではもっともキャロウェイらしい顔をしています。

見た目の通りつかまりがとてもよく、フェースのターンを抑えるように意識していないとボールが左方向に出てしまいました。フッカーには少し難しいけれど、スライサーやフェードヒッターにはちょうどいいつかまり具合だと思います。

7番アイアンは8番の高さで6番の距離が打てる

ロフトの立った飛び系アイアンにしてはボールが上がりやすいところも『APEX DCBアイアン』の特徴です。重心が低くて深いのでとくに打ち込まなくてもクラブがボールを上げてくれるし、手前からダフり気味に入ってもソールがうまく滑ってボールを拾い上げてくれます。

左右のミスだけでなく、上下のミスにも強いアイアンなので、練習場よりもいろいろなライから打たなければいけないコースで打つとやさしさを実感できるでしょう。

『APEX アイアン』が番手通りの高さで1番手上の距離を打てるアイアンなら、『APEX DCBアイアン』は1番手下の高さで1番手以上の距離を出せるクラブです。

ボール初速が速いので軽めに振って飛距離が出る

『APEX DCBアイアン』のロフトは『APEX アイアン』よりもほんの気持ち立っている程度で見た目もそれほど変わりません。

しかし、フェースの弾きが強くなっていて、力を抜いて同じ距離を打つことができます。ヘッドが厚くなっている分だけ後ろから押す力が強いのかもしれません。

超ストロングロフトのアイアンほどは飛びませんが、軟鉄鍛造のツアーモデルの中では間違いなく飛ぶ方です。その分、打感は硬めですが芯を外しても不快なほど手に響くことはありません。

また、球離れが速いので球筋を操作するというよりは真っすぐにねらっていきたいアイアンです。

キャロウェイ APEX DCBアイアンがおすすめの人

やさしく飛ばせて、なおかつ球が強過ぎない『APEX DCBアイアン』はエンジョイゴルファーから競技志向の人まで幅広く使うことができます。軟鉄鍛造アイアンに憧れている人が初めて試すクラブとしても最適です。

重心が深くてミスヒットに強いだけでなく、つかまりがいいのでスライスも軽減されるし、重心が低いのでアーリーリリースでアッパー軌道になっても球を拾ってくれます。

また、軽く振っても飛距離が出て、高い球で止めやすいので、クラブ任せにオートマチックに打ってスコアを出したいシニアシングルにもおすすめです。とくに昔キャロウェイのアイアンを使っていた人には懐かしくて安心感のある顔だと思います。

唯一の難点は打感の硬さですが、同じキャロウェイの『クロムソフト』などやわらかいボールを使えばかなり改善できるでしょう。

キャロウェイ APEX DCBアイアンの評価

「APEX」といえば従来は打感や操作性にこだわる上級者向けブランドのイメージでしたが、『APEX DCBアイアン』の登場でアベレージゴルファーも手を出しやすくなりました。

『APEX DCBアイアン』の飛距離性能は必要十分。むしろ飛び過ぎないことでグリーンをねらうのがやさしくなっています。

また、球のつかまりがよく上がりやすいので、頑張らなくても打てるところは評価できます。

グースは強めですがヘッドがコンパクトで極端な弾きの強さは感じないのでフォージドの雰囲気も味わえます。いつか軟鉄鍛造アイアンを使いたいと思っている人はこのモデルを入口にして、上達に合わせてプロモデルにステップアップしていくといいでしょう。


テスター/高橋良明(たかはし・よしあき)

1983年生まれ、東京都出身。2013年プロ入会。サザンヤードCC所属。ツアーに挑戦するかたわら、ゴルフ専門誌やウェブメディアでテスターを務める。毎年出る新製品をほぼ打ち尽くす試打のスペシャリスト。

協力/サザンヤードカントリークラブ