テーラーメイド渾身の新世代アイアン「P790」誕生
2年の歳月を費やして追求された流麗なフォルムと最先端機能を搭載【PR】
2017年にデビュー、19年に打感と飛距離性能の向上がなされたテーラーメイドP700シリーズの「P790アイアン」。これまで世界中で支持を得てきたモデルの3作目が、ついにこの秋登場する。「より良いギアをゴルファーに届ける」のスピリットのもと、2年の歳月を費やして膨大なショットデータを収集、プロトタイプで試打を繰り返した結果生まれた、テーラーメイド渾身の新世代アイアンとの呼び声が高い。高橋良明プロの試打インプレッションとともに紹介する。
構えただけでソリッドに打てるイメージが湧くこだわりのフォルム
P700シリーズといえば、テーラーメイド自慢のアスリート向けアイアン。その中にあって「P790」はブレードが長くて打ちやすいと評判で、中級者のみならず、もっとクラブに頼りたいと望む上級者ユーザーも多い。それでは、まず新世代アイアンとして、どのような部分が進化しているのか。構造や機能面から解説していこう。
2021年モデルでまず目を引くのは、マッスルバックと見紛うばかりのシェイプ。中空アイアンにありがちな無骨さが一切なく、構えただけでソリッドに打てるイメージが溢れ出す。
その理由の一つはネック形状。前作に比べると気持ちグースが入った感じで、アドレス時の座りがよく安定感を増している。もちろんボールのつかまりも向上しているから、より強い球が打てそうだ。
ヘッドがつや消しのサテン仕上げになったのも大きな変化。光沢を抑えたことで落ち着いた印象になったことが構えた時の安心感に影響しているかもしれない。
軽量化され進化した「SpeedFoam™ Air」が打感を向上
中空構造アイアンのメリットは打ちやすさと飛距離だが、反面、打感と打音は今ひとつだった。これらをカバーするため、バックフェース部分に緩衝材を入れるのがもっぱらだが、今回の「P790」ではその性能が飛躍的にアップした。
そもそもP700シリーズの鍛造中空ヘッドの内部には独自の充填剤「SpeedFoam™」が搭載されており、これがフェースの柔軟性やボール初速の向上に寄与。プレミアムなサウンドとフィーリングにも一役買っていたわけだが、今回のモデルには「SpeedFoam™」のさらに上を行く進化版「SpeedFoam™ Air」が導入された。
これにより前作比69%の軽量化(-3.5g)に成功。軽量かつソフトになった新素材と鍛造のクロモリ鋼による「マルチマテリアル構造」で、フェース厚はテーラーメイド史上最薄の1.5ミリ(6、7番)に。インパクト時の反発力を損なうことなく、フィーリングの良さとミスヒットに対する寛容性の向上を成し遂げた。
もちろん生み出された余剰重量は最適に配分、フェースのより低い位置にスイートスポットを設定している。また、スイートエリアを番手別に設計することで、番手ごとのパフォーマンスアップも図っている。
飛距離ロスを防ぐL字型フェースと貫通型スピードポケット
「P790」ではヘッドの要所々々で薄肉化が図られているが、これは新開発「8620カーボン・スチール構造」によるもの。そこにフェース厚1.5ミリの鍛造4140スチールL字型フェースが組み合わされている。
前作から受け継いでいるL字型フェースとは、ソールまで及んだ作りになっているフェースのこと。ソールに見える「貫通型スピードポケット」と相まって、打点がフェースの下部だった場合でも反発力が向上。スピン量を抑制して飛距離ロスを防ぐ効果が見込める。
低重心化が促進されピンポイントでターゲットを狙える
フェースの薄肉化・充填剤の改良によって大幅な軽量化を図れたことで、ヘッド下部、トゥ側に搭載するタングステンウェイトを増量できた。その量は従来モデルの2.2倍(14グラム→31グラム=7番)というから驚き。重心高が17.3ミリになり、高弾道のボールが打ちやすくなったため、ランを抑えたショットで、より遠くのターゲットをピンポイントで狙いやすくなっている。
また、前作からロフト角は維持(#7/30.5度)、ライ角のみ0.5度アップライト(#7/62.5度)となっている。2017年の初代モデル以降ロフト角は同じ。ストロングロフトにすることなく、飛距離性能がアップしている=打球が上がって止めやすいスペックになっている。
やさしいのに飛んで止まる。グリーンが近づくアイアン
【高橋良明プロの試打インプレッション】
2021年モデルの「P790」の新構造やフォルムの進化、いかがだっただろうか。では、ここからは、その新構造がもたらす性能を高橋良明プロがインプレッションする。
「まったくもってプロモデルに近い見た目。シャープで、ボテッとした印象は一切ありません。トップブレードが前作よりも薄くなっていて、全体的にすごくきれいでカッコいいです。サテン仕上げの見た目も、よりシャープに見えて僕は好きですね。バックフェースなんかほとんどマッスルバック。でも、ブレードが長めなので安心感はある。ターゲットに対してスクエアに構えやすいですよ」
取材現場となったゴルフ練習場・TIMEZIPS24は、全打席がレーダー測定器としてカバーされている「トラックマンレンジ」。そこで、高橋プロには打点をトゥやヒールにずらして打ってもらうなどし、飛距離や方向性の変化を目視だけでなく測定値でもチェックしてもらった。
「打ってみるとこれがやさしい! リーディングエッジの抜けがいいし、打った後のヘッドの挙動のブレが圧倒的に少ないです。先っぽで打ってみてもフェースが開かず「右かな…」と思っても耐えてくれている。逆にヒールに当たって「あっ!」と思っても、フェースが閉じずに真っすぐ打球が出ていってくれます。若干右左には出ますが、飛び幅がほぼ許容範囲に収まってくれますね」
【打点/芯】普段よりも5ヤード以上、飛んでいる
【打点/トゥ寄り】芯で打った時と飛距離変わらず、フェースも開かず!
【打点/ヒール寄り】飛距離の減少幅は許容範囲内、曲がりもほぼなし!
「驚きなのはヒール側に当たった時に打感がほとんど変わらないこと。トップ気味に当たっても全然問題ありません。フェースの上側に当たるとスピン量が減りますが、そもそも打ち出し角が高いので、キャリーはそれほど変わらずちょっとランが増える程度じゃないでしょうか。
打球は上がりやすいです。特にフェースの下めに当たっても不足なく打ち出し角が得られます。僕の感覚だと普通に振ったら10ヤードくらい上がっていますね。キャリーとランのバランスがいいので、しっかりスピンが入って止まってくれるでしょう。
また、数発打ってみると力を入れなくても飛ぶことがすぐにわかる。基本、やさしく振ってあげて、ちょっと下めに当たっても飛ぶから問題ありません。入射角度が少し浅くてもクラブが球を上げてくれますからスイングに対する許容範囲も広いですね。ダウンブローに打とうとする必要もないと思います」
「新しい「P790」は前作に比べて打感がすごくソフトになりました。それでも弾く感覚はある。ボール初速の速さにそれが反映されていると思います。ボールの上がり方と飛距離を見ると、プロだったら3、4番のロングアイアンがすごく使えると思います。キャリーとトータル飛距離の差が10ヤードしかない3番アイアンなんて、ほとんどお目にかかれませんから。
もちろんアマチュアの方だったらオールマイティに助けてもらえるでしょう。なんと言っても距離が出る。番手によって20ヤードくらい前に行くはずなのでグリーンが近くなります。ロフト角が変わっていないのに、それだけ飛ぶのはすごいですよね。見た目がきれいなので上級者にもいいし、やさしさを求める人にも十二分に応えてくれるはず。シャフトのスペック次第では女性でもイケるんじゃないですか」
この秋発売されるニューモデルアイアンの中でも注目度の高い「P790」の2021年モデル、いかがだっただろうか。競技ゴルファーから向上心のあるアベレージゴルファーまで幅広い層に恩恵をもたらす“やさしくグリーンを狙える飛びと寛容性”、その性能をぜひショップ等で試打をして確かめてみてほしい。
試打者/高橋良明
1983年生まれ。東京都出身。2013年プロ入会。ツアーにチャレンジする傍ら、アマチュアへのレッスン活動やクラブやボールのテスターとしても活躍中。
協力/TIMEZIPS24
撮影/相田克己