三塚優子のドライバー飛距離アップ8ドリル
練習場で使える上達必須の71ドリル PART-1
2011「日本女子プロ」などツアー4勝で、屈指の飛ばし屋として知られた三塚。そんな彼女がとっておきの飛ばしテクを伝授!飛距離が出なくて悩んでいるゴルファーにとって最高のクスリになること請け合いだ。
ゴルフトゥデイNo.591 P20〜25より
ドリル1|左手1本で振って、トップで親指にクラブを乗せる
理想的なトップの形ができて大きなパワーを溜められる!
トップはバックスイングの終点であると同時に、インパクトへ向かう切り返しの地点でもあります。トップのポジションやフォームが安定すればダウンスイングの軌道が整いやすく、スイングの再現性や反復性が向上してミート率がアップします。安定したトップを作るには、左手の親指にクラブをしっかり乗せることが大切。左手1本でクラブを持ち、バックスイングして親指にしっかり乗せる練習をしてみましょう。おヘソをしっかり回し、左腕をできるだけ伸ばしたまま上げるのがポイントです。
ドリル2|右→左と歩きながらリズムを整えて打つ
毎回同じリズムでタイミングよく振れるから精度が上がる!
まずボールから1・5~2メートルくらい離れ、1歩、2歩と近づきながら打ちます。クラブを振るタイミングは右足を前に踏み出してバックスイング、左足を前に踏み出してダウンスイング、その踏み出した体勢のままインパクトします。この練習は下半身主導でスイングする感覚や、足でスイングのリズムやタイミングを整えるコツをつかむのが一番の目的。リズムが整ってくると体が効率よく使えてミート率が向上し、飛距離アップが期待できるということを頭に入れてください。
ドリル3|左隣の人と握手して、正しい右手の使い方を体感!
フェースコントロールに直結する右手の動きを即認識できる。
真っすぐ飛ばすには、インパクトからフォロースルーにかけてフェース面をスクエアに保って球を正確にとらえることが不可欠です。そのために意識してほしいのが、左隣の人と握手できるような右手の使い方。
すぐ左側にいる人と、体をクルッと回してお互いに右手で握手。そうすると右手の親指が上を向くはずです。実はこれがフェースの向きをコントロールするコツ。右手のヒラが下を向くとフェースは被り、上を向けば開く。右手を意識するだけでフェースをスクエアに保ちやすくなります。
ドリル4|1インチ短く握った小指側3本素振りで支点を感じよう。
小指中心に動かすと、支点が安定してヘッドが走る。
クラブヘッドから一番遠く離れた指は「左手小指」です。つまりスイングの支点となり、この小指をしっかり握ることが正確なショットの基盤となります。それにはまずグリップを1インチほど短く持ち、小指側3本と手のヒラの肉厚の部分で挟むように握るのがポイント。長く持つと小指が緩みやすいので注意が必要です。左手1本で振り、小指支点でクラブを動かす感覚を覚えると、スイング中のクラブコントロールがしやすくなって精度が上がります。
ドリル5|アゴを上げて上体を回し、スムーズな動きを促す。
回転が楽だから、前傾角度が崩れずミート率がアップ。
ボールをよく見ようとしてアゴを引いて頭が下がってしまう人がよくいます。しかしこれではアゴが邪魔になってバックスイングで左肩の通り道がなくなり、回転不足でミスを招いてしまいます。そこで、意識的にアゴを上げて構え、ボールを凝視ぜずにやや下目使いでぼんやり見たアドレスから打つ練習を繰り返してみましょう。バックスイングで肩が回転しやすくなることで深い捻転を実現。前傾角度もキープできるのでミート率が数段アップするはずです。
ドリル6|クロスハンドドリルで「正面で打つ」を体感
強制的に体の開きを抑えることで、目指す形がわかる。
9番アイアンを持ち、まず右手と左手を反対にしてグリップを握ります。こうしてクロスハンドで握ると、左手が遠くににあるぶん左肩が引っ張られて体を深く捻転する感じがつかめるうえ、さらにダウンスイングでは体が開きづらくなるため自然とハンドファーストかつ体の正面でインパクトする理想の形を体現できます。ドライバーではアイアンほどハンドファーストには打ちませんが、体の正面でボールをとらえるための最高の練習法です。
ドリル7|逆さ持ちMAXスピード素振りで「飛ばし力」の原点をUP。
速く振るコツと、力の発揮どころがわかるようになる!
ヘッドスピードアップを目指したいなら、球を打つより素振りを推奨します。球を打つときは当てようとするから全力で振りにくいですが、素振りなら全力で振れるからです。1回ごとにアドレスを作り100パーセントの力感でスイングしましょう。マックススピードを体感するには、クラブヘッド側を持って振るのがオススメ。手だけで振らずに体全体を使って思いきり早く振って「ビュッ」と空を切る音をフォロースルーで聞くことができればOKです。
ドリル8|足踏みテークバックで、スムーズな始動を手に入れる。
「動から動」なら、硬くならず自然体で始動できる。
テークバックを始動させるきっかけは人それぞれで、私は手のワッグルを数回繰り返しますが、一番オススメしたいのは、重心を左右交互に乗せて足踏みしてから始動すること。足を実際に浮かせても浮かせなくても構いませんが、重心を交互に乗せると始動のタイミングがとても取りやすくなります。「静から動」は難しいですが、「動から動」でテークバックする方法を取り入れるとスイング全体のリズムや動きがよくなって飛ばしにつながります。
レッスン
三塚優子みつか・ゆうこ
1984年9月21日生まれ、茨城県出身。172センチ。07年プロ入会。11年日本女子プロゴルフ選手権などツアー通算4勝。現在は水戸市の「東野ジャンボゴルフレンジ」で多くのアマチュアゴルファーを指導している。
取材協力/ 北の杜カントリークラブ、サザンヤードカントリークラブ、昭和の森ゴルフコース、太平洋クラブ御殿場コース、長坂ゴルフ練習場、船橋カントリークラブ、武蔵丘ゴルフコース