重田栄作のシャロースイング改造 9ドリル
練習場で使える上達必須の71ドリル PART-2
目指すのは、インサイドからクラブを下ろすことでシャローなインパクトを実現し飛んで曲がらない球筋を生む、いま主流のシャロースイング。根本的にスイングを見直してレベルアップを目指そう!
GOLF TODAY本誌 No.591 23〜26ページより
目指すのは、バックスイングは『アウト(外側)』、ダウンスイングは『イン(内側)』のプロスイング。
伸び悩んでいるアマの大半は、「イン→アウト」の逆スイングになっている!
上の画像のようにプロとアマのスイングには決定的な違いがあります。プロ・上級者はアウトに上げてインから下ろすのに対し、アマはインに上げてアウトからクラブが下りてきます。アウトから下ろすとインパクトが点になり再現性が落ちてしまいますが、インから下ろせれば入射角が浅く(シャロー)なり、インパクトゾーンが長くなって精度が上がり、パワーを余すところなくボールに伝えることができるのです。つまり、目指すのはこの決定的な違いを改善し、プロのようなシャロースイングに近づくこと。早速挑戦してみましょう!
ドリル9|【スイング改造︱STEP1】『ボールコロがしテークバック』で、インに引く動きを徹底矯正!!
始動でインに引いてしまう最大の間違いをリセットできる。
目指すのはアウトに上げてインから下ろすスイングですが、始動でクラブをインサイドに引くべきと勘違いしているケースは多いもの。しかしインに引くとダウンスイングでは逆の動きが生じてアウトから下りてカット打ちに。つまり始動でインに引かないことが最大のポイントで、そのためには、ヘッドの30センチほど後ろに球を置いて、その球を真後ろにコロがす練習が有効です。安定して真後ろにコロがっていれば、始動でヘッドが真っすぐ動いている証拠。第一ステップクリアです!
ドリル10|【スイング改造︱STEP2】「クラブ2本置きバックスイング」で、ヘッドと手の位置関係を叩き込む!
視覚的に確認すると、正しい動きを把握しやすく習得が早い。
クラブを2本用意し、アドレス時の手元とヘッドの位置と重なるように平行に置きます。そこから2本のレールの上を動かすように、手元は手前のクラブ、ヘッドは外側のクラブに沿ってバックスイングします。簡単そうですが意外と難しく、油断するとすぐヘッドがインに入ってしまいがち。
ヘッドは真っすぐというより、斜め前に出すような意識で動かすとちょうどいいかもしれません。
ドリル11|【スイング改造︱STEP3】「壁(ネット)素振り」で、インに引かないをらくらく体現!
視覚的に確認すると、正しい動きを把握しやすく習得が早い。
壁やネットなど垂直な面の前に立ち、ヘッドの先を合わせてアドレスします。その状態からヘッドが壁やネットから離れないようにバックスイングするだけでOK!とても簡単ですが、これまでどおりのバックスイングではヘッドが壁やネットから容易に離れてしまうはず。
インに引き込んでいたスイングとはまるで違いますが、この動きこそが理想のバックスイング。定着するまで繰り返しましょう。
ドリル12|【スイング改造︱STEP4】「テコ上げバックスイング」で、手元の位置をしっかり制御!!
手の位置を低くキープでき、動きを抑制できるようになる。
両手を離してグリップの両端を握り、その状態でバックスイングして、右足を超えたら右手を固定したまま左手のヒラでグリップエンドを押し下げます。すると手の位置はそのままなのに簡単にヘッドが上がることがわかるはず。あとはこの手首の角度を保って体の回転で上げればOK。手が暴れることなく毎回同じルートを通るので、クラブの動きを制御しやすくなり目指すスイングに近づきます。
ドリル13|【スイング改造︱STEP5】「タオルぐるぐるドリル」で、切り返しの手首の動きをマスター!
切り返しに欠かせない、やらわかい手首使いがわかる。
切り返しで大切なのは、立ててアウトに上げてきたクラブを、手首を柔らかく使ってインへしっかりシフトすることです。この動きを習得するには、トップの位置でタオルをぐるぐる回すドリルが有効。フェイスタオルの端をしばって逆側を持ち、手首を柔らかくして手首の回転だけでぐるぐる大きく回します。手首が前後左右に回転する中で、しっかり後ろに折れ曲がる感覚がとても重要。この感覚がつかめたらクラブに持ち替えて「オカモチ」の形にしっかり収める練習を繰り返しましょう。動画を撮ったり、鏡で確認するとわかりやすいです。
ドリル14|【スイング改造︱STEP6】「クラブ2本置きドリルパート2」で、ダウンスイング時のクラブと手の位置関係を知る!
視覚的に下ろす目安を設けることで、意識が向けやすく会得が早い。
クラブを2本用意し、1本はスタンスと平行に、もう1本は斜め後ろ(30度程度)に向けてセットします。ゆっくりダウンスイングしてきて、手が腰の高さにきたとき、「左手=平行のクラブ」、「クラブ=斜めのクラブ」に重ねる練習を繰り返します。ただ漠然とインに下ろすことを意識するのではなく視覚的に下ろす場所の目安を作ることで、理想形をしっかりとらえられるうえ、毎回同じ場所に下ろせるようになるのです。
ドリル15|【スイング改造︱STEP7】「時計回りスイング」で、アウト→インのスイングを再確認!!
障害物を避けて振るだけで、確実に「外→内」が定着する。
ステップ6までに紹介した一連の動きを復習しつつ、確実に定着させるドリルがこちら。体の右サイドに障害物をおいて、その障害物を避けるようにスイングするというものです。クラブはアウトに上げてインから下ろすのが正解ですから、自分から見てクラブの動きは時計回り。
障害物を置いて回避しながらクラブを動かすことで、より意識が高まり徹底的に体に叩き込むことができるというわけです。
ドリル16|【スイング改造︱STEP8】「鐘つきドリル」で確実にシャローなインパクトを実現するための動きをマスター
左足前までしっかり手をスライドさせる感覚がすぐにつかめる。
シャロースイングを完成させるには、手元を低く保ってヒットするのがポイント。それには手元を左足前まで動かすことが不可欠です。クラブを地面と平行な状態にしたら、左手はグリップエンド側、右手はグリップの右端を握り鐘をつくイメージで左右動かします。手元がしっかり動けばインサイドの低い位置から球へ向かう理想のインパクト軌道が生まれ、シャローなインパクトが手に入ります。
ドリル17|【スイング改造︱STEP9】「ボール横投げドリル」で、アームローテーションを加えてスイング改造完了!
球がしっかりつかまるシャローの利点を余さず球に伝えられる。
ここまでのドリルでマスターしたシャローなインパクト軌道の利点を最大限に引き出しつつ効果的に球に伝えるには、インパクトでしっかりフェースを返すことが大切です。そこでオススメしたいのが「ボール横投げドリル」。普通にボールを投げると親指が地面を向き、手の甲が内側、手のヒラが外側を向きます。これがもっともナチュラルに腕が内側へ返った状態。この動きをゴルフスイングに近い「横投げ」で試すだけ。タイミングや返し方など細かいことを考えなくても自然と腕全体を返すことができるはず。手首だけでなく腕全体をローテーションさせる意識を持つと反復性が向上します。
レッスン
重田栄作しげた・えいさく
1968年6月18日生まれ、神奈川県出身。03年プロテスト合格。ジャンボ軍団・金子柱憲の専属キャディで4勝に貢献したあと、03年にプロテスト合格。07年より山梨アーバングリーン八田でレッスン開始。ツアープロからアマチュアまで幅広くレッスンを行う。
取材協力/ 北の杜カントリークラブ、サザンヤードカントリークラブ、昭和の森ゴルフコース、太平洋クラブ御殿場コース、長坂ゴルフ練習場、船橋カントリークラブ、武蔵丘ゴルフコース