ゴルファーのお尻がムズムズするマスターズウィーク! 「これからこのパターが流行るよ」スコッティ・キャメロンパター大ヒットの背景
中古ゴルフクラブ業界に携わって30年の“中古クラブ専門家・中山功一”が、旬な中古クラブ情報や購入時に参考となる豆知識などをお届けするコラムです。今回は、スコッティ・キャメロンパターについてお話します。
写真/ゴルフトゥデイ編集部
精度が高く、美しい。タッチも良い!
1991年頃、古くから付き合いのあるアメリカのバイヤー・R.Gクロス氏が日本にやってきました。彼はクラシッククラブやアメリカの新製品などと情報を持って、年に5回ほど来日していました。そのたびに彼は大きなキャディバッグを担いで、当時私が務めていたフェスティバルゴルフを訪れたのです。
キャディバッグの中にはパターがぎっしり入っていて、その中に見慣れないパターがありました。それが「スコッティ・キャメロンパター」でした。削り出しモデルのガンブルー仕上げ、一見、TPミルズのような仕上げのパターで、形状はピンアンサーです。
R.Gクロス氏は、「これからこのパターが流行るよ」と言うので、価格は?と質問すると、当時としてはかなり高額でした。それもそのはず、軟鉄ブロックからNCミーリングマシンで削り出ししているのです。
ネックまで削り出し精度が高く、仕上げも美しい。試打するとタッチも良い!問題は価格だな…と感じました。
優勝者のパターにインスパイア!スコッティ・キャメロン「CHAMPIONS CHOICE」パター登場
スコッティ・キャメロンから「CHAMPIONS CHOICE」パターが登場。2021年9月10日より数量限定で発売される。
スコッティ・キャメロンパターはバカ売れ
当時はタッド・モアやケン・ジアニーニなど削り出しパターが出始めた頃で、まだまだ認知されていませんでした。
R.Gクロス氏は、「委託でいいから店に置いてみてくれ」とスコッティ・キャメロンパターを置いていきました。見栄えのいいパターなので、早速店舗にディスプレイすることにしたのです。
すると!1993年のマスターズでベルンハルト・ランガーが使用して優勝。使用していたモデルは、「S.キャメロン クラシックⅠ」。これをきっかけに、スコッティ・キャメロンパターはバカ売れしました。
タイガーウッズもスコッティ・キャメロンパターをロフト2度、4度と2本持ちして、コースによって使い分けていました。タイガーがアマチュア時代使用していたのはPINGパターですが、ロフトは6度から7度。
スコッティ・キャメロンパターはロフト2度という精度の高い出来なので、シビアなセッティングのグリーンでも攻略できるのです。
スコッティ・キャメロン氏はデザイナーとしても評価が高く、パター以外にもグリーンフォークやマーカー、キャディバッグなど多くのアイテムがプレミア価格で取引されています。
最近は韓国や中国のコレクターも多く、「CLUB CAMERON MEMBERSHIP KIT」もプレミアが付いています。
次ページ:スコッティ・キャメロンパターおすすめ3選は?
次のページ