ゴルファーの大敵・夏のラフに入れたらサァどうする…!?
“夏のラフは大敵”といいますが、そのことを実感する季節がやって来ました。
冬に比べてただ生い茂っているだけでなく、葉っぱに勢いがあって、しかも水分をたっぷり含んでいる夏芝は、思った以上に抵抗が大きいもの。「それほど深くないので大丈夫だろう」と思っていても、ヘッドが上手く抜けてくれないことがよくあります。それほど見た目の感覚と実際に打った時のギャップが大きくなるのが、夏芝のラフの特徴なのです。
そんな夏芝を克服するためにはどうすればいいのでしょうか。
● ラフに入ったら、状況を把握するためにライの確認をし、実際にボールを打つつもりで素振り
● スイングのしやすさ、ラフの抵抗感などを体感する
まずラフに入ったら、状況を把握するためにライの確認をするだけでなく、ボールの近くでボールの状況と同じような傾斜とラフの深さになっている場所を探し、実際にボールを打つつもりで素振りをしましょう。それこそターフを取るぐらいの勢いで、しっかり素振りをすることが大事です。
その素振りでスイングのしやすさ、ラフの抵抗感などを体感するのです。
深いラフで最も武器になるクラブは…?
次に大事なのはクラブ選択ですが、一般的にどのクラブが適しているかをご存じですか?
夏場の抵抗が大きいラフから脱出しやすい条件としては、「ヘッドスピードが速い」「ヘッドが重い」「ヘッド体積が小さい」「フェース面積が狭い」「打ち出し角度が高い」などが挙げられます。
この条件を満たすクラブを具体的に考えてみると…
● ヘッドスピードが速い:長くて軽いクラブ
● ヘッドが重い:ショートアイアンですが、意外と重いのがユーティリティ
● ヘッド体積が小さい:ロングアイアンが一番で、その次がユーティリティ
● フェース面積が狭い:フェアウェイウッドとユーティリティ
● 打ち出し角が高い:ロフトの大きい番手
フェース面積が狭いと、深いラフでは上手く当てられないような気がしてショートアイアンを選択しがちですが、フェースの高さを考えると、ドライバー以外の番手は全てボールの直径(約4.3センチ)よりも低くなります。
Q:これらのことから考えて、最もやさしく脱出できるクラブは…?
A:“ロフト大きめ”のユーティリティ
ということになります。もちろん、ライの状況にもよりますが、素振りをしてみてUTでも振れそうなら、UTを選択したほうがいいということ。夏場はあらかじめ大きめロフトを入れておくなど、UTの本数を増やすというのもひとつの手です。
アプローチはできるだけ転がしで
次に、アプローチショットのケースです。
微妙な距離感が必要なアプローチも、素振りが重要なポイントになります。というのも、ロフトが大きく、フェース面積が大きくて芝の抵抗を受けやすいウェッジで、ヘッドスピードを遅めにしてデリケートに打たなければならないのがアプローチなので、芝の抵抗によってボールの勢いが大きく変わってくるからです。
一般ゴルファーの多くが距離測定器などで距離を測り、地面に触れることなく素振りだけをして打ってしまうことがありますが、それではなかなか上手く寄せられません。
<打つ前にすべき大事なこと>
● 必ず打つ前にラフに触れて、抵抗を感じながら素振り
● 実際の距離よりもどのくらい強く、大きくスイングしたらいいかを計算
また、ロフトの大きいクラブになるほど、インパクトでボールとフェースの間に挟まる芝の量などの影響で、スピン量やボール初速にばらつきが出やすくなります。そのミスを軽減するためには、上げるより転がすほうが安全。グリーン面を有効に使いながら、ランニングで寄せることを考えるように考える。それが賢いゴルファーの選択です。
文・真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。




