そもそもモックネックってゴルフウェアなの?
「モックネックも襟の一種だから、ゴルフで着用しても襟付きということで何の問題もないですよね?」
襟付きシャツがマストになっているこの国のゴルフウェアの常識。元々無理があるからこそ混乱もするわけです。
モックネックはタートルネックの一種で、折り返せないほどの長さのものをモックネックと呼ぶらしいのですが、面白いのは「mock」という英語の意味です。「偽の・見せかけの」という意味があります。調べてみると、モックネックのシャツは基本的には秋冬物の洋服に採用されるものだとわかりました。そう考えると、タートルネックの一種というのは納得できます。
春夏のゴルフウェアに採用されているのは、21世紀になって新しいゴルフウェアのトレンドを起こしたかった海外ブランドが採用して、一部のトッププロが好んで着用したことがきっかけのようです。
ちなみに、ツアーによってゴルフウェアのドレスコードは違うのですが、モックネックの場合、表生地か裏生地の長いほうを測定して、2インチ以上の長さがあるというような規則があるようです。
最近は、暑さ対策でモックネックの裏生地を冷却素材で作ったものもあるそうです。ただ、ゴルフメーカーが作ったゴルフウェアだからと安心してはダメで、どこでも着られるわけではないというのが現実です。頑固な価値観を持っている人の中には、ゴルフコースで違和感のあるウェアを着用している人を見ると不愉快に感じる、というケースもあります。
モックネックはゴルフウェアだからいつでもどこでも着用してOK、とは言えないのが2023年時点の正解のようです。
フード付きのウェアでゴルフをするメリットはある?
フード付きのウェアを着てゴルフをしたい、という人もいます。このケースはちょっと複雑で、いわゆる雨具の分野においてはフード付きがすでに容認されているからです。この歴史的な背景をどう考えるか、で議論が分かれます。
アウターにフードが付いているウェアでゴルフをするシーンは、欧州のツアーなどではトップ選手も経験済みだったりします。つまり、認められているという下地は、まあまあできているように感じるのです。
ただ、ファッションとしてはいいかもしれませんが、スイング中に邪魔になるのでは、という心配をしてしまいます。練習場でフード付きのアウターでボールを打ったとき、スイング中にフードが動くことと、フィニッシュでシャフトがフードに当たるのが気になったからです。
フード付きがどのくらいオシャレなのかは、個人の価値観です。でも使い勝手という視点で見ると、ゴルフにはマイナスのほうが多いような気がします。それがあるから、比較的着やすいはずのフード付きウェアが広まらない理由なのかもしれません。
何を着てゴルフをするのも自由!だからこそ、考えよう
ゴルフウェアのドレスコードは、ゴルフ規則ではありません。あくまでも、ゴルフコースや競技団体のローカルルールであり、もっと突き詰めればお願い、なのです。
個人的にはそう遠くない将来、ゴルフは何を着てプレーしても自由だというのが常識になると考えています。確実に、そういう流れが始まったことを感じるからです。
ただ、現在はゴルフコースという他人同士が同じ日に同じ時間を共有して使用する特別な場所の雰囲気を守ろう、という伝統がまだまだ生きているのです。それは冠婚葬祭のように、その場の空気を考えた服装で参加するハウツーと同じで、変化しにくいものです。
自由の定義
自由というのは、一人なら思うままに好き勝手にすることと定義できますが、複数の人が集う場では、他者の自由を尊重することと定義されるのです。
ゴルフウェアは自由でいいと書いたのは、そういう自由の定義が理解できているという前提です。モックネックのシャツも、フード付きのアウターもドレスコードで認められていて、同伴者がそういう服装でも不愉快に思わないことが確実なのであれば、着用してゴルフを楽しめばいいと思います。
これはゴルフに着て行って大丈夫なウェアかどうか?と、着用を容認している情報をネットで探しているようなら今はやめて、オーソドックスなウェアで行くようにとアドバイスします。有利な情報を探している時点で、本人がその不利や危険を感じている証拠です。そういうときに限って、最悪の結果に繋がることがあるのがゴルフだからです。
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年生まれ。東京都文京区生まれ。板橋区在住。中一でコースデビュー、以後、競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れる青春を過ごして、ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、2000年にメルマガ【Golf Planet】を発行し、ゴルフエッセイストとしてデビュー。試打インプレッションなどでも活躍中。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。


