モックネックにフード付きウェア、ゴルフに着て行って大丈夫…?と不安ならやめておいたほうが無難かと
ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第83回
ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。
写真提供/篠原嗣典
そもそもモックネックってゴルフウェアなの?
「モックネックも襟の一種だから、ゴルフで着用しても襟付きということで何の問題もないですよね?」
襟付きシャツがマストになっているこの国のゴルフウェアの常識。元々無理があるからこそ混乱もするわけです。
モックネックはタートルネックの一種で、折り返せないほどの長さのものをモックネックと呼ぶらしいのですが、面白いのは「mock」という英語の意味です。「偽の・見せかけの」という意味があります。調べてみると、モックネックのシャツは基本的には秋冬物の洋服に採用されるものだとわかりました。そう考えると、タートルネックの一種というのは納得できます。
春夏のゴルフウェアに採用されているのは、21世紀になって新しいゴルフウェアのトレンドを起こしたかった海外ブランドが採用して、一部のトッププロが好んで着用したことがきっかけのようです。
ちなみに、ツアーによってゴルフウェアのドレスコードは違うのですが、モックネックの場合、表生地か裏生地の長いほうを測定して、2インチ以上の長さがあるというような規則があるようです。
最近は、暑さ対策でモックネックの裏生地を冷却素材で作ったものもあるそうです。ただ、ゴルフメーカーが作ったゴルフウェアだからと安心してはダメで、どこでも着られるわけではないというのが現実です。頑固な価値観を持っている人の中には、ゴルフコースで違和感のあるウェアを着用している人を見ると不愉快に感じる、というケースもあります。
モックネックはゴルフウェアだからいつでもどこでも着用してOK、とは言えないのが2023年時点の正解のようです。
エチケットもクリア。信頼できるモックネックのゴルフウェア特集
ゴルフ場でのエチケットをクリアし、街の空気もしっかり読んだ、信頼に足るモックネックが日常にちょうどいい。 GOLF OUT ...
フード付きのウェアでゴルフをするメリットはある?
フード付きのウェアを着てゴルフをしたい、という人もいます。このケースはちょっと複雑で、いわゆる雨具の分野においてはフード付きがすでに容認されているからです。この歴史的な背景をどう考えるか、で議論が分かれます。
アウターにフードが付いているウェアでゴルフをするシーンは、欧州のツアーなどではトップ選手も経験済みだったりします。つまり、認められているという下地は、まあまあできているように感じるのです。
ただ、ファッションとしてはいいかもしれませんが、スイング中に邪魔になるのでは、という心配をしてしまいます。練習場でフード付きのアウターでボールを打ったとき、スイング中にフードが動くことと、フィニッシュでシャフトがフードに当たるのが気になったからです。
フード付きがどのくらいオシャレなのかは、個人の価値観です。でも使い勝手という視点で見ると、ゴルフにはマイナスのほうが多いような気がします。それがあるから、比較的着やすいはずのフード付きウェアが広まらない理由なのかもしれません。
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