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「7番アイアンは150ヤード」などと決めつけてそれを守ろうとすることを“○番アイアンの呪縛”と呼ぶけれど…

ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が現場で感じたゴルフエッセイ【毒ゴルフ・薬ゴルフ】第88回

2023/10/11 ゴルフサプリ編集部 篠原嗣典

ゴルフクラブ,アイアン

ゴルフの虜になってもうすぐ半世紀。年間試打ラウンド数は50回。四六時中ゴルフのことばかりを考えてしまうロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典が、コースや色々な現場で見聞きし、感じたことを書いたのが【毒ゴルフ・薬ゴルフ】です。大量に飲めば死んでしまう毒も、少量なら薬になることは、ゴルフにも通じるのです。

写真提供/篠原嗣典

7番アイアンで150ヤード打てなくなったら、ゴルフをやめると宣言?

いちばん最初に練習場で打ったクラブは、7番アイアンでした。1978(昭和53)年頃、この国のゴルフのトピックスは、ヤード法を廃してメートル法の採用が決まったことでした。

練習場の距離の目安の看板は、“137”とか“91”でした。どうして中途半端な数字なの?と疑問に思ったものです。単純に150ヤードの看板と100ヤードの看板をそのままメートルにして使っていた結果です。そこにグリーンを模した目標がある練習場の構造上、やむを得なかったのだと推測します。

中学1年生の僕はいきなり7番アイアンで137メートルを打てるようになりました。それから40数年、7番アイアンは得意クラブのひとつです。20代後半から30代前半まで、僕は7番アイアンで環境が整えば175ヤードを打っていました。

「7番アイアンで150ヤードを打てなくなったら、ゴルフをやめるときだよ」体力的なことだけではなく、コースマネージメント的な意味も含めて、こんなことを自信満々に言っていました。若気の至りです。思い返すと恥ずかしいですが、調子に乗っていたのです。

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9本組みでアイアンセットが売っている時代、7番アイアンはそのアイアンを代表する1本でした。試打用に用意されているアイアンは7番が決まりでしたし、アイアンのフェースの形状も7番以上がフルスイング用にカチッとしていて、8番以下は丸みが加わって、いろいろとテクニカルに使用できるようになっているものでした。

令和になった現在も試打用のアイアンは7番が中心ですが、アイアンセットは5番~9番、PWの6本組みを基本として、7番~9番、PW、AWという5本組セットもありますし、ピンゴルフのように自由に1本から選べるケースもあります。7番がセットに入っていない組み合わせも出てきているのは、同じ7番アイアンでもロフトなどが全く違うものが市場に混在しているからです。

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だからこそ、7番アイアンを基準にしている流れがあります。「このアイアンは7番でこんなに飛びます」というように、刺激的なアピールができるからです。ヘッドスピードが速いゴルファーなら、7番アイアンで200ヤード以上飛ばせるクラブは複数存在します。

良くも悪くも、7番アイアンは現在でも基準のアイアンだと言えるのです。

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