ウェッジはコントロール至上主義。飛ばないのもよくないが飛びすぎの方が危険

ロフト角48〜58度のウェッジは何ヤード飛べばいいのか。
結論から言うとヘッドスピードによって変わります。ということで、今回はドライバーのヘッドスピードが38〜48m/sの人が、ロフト48、50、52、54、56、58度のウェッジで、それぞれどれくらい飛べば適正なのかを見ていきましょう。これを読めばヘッドスピードに対するウェッジの適正飛距離はもちろん、自分に合ったウェッジのロフトは何度か、どんなウェッジを買ったらいいのかもわかります。ここで言う飛距離はキャリーとランの合計距離ですが、ウェッジの場合はほぼキャリーと考えていいでしょう。

まずロフト角ごとにウェッジを仕分けすると、48度はPW同様フルスイング用。私はPWをアイアンの延長で10番アイアンと位置付けていますが、48度もその流れで、言うなれば11番アイアン。アプローチで距離を刻むような使い方ではなくおもにフルスイングするウェッジです。

50度も48度と同じようにフルスイングで使いますが、同時にアプローチでも使えるウェッジになります。基本はピッチ&ランですが、ランが多めになるため転がしを多く使って寄せるのが好きな人に合う傾向があると思います。

52度はいわゆるギャップウェッジ。イメージ的にはアプローチウェッジとサンドウェッジの間を埋めるクラブで、例えば48度と56度の間に入れるなどして使います。フルスイングでもイケますが、ピッチ&ランのアプローチもOK。ただ50度とは違ってキャリー多めで寄せたい人に向きます。

54度は、これより下の番手(56、58度)と52度の“いいとこ取り”をした感じのウェッジですが、見方を変えると中途半端とも言えます。例えば58度を入れる場合、その上が52度になるとピッチが6度も開くので54度を入れてセットアップのバランスをとる、といった使い方をする人が多いようです。52度のピッチ&ランよりも、さらにランを減らしたい人などは54度にするとイメージが出るかもしれません。

56度と58度はほぼ同じ用途で、グリーン周りのアプローチやバンカーショットなど寄せ専用でフルスイングしないウェッジと私は考えています。というのも、これらのウェッジはおしなべてバンス角が多め。重心が低くなっているのでヘッドがボールの下を潜りやすくなります。エクスプロージョンショットなどが打ちやすいことからもわかるように、振っても飛ばないクラブ。フルスイングしてもボールが上がるだけなので、あまり意味がありません。また、ヘッドが重くスイングバランスもアイアンセットより重いので、フルスイングするとスイングを不安定にする原因にもなります。

ヘッドスピードはドライバーのもので、38〜48m/sまで2m/sごとに5つに分けました。40〜42m/sは平均的なアマチュアゴルファー、42〜44、44〜46m/sは中上級者、46m/s以上は上級者の、それぞれアベレージのヘッドスピードになります。

ロフト角とヘッドスピードから適正飛距離を割り出したのが下の表です。ウェッジのロフトが2度変わると飛距離は約5ヤード変わります。ロフトが10度違うと飛距離は約25ヤード変わるわけです。また、ヘッドスピードは2m/sの違いで10ヤード変わるのが目安。表内の飛距離は最長飛距離ではなく平均距離を示しています。

ょう。現在の飛距離が、表内の飛距離からプラスマイナス5ヤードの範囲に収まっていればOK。例えばヘッドスピード40〜42m/sの人が56度のウェッジ場合は70ヤードが目安なので、65〜75ヤード飛んでいれば芯に当たって正しく打てていて、ロフトも合っていると言えます。なお54〜58度のウェッジは、フルスイングしない前提で最も大きく振った場合の飛距離と考えてください。

表ではヘッドスピード42〜44m/sとロフト48度との組み合わせで初めて100ヤード飛びます。それを見て、全体の飛距離設定が短すぎると思う人がいるかもしれませんが、もしそうならウェッジに対する考え方を改めた方がいいかもしれません。なぜならウェッジはコントロール至上主義、思ったところにボールを運びたいクラブだから。飛ばないのもよくありませんが飛びすぎの方がはるかに危険。それを考えた飛距離設定となっています。

もし10ヤード以上飛んでいたら振りすぎている可能性が高いと思うので、振り幅を抑えてコントロールする方向にスイングをシフトチェンジしましょう。前述したようにスイングバランスの重い56、58度といったウェッジで振りすぎるとスイング的にもマイナス。軸ブレなどに繋がってスイングを壊すことにもなりかねません。

振っていないのに飛びすぎる人はインパクトでロフトが立っています。20ヤードもオーバーしたら間違いなし。ウェッジは上から叩きつけるように打つと思っている人も多いようですが、それだと毎回インパクトロフトが変わって再現性が低いまま。何より飛距離が安定しないのでウェッジ本来の仕事ができません。レベルブローのイメージでスイングし、入射角をノーマルにしましょう。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。