ラーム、石川遼、河本力らトッププロが認めた“洒落ゴルフシューズ”を試したら、認めざるを得ない履き心地だった
2023年のマスターズで悲願の初制覇を果たすなど、今季も好調なジョン・ラーム。そんな世界のトッププロが履いているゴルフシューズとして、この春に注目を浴びたトラヴィスマシューのゴルフシューズ「CUATER(クウェーター)」。シンプルでスタイリッシュなデザインなだけに、そこにばかりスポットライトが当たりがちだが、はたしてその性能・履き心地はいかなるものか? 実際のラウンドでじっくりと確かめてみた。
写真/相田克己
シンプルなのに。飛ばし屋、トッププロたちのスイングにも耐える機能性
トラヴィスマシューのゴルフシューズ「CUATER(クウェーター)」は、複数モデルがラインナップされている。その中で、ジョン・ラームが履いているのは「CUATER THE MONEYMAKER<4MR216>」というモデル、石川遼は「CUATER THE LEGEND <4MR214>」、そして河本力やサム・バーンズは「CUATER THE RINGER」でプレーしている。
それにしても「CUATER(クウェーター)」はシンプルを追求したようなデザインで、見た目からはまったくと言っていいほどテクノロジーを感じさせない。だが、実際にトッププロたちは、変わらず高いパフォーマンスを発揮し、結果を出している。このことから、ゴルフの最高峰のステージで戦える機能性・快適性を備えているのは、間違いのない事実なのだろう。
しかし!ここ数年間、見た目からビシビシと伝わってくるほどの“テクノロジー推し”のゴルフシューズばかりを履いてきた筆者としては、どうしても「CUATER」を信じ切ることができない。そこで、前述した3モデルのうち「CUATER THE LEGEND <4MR214>」を履いて18ホールをプレーし、性能を確かめることにした。
ツアープロでもシングルゴルファーでもないアベレージゴルファーの身で恐縮だが、体感した印象をレポートする。
「CUATER THE LEGEND <4MR214>」は、なぜ疲れにくいのか?
石川遼に認められた「CUATER THE LEGEND <4MR214>」の履き心地はどんなものか? だが、まずは見た目の感想から。
「CUATER」シリーズの中の“オックスフォードシューズ”といった感じで、クラシカルなだけでなく、丸みを帯びたシェイプが落ち着いた印象を与えてくるのが、個人的にはとても好ましい。アッパーの素材には軽量ソフトレザーが採用されているのだが、その質感によるものか、はたまたデザインによるものか? 硬そう・重そうといったマイナスな印象がまったくなく、軽快感すら感じられる。
それから、このモデルは100%防水構造なのである。ちょっとした雨や朝露なんかを気にすることなくサクサク歩けるというのはうれしいポイント。
さて、履き心地である。まず驚いたのは、靴ベラがなくても“スリッポン”という感じで、とても履きやすい。履きにくいゴルフシューズは苦手なので、第一印象は最高。
そして……次に驚いたのがびっくりするくらいソフトなインソールの感触。履き口もソフトでやさしいのだが、それ以上に足裏に感じるインソールのやわらかさがハンパない。これは気持ちいい。でも、歩いたらどうなんだろう? この第一印象の感触が保たれるのだろうか?
というのも、「CUATER」全般に言えることだが、アッパーとソールの中間に配されたミッドソールの厚みが、他社モデルと比べて薄いような気がしていた。そのため、このミッドソールで、スパイクシューズにありがちなスパイク(鋲)の突き上げ感を消すことはできているのだろうか? という懸念があったのだ。
練習グリーンに向かい、芝の上を歩いてみる。フワフワっとインソールが足裏をやさしく支えてくれる。そして、突き上げ感は……ない。なぜないのだろう(笑)と不思議に思った。
なぜかといえば、やわらかな感触とともに地面を踏み締めている感触も、感じられるからだ。でも、突き上げ感はない…というか、地面の感触とともにスパイクの存在は足裏にほんのりと感じられるのだが、それは突き上げ感と言えるほどのものではない。
不思議な感触なのだが、良い感じなのである(汗)。これはやさしい履き心地と表現していい、のかもしれない。
初めて感じる不思議な履き心地に戸惑いつつもティーイングエリアへと足を運ぶ。
グリップ力はどうか? 最近、あるプロから『もっと思いっきり振ってください』というアドバイスを受けたばかりだったので、この時も思いっきりスイングした。朝イチにしては良い当たり、高さはぼちぼちな感じだが強い球を真っすぐ打つことができた。
足元は終始、安定。「CUATER THE LEGEND <4MR214>」のグリップ力が、しっかり発揮されていたということでよいのだろう。その後も、傾斜やバンカーも含めてショットを重ねていったが、マイナスポイントは見つけられず。……トッププロが試合で使っているのだから、当たり前といえば当たり前なのだが(笑)。
そして迎えた最終ホール。この時点での足の疲労感はというと、普段よりも疲れた!なんていうことはなかった。正直、最初に感じた“歩き心地”の感じから、18ホール歩いたら疲れるんじゃないか?と、ちょこっと思ってしまっていたのだ。
しかし、そんな心配はまったくいらなかった。やはり、あのインソールが効いているんだろうか。いや、効いているのだろう。
それから、通気性も良いようだ。ソフトレザーのアッパーのゴルフシューズなんて久しぶりに履いたので「蒸れそう」と心配していたのだが、プレー後によくある「蒸れたー!」という感覚はなし。とはいえ、通気性に特化したゴルフシューズではないので、ほどほどに靴中はポカポカである。
ということで、「CUATER THE LEGEND <4MR214>」の履き心地、フィーリング、グリップ力など感想を述べてみたわけだが、結論として「よくできてるなー!」と思った。どうして”そうなるのか?”は、よくわからないが(インソールとミッドソールのバランスが良いのかな)……このシンプルなデザインで、このパフォーマンスは良いですね。
たしかに、トッププロが認めたゴルフシューズなだけある、のである。
クラシカルなデザインで、なおかつ性能はプロユースレベルなゴルフシューズを求めているなんてゴルファーは、お試しあれ。
CUATER THE RINGER <4MR215>
CUATER THE MONEYMAKER<4MR216>
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