全員がボールを打ち、ナイスショットの位置から再び全員がプレー
ここ数年、静かなブームを呼んでいるスクランブルゴルフ。皆さんはご存じですか?
古くから、“スクランブル形式”という競技方法がトーナメントのプロアマ競技などでも採用されているので、「何となく分かる」という人もいると思いますが、まずはルールの説明からしましょう。
(1)競技人数は2~4人。最初に全員がティショットを打つ
(2)その中から、セカンドショットを打つボールを1つ選択
(3)次に選んだボールの位置から、全員がセカンドショットを打つ
(4)さらに4つのボールから、サードショット(グリーンに乗っていたらパッティング)を打つボールを選択してプレーをする
ホールアウトするまでこれを繰り返し、チームとしてのスコアを記録するという競技方法です。
「そのやり方だったら、シングルクラスの人がいた場合、その人のショットだけが採用されるんじゃないの?」と思う人もいるでしょうが、心配は無用です。基本的には、1チームが2名の場合は1人7ホール、3名の場合は1人5ホール、4名の場合は1人4ホールのティショットを選択する必要があるとなっているからです。
だから、1人だけが主役になることはないのです。
チーム一丸となってのプレーは、想像以上に楽しいもの
なぜこのような競技方法があるのか?最大のメリットは、プレー時間が短縮されることです。常にベストなボールを選択できるので、大きく曲がったボールを探したり、「林から出すだけ」などのプレーする必要がなく競技の進行がスムーズになります。もちろん、全員が林の中に入れた場合は別ですが…。
また、アマチュアゴルファーにありがちな、“ラフからラフへ”ということや、パー5でグリーンに乗せるのに時間がかかるといったことがなくなるので、初心者や腕に自信がない人でも気軽に参加できます。さらに、アベレージゴルファーが普段はめったに打つことがない(?)バーディパットを打つケースが増えるし、それが入ったりすると大きな快感を得られるというのも魅力です。
<その他メリット>
● チームのメンバーが力を合わせてスコアメークしていくので、チームで戦っている楽しみがあり、通常のゴルフよりも仲良くなれる
● 失敗しても誰かが助けてくれるので、プレッシャーがかからず楽しくゴルフができる、など…
2年に1度の祭典、「ライダーカップ」を見ても分かるとおり、団体戦というのは異常に盛り上がるんですよ。
まずは初心者を誘って試してみては?
現在最も大きな大会として、日本パブリックゴルフ協会が主催する「全日本スクランブルアマチュアゴルファーズ選手権」(チーム戦、ダブルス戦、混合ダブルス戦あり。予選は全国7地区で開催)というのがあり、2023年度は4~8月に前期予選・地区決勝、9月に前期決勝、8~12月に後期予選・地区決勝、24年1月に後期決勝、3月に全日本とほぼ1年にわたって行われています。
また、ゴルフ用品メーカーやゴルフメディアが主催する大会もあり、「競技に出たいけれど、1人で戦う自信がない」というゴルファーの間で人気を呼んでいるようです。もちろん、コンペやプライベートゴルフで採用するのもいいでしょう。
先述したように通常のラウンドとは異なり、一緒に戦略を立てたり、好プレー・珍プレーで盛り上がったりするなどコミュニケーションの機会が増えるのがこのゲームの素晴らしいところ。メンバーの親睦が深まるので、欧米ではコンペで採用されることも多いようです。
また、プライベートのゴルフでは「ゴルフをやってみたいけれど、まだコースに出るのは…」とためらっている人を気軽に誘うこともできます。いきなり大会に出るというのはハードルが高いかもしれませんが、次のラウンドで一度試してみてはいかがですか?
今まで気づかなかったゴルフの楽しさに出会えるかもしれませんよ。
文・真鍋雅彦(まなべ・まさひこ)
1957年、大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。
1986年に退社し、フリーライターとしてナンバー、週刊ベースボール、ラグビーマガジン、近代柔道などで執筆。
ゴルフは、1986年からALBAのライターとして制作に関わり、その後、週刊パーゴルフ、週刊ゴルフダイジェストなどでも執筆。現在はゴルフ雑誌、新聞などで記事を執筆するほか、ゴルフ書籍の制作にも携わっている。




