えっ、バンカーはオープンに構えるんじゃないの? 一発で出すならクローズスタンスが正しかった!
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いりません」Case.18

これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンしてきた勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマはバンカーショット。「フェースを開き、オープンに立ってカットに振る」と教えられている人が大半だが、そうやっても一発脱出できないゴルファーが多い。果たしてそれは唯一無二の正解なのか?
オープンに構えてカットに振るほどヘッドは砂に刺さりやすい
バンカーショット、みなさんはどんなふうに打っていますか? ほとんどの人はフェースを開いてオープンに構え、スタンスラインに沿ってカットに振っているのではないでしょうか。もちろん、それでうまく打てていれば問題ありませんが、クラブが砂に深く入りすぎたり、バンカーから出ない人も多いと思います。
そんな人に試してほしいのが、クローズスタンスで打つバンカーショット。脱出優先ならばこの方が絶対にうまくいきます。実際、アメリカPGAツアーではバンカーでクローズに構えるプレーヤーが増えています。

バンカーでは基本的に砂を薄く取りたい。たまに多めに取りたいシチュエーションもありますが、クラブを振り抜けることが前提なので多めと言っても大した量ではありません。砂を薄く取るには普通のショットと同様にオンプレーンでインサイドから振った方がいい。なぜならアウトサイドから振るカット軌道は上から打ち込む格好になるから。打ち込もうとするほどヘッドが砂に刺さってボールの下に深く入りやすくなります。「バンカーではダフる」と教えられていればなおさらです。

なぜ今までオープンに立つと言われてきたかというと、普通に立つとインパクトで腰が先行してハンドファーストになりやすいから。そうならないよう先にインパクトの形を作っておくためのオープンスタンスだったわけで、カットに打つことが目的ではないと考えられます。
その点、クローズに立てばハンドファーストには打てず、クラブもカットに入りにくくなります。つまり、スタンスラインに沿って振ればオンプレーンに近いところからクラブが入って砂に深く入りづらくなる。アマチュアの方がやさしく出すには、必ずしもオープンフェースやオープンスタンスに縛られる必要はないのです。

セットアップは一旦スクエアに立ってからクローズにします。スクエアから右足を半歩分ほど下げたら、あとは打てる方向に振るだけです。クローズにすることで左足体重にしやすいのですくい打ちも防げます。ボール位置は左カカト内側延長上を目安にすればいいでしょう。ウェッジのロフトが56、58度あたりならフェースは開かなくても十分出ます。もちろん開いて使ってもOKです。

ただし、ポットバンカーやアゴが高い状況で打球の高さを出したい時にはフェースを開いてオープンに立ち、バンスを使って打った方がいい。ボールが上がって止まります。プロがトーナメントでガードバンカーから打つ時にこうすることが多いので、いつの間にかそのスタイルがスタンダードになってしまったのかもしれませんね。

勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。

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