「ロフト22度なら180ヤード」なんて。ロフトだけで飛距離を決めつけるのはキケン
鹿又芳典の“推しクラブ” こぼれ話 第2回
男子プロやトップアマチュアでも、ロングアイアンの代わりにFWやUTを入れたり、コンビネーション型にするケースがトレンドになった。そういう異種クラブのセットでも、ロフトのピッチをキレイに並べれば“飛距離(キャリー)の階段”はそろうのだろうか?
写真/ゴルフサプリ編集部
「ロフト○度だから○ヤード飛ぶ」という決まりはない
アマチュアの皆さんは、ロングアイアンに限らずミドルアイアンの代わりにFWやUTを入れる人もいるのではないでしょうか。番手が小さいショートウッドとともに、今はロフトが30度台の“ハイロフトUT”も出ました。
今あるショートウッドにしろ“ハイロフトUT”にしろ、選ぶときに何を考えたいかというと、そのクラブで何ヤード飛ぶかをロフトだけで判断しないでほしいんです。私がよく話しているのが“数値”を先に頭へ入れてクラブを選ぶのは避けましょう。それと同じことで、ロフトの数字と飛距離はイコールになりにくいんです。
ヘッドの構造やクラブの長さも飛距離に関わる
アイアンを例にすると分かりやすいでしょう。同じロフトでも、構造が違うとキャリーが変わるんです。どういうことかというと、軟鉄鍛造のヘッドと中空でフェース肉厚が薄いヘッドでは、ボール初速が変わります。それから、クラブの長さが変わるとHSが変わるので、ボール初速もキャリーも変わります。ロフトと結果(飛距離)がイコールにならないことが、アイアンでも起こっているんです。
ところが、どうしても「ロフト」という数字が独り歩きをして、例えば「自分が使う7Iのロフトが30度だから、33度のUTは7Iよりも飛ばないのか」となってしまう。この2つのクラブは、長さもヘッド構造も重心距離も全て違うので、そうなるとは限りません。
クラブをセットするときは「そのクラブで何ヤード飛ぶのか」を確認するところから始めなきゃいけないんです。
今、必要なクラブは比較対象があると見つけやすい
次のページ