「ロフト○度だから○ヤード飛ぶ」という決まりはない
アマチュアの皆さんは、ロングアイアンに限らずミドルアイアンの代わりにFWやUTを入れる人もいるのではないでしょうか。番手が小さいショートウッドとともに、今はロフトが30度台の“ハイロフトUT”も出ました。
今あるショートウッドにしろ“ハイロフトUT”にしろ、選ぶときに何を考えたいかというと、そのクラブで何ヤード飛ぶかをロフトだけで判断しないでほしいんです。私がよく話しているのが“数値”を先に頭へ入れてクラブを選ぶのは避けましょう。それと同じことで、ロフトの数字と飛距離はイコールになりにくいんです。
ヘッドの構造やクラブの長さも飛距離に関わる
アイアンを例にすると分かりやすいでしょう。同じロフトでも、構造が違うとキャリーが変わるんです。どういうことかというと、軟鉄鍛造のヘッドと中空でフェース肉厚が薄いヘッドでは、ボール初速が変わります。それから、クラブの長さが変わるとHSが変わるので、ボール初速もキャリーも変わります。ロフトと結果(飛距離)がイコールにならないことが、アイアンでも起こっているんです。
ところが、どうしても「ロフト」という数字が独り歩きをして、例えば「自分が使う7Iのロフトが30度だから、33度のUTは7Iよりも飛ばないのか」となってしまう。この2つのクラブは、長さもヘッド構造も重心距離も全て違うので、そうなるとは限りません。
クラブをセットするときは「そのクラブで何ヤード飛ぶのか」を確認するところから始めなきゃいけないんです。
FWやUTは、アイアンよりもキャリーが伸びる
FWやUTは、アイアンとはフェースの構造が変わっているので、アイアンよりも初速が出ます、同じ長さでも。その次に、アイアンよりもFWやUTの方が、クラブが長くてヘッドの重心が深いぶん弾道の最高到達点が高くなります。結果としてFWやUTは、アイアンよりも初速が出て最高到達点が高くなるから、キャリーも出るんです。
前述したように「ロフト○度だから○ヤード飛ぶ」という理屈が通用しないことがお分かりいただけたでしょう。あくまでも「このクラブのロフト○度だったら○㍎飛ぶ」ということがちゃんと分かった上で、番手を構成してもらいたいんです。
計測器のデータは“比較値”として参考にしよう
今は量販店とかでも計測器が備わるところが増えているので、キャリーの距離などは出ると思います。それが“絶対値”ではありませんが、傾向として「この計測器で測るとアイアンよりこのくらい飛ぶな」ということが見えてくるでしょう。言い換えれば“絶対値”ではなく“比較値”ですね。
クラブを探すときにどうしたらいいかというと、自分の7Iとかを(お店に)持って行き「そのキャリーより10ヤード飛ぶクラブを探そう」とか「同じキャリーでもっと高く上がるクラブを探そう」といった目的があると、適切なクラブが見つかりやすいでしょう。
そして、今回のコラムで述べた“ハイロフトUT”の用途については、次回にお話ししましょう。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。
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