一定レベルになるまではクラブが替わってもスイングは同じと考える

スイングを作る方法や使うクラブはいろいろありますが、僕の場合は割と早い段階でドライバーを打ってもらいます。

例えばビギナーの方にスイングの基礎を身につけていただく時にハーフスイングから入るとしたら、短いピッチングウエッジで10球打ったら、それが上手くいってもいかなくても8番アイアンに持ち替えて、また10球打っていただく。同様にユーティリティ、ドライバーという具合に番手を上げていき、逆の順に打ってPWに戻ったら1セットです。特定のクラブだけ当たるようにするのではなく、一つの動作をいろいろなクラブに対応させていくわけです。

ドリルをやっていただく場合も同じで、どの長さのクラブでもやりたいことができるようにします。というのも、一つのクラブでできるようになるまでやり続けると、別のクラブでも長い時間が必要になるから。前のクラブでできたことが、できなくなることもあって非効率この上ないんです。

何かドリルをやると、必ず生徒さんに「別のクラブでも同じようにするんですか?」と聞かれます。ドライバーとアイアンは、厳密に言えば違う道具です。プロゴルファーの中には、本人が意識しているかは別として、両者で打ち方を変えている人もいます。でも、アマチュアの方に「これからドライバー、FW、UT、ミドルアイアン、ショートアイアン、ウエッジ、打ち方を7つ教えます」とやっても無理。

ですから、なるべくワンパターンな命令で全部のクラブを打てるようにアジャストする。つまり、ドライバーはボールを左寄りに置くとか、アイアンは真ん中寄りにするとか構えを変えます。これはワンパターンのスイングでショットを成立させる工夫です。

グリーン周りのアプローチでやわらかい球を打つなど、特殊なショットは別として、ある一定レベルになるまでは、ドライバーからウエッジまでスイングは同じと考えた方がいいと思います。アイアンみたいにロフトを立てながら打てば、ドライバーはティアップしてボールが左にあるからロフトが立たないだけ、となる。やることはなるべく一つにした方がシンプルですからね。

これができるようになると、スイング中に気を付けるところも一つで十分になってきます。正直、2つのことをいっぺんにはできません。練習ドリルを効果的にするためにも、ひとまずはクラブによって変える必要のないスイングを身につけるべきです。

楽しむことに徹すれば冬の練習もラウンドにも積極的になれる

さて、練習というと、寒い季節の今、練習場から足が遠のいている人も多いかもしれません。でも、僕が思うに、寒かろうが暑かろうが行く人は行く。「寒いから行かない」という人の多くは、普段から行きたがらない人なんじゃないかと思います。

練習に行きたがらない人は、おしなべて失敗するのが嫌な人。上手くいかないことを受け入れれば上手くなれる。すると練習も楽しくなるんですが、プライドが高い人は失敗が許せない。ある意味、とても真面目で一途なのかもしれません。でも、そんな人にこそ、僕はもっとゴルフを楽しんでほしいと思っています。ストレス発散のためにバンバン打ってもいい、運動不足解消のためでもいい。スコアに結びつけようとして苦しみ、挙げ句の果てにゴルフが嫌いになるよりは、ハッピーになるためにやった方がよほど健全です。

僕は酷寒の冬でも構わずラウンドします。寒くてボールは飛ばないし、枯芝からのアプローチは難しく、グリーンも凍って止まらない。やりたくない気持ちもわかりますが、そんな環境でどう対応するかを考えるのもまたゴルフの面白いところ。冬用にちょっと重く軟らかめのシャフトにしたり、冬用ウエアの進化を実感するなど、冬ゴルフを楽しむ方法はたくさんあります。

多くのアマチュアゴルファーはスコア至上主義に走りすぎています。“上手くなる=ベストスコア更新”となりがちですが、それはゴルフの楽しさを狭めることにもなる。ゴルフをやめてしまう人の多くは、スコアが悪くて嫌な思いをした人たちです。

アマチュアの方は平均スコアにこだわりますが、春夏秋冬でコースも条件も違うのに、平均なんて出しても無意味ではないでしょうか。距離が長いコースで100を打ち、短いコースで80台が出たらそれでいい。ゴルフが数字を競うゲームであることは重々承知していますが、数字じゃないところにも楽しみがある。もっと気楽にやればいいし、そうやって楽しみ方がわかれば、寒かろうがなんだろうがラウンドに行きたくなるもんです。

地球温暖化の影響かもしれませんが、今やベストコンディションの時期はどんどん短かくなっています。それに酷暑でプレーすることを考えたら、冬の方が回りやすいくらいです。立春を迎え暦の上では春ですが、いましばらくは寒い日が続きます。でも、3月いっぱいまではプレーフィーがお安いゴルフ場が多いはず。楽しむことだけを考えて、今年は一足早くシーズンインしてみてはいかがでしょうか。


石井良介のゴルフ・すべらない話

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