スコア至上主義がゴルフ上達を妨げる? アマチュアは“気楽に楽しんでいる人”ほど上手くなる
石井良介のゴルフ・すべらない話:第10回
“試打る人”・石井良介。最新クラブを試打し、コメントするカリスマ・試打職人として知られる。だが、石井良介は試打職人である前に、ティーチングプロであり、ゴルフが大好きな一人の人間である。石井良介は、普段どんなことを考えているのか、あんなことやこんなことに対してどう思っているのか。試打記事では見えてこない、石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話」をどうぞ。第10回のテーマは「ゴルフの楽しみ方」です。
写真/ゴルフサプリ編集部
一定レベルになるまではクラブが替わってもスイングは同じと考える
スイングを作る方法や使うクラブはいろいろありますが、僕の場合は割と早い段階でドライバーを打ってもらいます。
例えばビギナーの方にスイングの基礎を身につけていただく時にハーフスイングから入るとしたら、短いピッチングウエッジで10球打ったら、それが上手くいってもいかなくても8番アイアンに持ち替えて、また10球打っていただく。同様にユーティリティ、ドライバーという具合に番手を上げていき、逆の順に打ってPWに戻ったら1セットです。特定のクラブだけ当たるようにするのではなく、一つの動作をいろいろなクラブに対応させていくわけです。
ドリルをやっていただく場合も同じで、どの長さのクラブでもやりたいことができるようにします。というのも、一つのクラブでできるようになるまでやり続けると、別のクラブでも長い時間が必要になるから。前のクラブでできたことが、できなくなることもあって非効率この上ないんです。
何かドリルをやると、必ず生徒さんに「別のクラブでも同じようにするんですか?」と聞かれます。ドライバーとアイアンは、厳密に言えば違う道具です。プロゴルファーの中には、本人が意識しているかは別として、両者で打ち方を変えている人もいます。でも、アマチュアの方に「これからドライバー、FW、UT、ミドルアイアン、ショートアイアン、ウエッジ、打ち方を7つ教えます」とやっても無理。
ですから、なるべくワンパターンな命令で全部のクラブを打てるようにアジャストする。つまり、ドライバーはボールを左寄りに置くとか、アイアンは真ん中寄りにするとか構えを変えます。これはワンパターンのスイングでショットを成立させる工夫です。
グリーン周りのアプローチでやわらかい球を打つなど、特殊なショットは別として、ある一定レベルになるまでは、ドライバーからウエッジまでスイングは同じと考えた方がいいと思います。アイアンみたいにロフトを立てながら打てば、ドライバーはティアップしてボールが左にあるからロフトが立たないだけ、となる。やることはなるべく一つにした方がシンプルですからね。
これができるようになると、スイング中に気を付けるところも一つで十分になってきます。正直、2つのことをいっぺんにはできません。練習ドリルを効果的にするためにも、ひとまずはクラブによって変える必要のないスイングを身につけるべきです。
冬ゴルフの楽しみ方とは?
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