シャフト選びの基本教えます。着目すべきは剛性分布と自分のスイングタイプ【吉本巧のゴルフギア教室】
吉本巧のゴルフギア教室 第1回
毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大失敗! という話もよく耳にする。安い買い物ではないだけに、セレクトミスは絶対避けたいところだ。こんな状況で役に立つのは正しい知識。道具はもちろんゴルフのテクニックについて正しく理解していれば惑わされない。ということで生まれたのがこの企画。ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説する。第1回は試打の動画や記事、データを通したドライバーシャフトの選び方を教えてもらおう。
写真/ゴルフサプリ編集部
試打動画はスイングタイプが近い人でないと参考にならない
みなさんが試打の動画や記事を見る時には、テスターの年齢や体型が自分と似ているかどうか気にすると思います。
確かにそれも大事ですが、一番重要なのはテスターのスイングタイプ。自分に似たスイングをしている人の試打インプレッションなら、ある程度参考にしてもいいですが、スイングタイプが違う人のものは役に立ちません。
スイングタイプは大きく分けると2つ。1つはバックスイングの反動で切り返すタイプ。もう1つはバックスイングしたのち、トップで“間”を作ってから切り返すタイプです。切り返しのタイミングですぐにクラブが加速するか、一間置いてゆっくり加速するか、という見方でもいいでしょう。切り返しからの速さはトップの間で変わるというわけで、プロゴルファーで言えば、前者は石川遼プロやリッキー・ファウラー。後者の代表は松山英樹プロです。
切り返しのタイミングは、クラブを一番感じられる瞬間です。主にシャフトの機能に左右されますが、トップで間を作る人とそうでない人では、同じシャフトでもキックポイントが変わったりします。ですから、なるべくスイングタイプの近い人を参考しないといけないのです。スイングタイプをさらに細分化したとしても、両者の中間か、どちらかに寄ったタイプになるので、試打をしている人のスイングと自分のスイングを比べて、同じタイプかどうか判断しましょう。
また、ユーチューバーやクラブフィッターの方など、クラブを評価する人の多くは「弾き系」と「粘り系」という言い方をしますが、これもシャフトをザックリ分ける目安にはなります。弾き系はヘッド側がしなりやすい先調子、粘り系はグリップ側がしなりやすい元調子のシャフトになります。
シャフト選びで気にするべきデータとは?
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