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ストロングロフトのアイアン。使った方がいい人、使わない方がいい人

吉本巧のゴルフギア教室 第12回

2024/04/27 ゴルフサプリ編集部

毎年たくさんの新しいギアがデビューするゴルフマーケットで自分に合った一品を選ぶのは至難の業。噂に流され手を出したら大失敗! という話もよく耳にする。安い買い物ではないだけに、セレクトミスは絶対避けたいところだ。こんな状況で役に立つのは正しい知識。道具はもちろんゴルフのテクニックについて正しく理解していれば惑わされない。ということで生まれた、ゴルフのメカニズムに精通したコーチ・吉本巧がギア目線から森羅万象を解説するこの企画。今回は導入を迷っている人が多いストロングロフトのアイアンについて考えます。
写真/ゴルフサプリ編集部

ウエッジの構成と飛びすぎ問題のクリアが導入の大前提

のっけから私の勝手な想像で恐縮ですが、ストロングロフトは見栄っ張りさんのアイアンかな、なんて思っています。例えばパー3でライバルに「お前7番!?オレ9番!」みたいに、ドヤ顔するためのアイテムだったりする。なんせ今のストロングロフトはノーマルロフトに比べて2番手ぶんくらいロフトが立っていますからね。

その点、海外では日本ほどストロングロフトがなく、アイアンについては王道が好きなようです。日本人ゴルファーの方がミーハーなのかもしれません。とはいえ、ストロングロフトを否定する気は全くありません。ただ、導入するにあたって気をつけなければいけないことがいくつかありますので、まずはそこから。

一つは前後のクラブ構成です。上の番手については、ストロングロフトの一番長い番手で何ヤード飛ぶかを正確に把握できていれば問題ありません。ユーティリティやショートウッドのバリエーションでいくらでも対応できるからです。問題はウエッジで、例えばストロングロフトで一番下の番手がノーマルロフトより2番手ぶん立つと、ピッチングウエッジ(以下PW)のロフトは通常の8番アイアン相当のロフトになります。そうなるとアプローチウエッジや10番、11番アイアンなどを入れてロフトの空白を埋めなければなりませんが、それらにしてもロフトが44度程度はありますから、ウエッジを4本も5本も入れなければなりません。

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もう一つは飛びすぎること。常時90台で回れるゴルファーは、ある程度ショットが打てる人ですが、そのレベルの人だと飛ぶ時と飛ばない時で10ヤード以上も差が出たりします。常時80台を目指すとなるともっと大変。ストロングロフトの長い番手はロフトの刻み方が等しくないからです。例えば5番で21度、6番が23度、7番が26度といったように等間隔でない。そうなると飛距離が10ヤード刻みになりません。特に上手くなって飛ぶようになってきた人が使うと、7番で150ヤード、6番で165ヤード、5番で185ヤードとかになってギャップが広がってしまうのです。タテ距離を安定させたい観点からすると、使い続けるのは難しいと思います。

私の考え方では、200ヤード以内については10ヤード刻みで打てる番手構成にしておきたい。100ヤード以内はフルスイングしないとするなら、200~100ヤードはフルスイングで10ヤードごとに刻めるようにする。180ヤード以下をアイアンで賄うとしたら、その間を10ヤード刻みでガチガチに固めるのが上手くなる人の発想なんです。もちろん同一の番手で距離を打ち分けてもいいですが、アマチュアの方には難しいので、クラブに頼れるものなら頼りたいのです。

ストロングロフトアイアン、使ったほうがいい人はどんな人?

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