長尺ドライバーにしたら飛距離が伸びた!は誰にでも当てはまるわけではない?
ゴルフライターT島が切り込む!フィッティングショップだから分かるゴルフギア最新事情/第141回
ゴルフ雑誌やゴルフ関連ウェブメディアの記事タイトルに踊る“キャッチーなフレーズ”。スコアアップしたい、飛距離を伸ばしたいといった欲望を抱えるゴルファーにとって魅力的なタイトル。その中身、読む人が読めば“毒”になってしまうものもある。ゴルフライターのT島氏が大蔵ゴルフスタジオの代表でフィッターの市川氏と語り合います。
スイング改造するにあたって、マイクラブをスペックダウンしちゃっていいの?
T島 私、広島の中古ショップのレプトンゴルフのYoutube動画に出てるんです(前回も言ったけど)。先日、その撮影に行ったら、大蔵ゴルフスタジオの“ダイナマンのスコアアップ企画おもしろいです“って言われたよ。
市川 うれしいですね。ダイナマンも喜びます。
T島 そろそろ市川代表に代わってダイナマンをレギュラーにしてもいいかもね。
市川 そんなぁ……(悲)
T島 とまあ、その話は置いといて。今日は、そのダイナマンのスコアアップ企画の中で気になる内容がありました。それは何でしょう!
市川 ズバリ当てっちゃって良いですか?
T島 ほぉ、自信たっぷりですね!
市川 スイング改造のため、コーチに習う前提でやや軽めのアイアンシャフトにしたってところでしょう?
T島 ……当たりです。
市川 トゥルーテンパーのダイナミックゴールドX100から、三菱ケミカルのOTツアー100のSにスペックダウンしています。
T島 こういう企画の時に、気をつけてほしいのは。わかりやすいキーワードを作られることなんですよ。“スイング改造する時にはスペックダウンしよう“的なヤツですね。メディアさんが大好きなやつです。
市川 T島さんが影で文句言ってる、“キーワード詐欺”に合いやすい。
T島 その企画での変更ポイントで大切なのは対象者の特性! ダイナマンが野球やってたアスリートで、思い切り振るのはいつでも振れる。そして合わせることも得意な運動神経良いタイプという点ですね。
市川 そうなんです。だから無邪気に振りちぎったり、余計な操作したら即死するようなセッティングにしているんですよ。
T島 即死って(笑)そう言えばスイング指導している伊東大祐コーチも、ダイナマンって煩悩が爆発する一瞬があるって言ってました。
市川 そうなんです。かなり仕上がってきたんですけどね。まだ昔のクセが顔を出す瞬間があります。
T島 基本、彼のスイングと相性が良いシャフト。少しアンダースペックにすることで、野生が爆発したら高圧電流が流れるみたいな。
市川 猛獣みたいに言わないで下さい(笑)ほんとこれはキーワードにしてもらったら困るんですけど、ちゃんとしたコーチが居て、かなり上を目指すための成長期用セッティングなんです。
T島 そうだね振りたくても振れない人にやったら害になる。
市川 T島さんみたいな人にはダメですね。
T島 メディアさんに言いたいのは、キャッチーなキーワードによる“キーワード詐欺“の被害者を減らして欲しいわけですよ!
市川 と言いながら、T島さんキーワード作るの意外と上手い。“純正シャフトガチャ”とか…
T島 意外とか言うな(汗)まあそう!ですから俺も共犯です。
初心者必見!【ゴルフクラブ、オススメの揃え方】いまからクラブを買う人はコレ読んで!
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスを贈る新連載。ゴルフクラブを買う際に...
長尺で飛ばす!に騙されてはいけないよ
市川 中でも危険なのが“長尺で飛ばす”ですね。
T島 フィッター市川は“意外と短め推します”よね。
市川 意外とって……
T島 長尺で飛ばない人って、意外と多いってのも書いたね。
市川 そうなんですよね。我々フィッティングしていても軽くして長くしても飛ばないことが少なくないです。
T島 うーん、少なくないというかあまりいないというか。飛ぶようになるのはゴルファーの10%だって、大手シャフトメーカーのフィッターが教えてくれました。
市川 そうですね。逆に短くすると飛ぶ人のほうが多いかも?
T島 そもそも何インチから何インチってのが大切なんですよ。でないと“キーワード詐欺”となります。
市川 例えばシニア用のドライバーは純正シャフトで、45.75インチとか最近は少なくなりましたが46インチというものがほとんどだったわけですが、45インチや、44.75インチにした場合、結果が良いことが少なくありません。
T島 話題の10K。テーラーメイドQi10 MAXは、今までよりも少し短くしています。ピンの10Kは変わらずですけどね。
市川 前作の同カテゴリーと比べて少し短いですよね。
T島 “短尺で飛ばせ”というキーワードでも無いですから!念の為
市川 飛ばなくなったという方には44インチ台、例えば、44インチや44.5インチにすると飛距離がアップしたりとかありますね。
T島 短尺ドライバー用のシャフトもありますが?
市川 特に専用でなくて良いんですよ。T島さんみたいに60歳を過ぎて飛距離が落ちちゃったと嘆いている方なんかは、シャフト重量を少し重くして43.5インチにしちゃうとか。これは勧められたことがあるよ。
市川 短いと言っても、46インチから45インチじゃまだまだ長いんです。44インチを切ると振りやすくなった!と驚く方が意外といます。飛距離も落ちないよね?
市川 そうですね、奇跡の一発は出なくなりますが、飛距離が落ちたって人が意外といない。
T島 “短尺で飛ばせ?“
市川 すごく大切なことなんで、ハッキリ言います。“キーワード詐欺”の被害似合っている方にフィッティングを受けて欲しいのです。
T島 “10Kが飛ぶ“とか
市川 こらこら!そんなこと言ってないですよ。
T島 まあダイナマンみたいな環境と身体能力があるからスペックダウンするし、T島には、もうちょっと頑張りましょう!と重め硬めを勧めるし。要はゴルファーをしっかり分析したうえでフィッティングしている!ってことね。
市川 そうですね。T島さんの好きなPDCAですね。上達するため、問題を解決するためのプランを作るための、リサーチを徹底的にすることで、各々ゴルファーに効果的なクラブを提案するわけです。
T島 キーワードってのは効果があるからキーワードになるんだけど、誰にでも効くわけじゃない。全てのゴルファーに効くキーワードなんて無い。勝手に自分にコレが効くって思ってしまうから“キーワード詐欺”が生まれます。
市川 そうですね、上達のヒントみたいなのは、ホントに効くなら、害になる人も居るということです。
T島 そうですね。お客様にとって抵抗があることがあるかもしれませんが、我々はパターンに嵌めて答えたりできないんです。オンラインフィッティングを考えたことがあるんですけど、やっぱり難しいのはゴルファーそれぞれの現状が同じように見えて全然違うからね。
T島そうだね。ということで、信じて良いキーワードを教えましょう。“フィッティングで上達する”
市川 おお良いですね!これは信じていいです。ちゃんとしたとこでフィッティングして下さい。我々も期待を裏切らないように頑張ります。
文・T島
T島氏のプロフィール
ゴルフ関連のライター、動画撮影編集、ブロガー、フォトグラファー、YouTuber的な(笑)、いろいろやってます。ゴルフ、クルマ、カメラ、音楽、映画、ガジェット、が好きです。以前は、店舗の運営、出店、立て直しを25年やってましたが、何故かこんな仕事をしています。
大蔵ゴルフスタジオ
上記動画はT島氏が特派員ブログを勤めている東京都世田谷にあります大蔵ゴルフスタジオの説明。大蔵ゴルフスタジオ世田谷のクラブフィッティングの流れを説明しています。
取材協力/大蔵ゴルフスタジオ世田谷
住所:〒156-0053 東京都世田谷区桜3-24-1 オークラランドゴルフ練習場内
営業時間:11:00〜19:00
定休日:毎週月曜日
TEL:03-6413-9272
https://www.ogs-p.jp/
ゴルフ初心者のクラブセッティングは最初が肝心!適当に選ぶと、上達が大幅に遅れるので要注意
初めて買うゴルフクラブに何を選ぶか? これ実はとっても大事なことだって知っていましたか?ゴルフライターのT島氏が大蔵ゴ...
初心者必見!【ゴルフクラブ、オススメの揃え方】いまからクラブを買う人はコレ読んで!
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスを贈る新連載。ゴルフクラブを買う際に...
「残り150ヤード=7番アイアン」はNG!番手ごとの平均キャリー&トータル飛距離を知ることがスコアを変える
クラブの各番手の飛距離を把握していないと、ラウンド中に適切なクラブ選択ができません。まずは、各番手の平均キャリーと平...