40歳から飛ばなくなってくる? 飛距離ダウンを防ぐ年代別ゴルフクラブの考え方
【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】
クラブ選びのスペシャリスト・ダグ三瓶(みかめ)がアマチュアゴルファーへアドバイスをおくるコーナー。ゴルフクラブを買う際に必要な「正しい知識」を教えてくれる! 今回からは新章、年齢別のクラブ選び!
昨今のゴルフクラブの進化は、アンチエイジングとも言えるかもしれません。加齢による飛距離ダウンをいかに抑えるのか、これが大きな課題ともいえるでしょう。
シャフトは極限まで軽くなり、ドライバーの総重量は300gでは重いと言われる時代になりました。これは、軽くすることで、力がなくなってきてもヘッドスピードを落とさないというのが一番の狙いでしょう。
このクラブの軽量化は、今にして始まったことではなく、ゴルフクラブの歴史を振り返ってみると同じ事が何度か起こっています。
例えば、ヒッコリーからスチールシャフトへの変化では劇的に重量が軽くなったと言われています。同様に、1980年代ころからのカーボンシャフトの台頭で、クラブの軽量化には拍車がかかりました。これらは、ゴルファーのあくなき飛距離への追求と、また同時に加齢とともに進む飛距離減への対策だったと考えられます。
目まぐるしく変化しているゴルフクラブは、種類の面でも多様化がかなり進んでいます。
上述した軽量化の波により、シャフト重量だけでも、30g台から130g台まで選べる時代です。その数あるクラブの中から適切にクラブを選ぶ基準として、ご自身の体力を考えていきたいです。力のあるなしは人によりますし、加齢による体力ダウンも人それぞれですが、年齢とともに老化することは避けられません。
そこで、今回から、数回に渡り、その加齢による老化対策として、ゴルフクラブをどのように考えて行ったらよいのかをご提案してきたいと思っています。
体が硬くなってくる40代からクラブを見直す
まずは40代前半から始めていきましょう。おそらく、一番体力的な差が出やすい時期かもしれません。とはいえ、学生時代に体育会などで培った筋力を維持するのが難しくなってくる年代とも思いますし、何より、体の柔軟性の変化が顕著に表れてくるころだと思います。
そうなんです! この体が硬くなってくることが、クラブ選びに大きく影響しますので、まずはそこからお話することにしましょう!
体の「硬化」がスイングに与える影響
加齢により力が落ちることよりも、体が硬くなって回らなくなってくることの方がゴルフには影響します。簡単に言えば、体が回らなければ、バックスイングを大きく取ることも難しくなりますよね? 昔、20代のころはオーバースイングくらい体が回ったのに、40代になるとオーバースイングが収まって、ちょうどよいトップの大きさになる、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?
特に日本人は、体型的に、この40代少し前くらいからの体の硬化による変化が大きいと言われています。欧米人はもともとの柔軟性が高く、かつ手足が長いので、40代くらいではまだ硬化が始まっていない人も多いようです。(欧米人に肩こりがないとか!)
体が硬くなると動きに制限が出ます。体の動き=スイングでもありますから、スイングも変わってしまう可能性がありますよね?
「力」の発生源とスイングへの影響
また、「力」のお話もしておきましょう。
みなさんは、クラブを振る際に腕の力だけで振っていますか? ご存じのようにゴルフスイングも全身運動です。腕の力だけではなかなかあそこまでのスピードは出ないです。そして、その腕の力は、鍛えていないと加齢とともにどんどん落ちてしまいます。
ところが、体幹部分はどうでしょう?これは普段鍛えなくても、歩くだけでも、生活するだけでも常に使っている筋肉ですので、加齢によって極端に力が落ちることは考えにくいでしょう。
つまり何が申し上げたいかというと、年をとればとるほど腕の筋力は落ちていきます、でも体幹は維持されていますので、腕の力に頼らず体を大きく使えるような、そんなスイングを目指してみてはいかがでしょうか?
そして、そのスイングがやりやすいクラブを見つけましょう! というお話になっていきます。
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