フェースコントロールにヒザのスライドは不要
スライスやフックの曲げ球と、本物のフェードとドローは本質的に異なる
フックを防ぐメソッドを探し求めたのはホーガンだけではない、と森プロ。
「ヘッドを効率よく振り回せる、リリースを促せるようになると、クラブは構造上、重心アングルが機能してつかまるようになり、自然とフックが出るようになります。その曲がり幅を抑えるために、様々なスイングメソッドが生まれてきたわけです」
約半世紀前に流行したスクエアメソッド、いわゆる〝アメリカ打法〟では、スクエアグリップとニーアクションによるスライド動作でフェースターンを抑えていた。
「器用な手の操作性を抑えて、安定感が増しそうでしたが、腰や背中の故障を誘発しやすく、またスピンコントロールも難しい面がありました。そのため1990年代はニック・ファルドを筆頭にデビッド・レッドベターらが提唱した、ホーガン流に近いボディターン主体のメソッドに移行しました」
切り返しで手元は自然に下がるのがホーガン流
右肩より下を通る軌道を心がける
手首の角度を決める
右手の軽いスナップでフェース向きを合わせる
ヘッドにスピードを乗せるコツ
ヒジでテコを働かせつつ右手首の角度をキープ
おとなしい右手スナップは左ヒジが演出
ボディターン主体にスイング改造したファルドは、ダイナミックな動きがなくなり、全番手コントロールショットのように見えたが、ロングアイアンを打ちこなすパワーは健在だった。
「ホーガン同様、スイングがコンパクトになっても効率の良いヘッドスピードの出し方を実行していたからです。ポイントは、ファルド自身が〝パワーウィップ〟と呼んだ腕の使い方です」
具体的には、インパクトエリアで左ヒジを引き付けてたたむ動きだが、ホーガン流のたぐり動作をグリップではなく左ヒジで行うイメージ、と森プロ。
「これで十分にヘッドにスピードが乗るので、右手首のスナップ動作はアドレス時の角度に戻す感覚でOK。右手のヒラで打面をポンと合わせる余裕ができます。フェースターンを抑えるのではなく、必要十分な動きのイメージになり、操作性が高まります」
Ben Hogan
ベン・ホーガン(1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173cm、体重68kg。ツアー通算64勝。メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。
ホーガンアナリスト 森 守洋
ベン・ホーガン(1912~1997)を手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。




