ウェッジのバウンス角とロフト角には相性の良し悪しがあるって知ってた?
吉本巧のゴルフギア教室 第21回
今回のテーマはバウンス角。バウンス角がどんな働きをしているかを改めて確認してもらうとともに、相性の良いロフトについても詳しく解説します!
写真/ゴルフサプリ編集部
バウンスはボールをクリーンに打たないためにある
今回のテーマはウェッジのバウンス角です。ウェッジを選ぶ場合、ロフト角を目安にする人が多いと思いますが、打ちやすさや、思い通りの球が打てるかはバウンス角によっても変わります。ただ、打ちやすいか否かは主観的な判断になるので、ここでは物理的に「いかにボールをクリーンに打てないか」という観点からバウンス角を見ていきます。今使っているウェッジのバウンス角を確認し、内容と対比させながら読んでいただければと思います。
バウンスとはウェッジのソール部分にある出っ張りのことで、出っ張りが大きいほどバウンス角は大きくなります。バウンスが多くなるに従ってインパクトでクリーンにボールを打てなくなりますが、代わりに2つの効果が見込めます。1つはヘッドをボールの下に潜らせやすくなること。もう1つはヘッドが地面を滑りやすくなることです。
2つの相乗効果により、誰でもフワッと上がるボールが打てます。グリーン周りのラフやバンカーから、近めのピンに向かってフワッとしたボールを打ちたい時などは、バウンスがあることでスムーズに対応できるようになります。ハナからボールを直接打たないバンカーショットは、バウンスが多いほどやさしくなる。バウンスが大きなウェッジほどクリーンにボールを打ちにくい、と言いましたが、そもそもクリーンに打たないためにあるのがバンスなのです。
ウェッジのバウンス角は、8度、10度、12度、14度の4種類が一般的です。ちなみに、アイアンセットに含まれてセット販売されているアプローチウェッジ(以下AW)やサンドウェッジ(以下SW)では、バンスが少なめに設定されています。なぜならフルスイングして直接ボールを打つことを想定して作られているから。ロフトは多めでもバウンスは少なめですから、アイアンセットに組み込まれているウェッジだとフワッと上がるボールは打ちにくいといえます。
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一方、セット売りでない単品のウェッジは、基本的にはロフト角別に売られています。ロフト角は偶数で2度刻み、モデルも本数もたくさんあります。こちらはバンス角が多めの設定です。ロフトが同じでも、アイアンセットに入っているウェッジと単品のウェッジでは、後者の方がバウンスが多いのです。もちろんSWも同じです。
上達していく過程では、誰しもフワッとしたボールを打つ必要が出てきますが、そんなケースでは、セットに入ったウェッジのままだと役不足になる可能性が大きい。100切りが目標なら問題はありませんが、90台以下を目指すなら単品ウェッジから選ぶべきです。バンカーやラフからグリーンに乗せるのはもちろん、コントロールショットも打てるようになります。ピッチングウェッジ(以下PW)より下のウェッジは、自分で選ぶということですね。
さて、そこで重要になるのがバウンス角です。ここからはバウンス角ごとに、
1 バウンスの度合い
2 ボールをクリーンに打てるか
3 使える状況
4 相性がいいロフト角
の4ポイントを見ていきます。
気になる4ポイントは次のページで解説
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