ドライバー、100%の力で振っていますか? 振らない人はアイアンの飛距離がどんどん落ちていく
石井良介のゴルフ・すべらない話:第32回
石井良介の一面を一人語りという形でお届けする連載企画「石井良介のゴルフ・すべらない話 。今回は、タイミングよく当てること、振りちぎらないで当てること…それらは本当の意味で技術が向上していることではなかった!ということに気づいたお話です。
写真/ゴルフサプリ編集部
アイアンが飛ばないのはドライバーで振れていなかったから
前回は、ドライバーを”短かく、重く、硬く”したら、”長く、軽く、軟らかい”ドライバーより安定して飛ぶことがわかった、という内容でした。それだけにとどまらず、僕にとっていいことがたくさん見つかった、というところで話が途切れていましたので、今回はそれについてお話ししていきます。
ゴルフクラブのように先端が重いもので何かを打つ場合、長く軽く軟らかい棒と、短く重く硬い棒とでは、どちらが当てやすいか? ゴルフをやらない人なら明らかに後者です。でも、ゴルファーは練習してある程度器用さを身につけているので、前者でも打てるようになっている、という話を前回しましたが、実はここには、ゴルファーにとってとても重要な事実が隠されています。
長くて軽くて軟らかいものを振る場合、人はタイミングを合わせます。その証拠に、多くのゴルファーは、マン振りすると打球が曲がることを知っています。振り回すとどこに飛ぶかわからないから、タイミングを合わせてコントロールするわけです。でも、今のゴルファーはそれが行き過ぎていて、ドライバーは“そう振るもの”だと思い込んでいるフシがあります。振ったらどこかに行ってしまう。だから思いきり振れないものだと決めつけている。僕もそうでした。
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ドライバーでこういうスイングをしていると、アイアンもそのように打ちはじめます。下のクラブにも全部“合わせ”が入るようになるんです。僕は仕事柄、たくさんのアマチュアの方にスイングを見ていただく機会がありますが、幸いなことにスイングがきれいとか、力感がなくていいとか、目一杯振っているように見えないとか言われます。でも、僕的には結構目一杯振っている。一生懸命全力で振っているけれど、見ている方にはそう映らないようなのです。
もちろん悪いことではありません。でも、素直には喜べなかった。僕にはアイアンできちんと距離が出ないコンプレックスがあるからです。ドライバーの飛距離が同じくらいの仲間とゴルフをしても、僕だけアイアンが1~半番手飛びません。だから飛び系アイアンを好んで、ずっと使っていたのです。飛ばないなら道具で補えばいいという発想で、実際機能していましたが、飛び系アイアンだとボールが止まらないグリーンも結構あり、やはり普通のアイアンできちんと飛ばせる技量が必要だと、どこかでずっと思い続けていました。しかし、そのピースはなかなか埋められず、つき詰めている時間もなくなって棚上げになっていました。
うまく当てることは「技術の向上」じゃない!?
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