飛ぶだけではダメ! クラブに求められることとは? ラウンドを思い浮かべると見えてくる!(その3)
コースで役に立つクラブの考え方【ダグ三瓶・クラブ選びの超知識】

スコアアップするにはどういったクラブ選びをするか?カテゴリーごとに考えるとクラブに必要なことがわかってくる。ドライバーに求められることの完結編!
前回はラウンドするうえで曲がることを頭においてドライバーに求められることを話させて頂きました。

飛ぶだけではダメ! クラブに求められることとは? ラウンドを思い浮かべると見えてくる!(その2)
スコアアップするにはどういったクラブ選びをするか?カテゴリーごとに考えるとクラブに必要なことがわかってくる。

クラブに求められることとは? ラウンドを思い浮かべると見えてくる!
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横に回転するスピンは存在しない……
では、どの程度の、いわゆるサイドスピンが打てるとよいのか?もしくは許容されるのか? というお話をさせて下さい。
まず初めに、サイドスピンというと、真横の回転と考えてしまいがちですが、実は飛んでいくボールは、いわゆるバックスピン(逆回転)しかかかっていません。
そのバックスピンの軸がが少し傾くと、ボールが曲がっていくという仕組みです。
それをわかりやすくするために、計算式で、スピンの縦成分と横成分に分けて表記したもののうち、横成分をサイドスピンと呼んでいるわけです。
なので、サイドスピンの見方というのは、スピンの絶対的な数値よりも、バックスピンとの割合で見ていただけるとよいと思います。
傾きなので、全く傾いていないとすると、バックスピン対サイドスピンは10:0になりますよね?
反対に、90度傾いているとすると、バックスピン対サイドスピンは逆に0:10になることがわかるでしょう。
だいたい、この関係性が10:1くらいだと、フェードやドローに見えることが多いです。
それ以上だと、フックやスライスと考えてください。
つまり、ドライバーショットのバックスピンが3000rpm とするとサイドスピンが300rpmくらいでフェード、ドローと言えます。サイドスピンが600、700rpmとなってくると、かなり大きな曲がりと考えていただいても良いでしょう。
例えば、これがアイアンの場合、7、8番アイアンでバックスピン量が5000~6000rpmくらいに増えますので、600、700rpmくらいでは、それほど大きな曲がりにはなりません。
ウェッジなどは多い人では10000を超える方もいらっしゃるので、そういった方のサイドスピンを見たら1000rpmを越えてきますが、そんなに球は曲がりません。
もし、ドライバーで1000rpm以上もかかってしまったら、それは、左ならほぼチーピン、右ならドスライスとなります。(右打ちの場合)
なので、サイドスピンはバックスピンとの割合で考えてみていただけると嬉しいです。
数値はあくまでも数値なので、確認のためにしかなりませんが、屋内のシミュレーションなどで、球筋のイメージがしにくい場合には、このサイドスピンの割合で見てみてください。それによって、自身がどの程度曲がっているのか、また、曲げに行ったときにはどのくらい曲がっていくのかを覚えていくとよいでしょう。

よくあるお話で、サイドスピンは限りになくゼロに近い方が良いと考えている場合があります。もちろん目指す数値としては、否定をしません。
ですが、上述しましたように、真っすぐの球筋は直線的に攻めることができる一方で、3次元的に攻めることが難しくなります。
また、まっすぐの球=サイドスピン量がゼロを目指すと、±どちらの方向にもサイドスピンが発生しやすく、まっすぐに狙ったのに、少しでもサイドスピンが発生すると自身の意図しない球で曲がってしまうという確率も高くなります。
そうなると、最初から、どちらかに曲がる=サイドスピンの±が一定の方が、安定しやすいですし、どちらかに曲げていく=サイドスピンの±を決め打ちしていく方が、コースで攻めやすい球筋となることをご理解いただけると嬉しいです。
ということで、ドライバーの数値目標は
第1に打ち出しの左右方向を安定させる⇒自身が思った方向(左右)に打ち出す
第2に打ち出しの角度(高さ)をコントロールする(ティアップの高さでも良い)
最後に、サイドスピンの±を安定させる、もしくは狙って、それを変えていく=逆球が出ないようにする。
そして、これらをもちろん技術的な要素も大きいですが、やりやすいクラブを選ぶということになってきます。
自ずと見えてくると思うのですが、これのためには、コントロールしやすい、長さがあることに気づかれる方も多いと思います。
長いクラブは、クラブ自体のコントロールが難しいですから、インパクトの条件を変えるのは困難です。おそらく、ティアップの高さを少し変えただけでも打てなくなることもあると思います。
また、ロフト角度もご自身が最大に飛ぶロフトより少し寝ている方が良いでしょう。
例えば、最大限に飛ぶクラブはロフト9度くらいの方は、10度くらいを使う、などです。
シャフトは、もちろん、しなり方が合っているシャフト=タイミングが取りやすいシャフトとなり、それによって、インパクトがコントロールしやすくなります。
なので、まずは、合っているシャフトが最低条件となります。
以上となります。
なかなか、ご自身でこの辺りまで判断や選別することは難しいでしょう。
これには、やはり自分のクセを見つけることが重要になってきます。
レッスンプロの方や、フィッター、クラフトマンの方にしっかりと相談に乗ってもらい、コースで役に立つクラブをそろえてもらえると嬉しいです。
初心者の方は、ここまでの条件になかなか当てはまらないかもしれませんが、ここを目指してゴルフを始める、もしくは上達していくことで、よりゴルフを深く楽しめると考えています。
次週以降は、アイアンや、ウェッジなど、他のクラブの数的なお話をさせていただきたいと思いっています。。

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。