「ツアーAD GC」今まで届かなかったところまで飛んでいた!野村タケオがコースで試打
野村タケオのゴルフ実験室

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。グラファイトデザインから新しいシャフト「ツアー AD GC」が発売となりました。白いデザインがなんともカッコいいこのシャフト、すでに石川遼プロが使っていて、使い始めの試合で2位、そして次の試合で優勝という発売前から大きな話題となっていました。クセのないしなりながら飛距離が伸びたというプロも多く、これはとても気になるシャフトです。さっそく自分のヘッドに挿れてラウンドしたのでレポートします!
〈取材・文・写真提供 ゴルフバカイラストレーター 野村タケオ〉
ツアーAD GCってどんなシャフト?
新製品「ツアーAD GC」はゴルファーのスイングの変化やフィジカルの進化に対応させるべく、新たなテクノロジーを導入した、新時代のニュートラルシャフトということです。スイング時に発生するシャフトのねじれとつぶれを抑え、高いミート率とボールスピードで安定した大きな飛びへと導くとのこと。ちなみに「GC」というのは「GAME CHANGER(ゲームチェンジャー)」という意味らしいです。

シャフトというのは芯金というベースのカーボンを巻いて作るのですが、「GC」ではその芯金の先端部を形状を従来よりも太くし円環剛性を向上。これにより従来のカーボン繊維量でも高い剛性感となり、変形を抑えることが可能になったそうです。また、スイング中のシャフトのつぶれを抑えるため、周方向のフープ層にカーボン繊維を配置。先端剛性を高めることで手元側との剛性差をなくし一体感を持たせ、全体的なバランスを向上させているそうです。この2つの要素が合わさり、シャフト全体の剛性、振動数が向上しているのだとか。

今までで一番ど真ん中の中調子!
「GC」は特性的には「ど真ん中」のシャフトだといいます。「ど真ん中」というのはグラファイトデザインのポジショニングマップのど真ん中ということ。つまり、弾道は高弾道と低弾道の真ん中。そして球筋もドローとフェードの真ん中ということです。今までもグラファイトデザインでは「PT」や「TP」、「IZ」などの真ん中に近い扱いやすいシャフトをリリースしていますが、その中でも今回の「GC」が一番真ん中になるということです。

白ベースのデザインがなんともカッコいい!
シャフトのカラーは今回は白!そして「ツアーAD」お決まりの手元側のシマシマ部分がゴールドとなっています。この組み合わせが高級感もあり、なんとも言えずいい感じです。個人的には「ツアーAD」史上トップクラスにカッコいいと思います。このシャフトを試打した松山英樹プロは「白いと速く振れそう」と言っていたそうで、確かに黒っぽい色のシャフトよりは軽く感じるというか、シャープに振れる感じがしますね。

しなやかなしっかり感でシャープに振れてねじれない。
早速自分のドライバーに「GC」を挿してコースで打ってみました。僕が使ったのは55gの5Sで、トルク4.5の中調子ということになっています。ヘッドはタイトリストのGT4。45.25インチで組んで、総重量が310g、バランスD1.5、振動数は260cpmでした。
まず振ってみた感じですが、けっこう全体的にしっかり感があります。ピンピンしてはいないですが、弾性の高さを感じます。
ボールを打ってみると手元側はけっこう硬いのですが、ガチッと硬いのではなく、弾力性がありながらもしっかりしている感じ。そしてその先から中間部がグーッとしなります。そのしなりはクイッという感覚ではなく、少し大きな範囲がしなる感じでしょうか。先端部分はかなりしっかりしていて、あまり動く感じはしません。

切り返しのときにはあまり手元側のしなりをかんじないのですが、ガチガチではないのでタイミングが取りにくいということはないです。つねにどこにヘッドがあるのかがわかりやすく、とてもシャープに振り切れる感じがしました。
インパクトでは当たり負けする感じがなく、しっかりとボールを弾いてくれる感じです。シャフトがねじれる感じがないので、フェースの向きも安定するし、ミスヒットしてもブレにくい。シャフトが走るという感覚はあまりないのですが、インパクトではしっかりとヘッドが戻ってきます。振り遅れるということがないですね。

初速が出て飛距離が伸びました!
球筋的には本当にニュートラルというか、振ったなりに飛んでくれるという感じ。先端はしっかりしているので、左に巻くような球は出ません。弾道は中高弾道ですが、弾道の高低も打ち分けはやりやすい。初速が少し速い感じで、球は前に行く強めの球になりやすいです。スピン量も少なめなので、ランも含めた飛距離は出ますね。ホームコースで試打したのですが、いままであまり行かなかったところまで飛んでいたのが何度かありました。シャフトの弾きの強さもあるでしょうが、振りやすさも要因のひとつだと思います。また、少し開いて当たったり、トウ側でインパクトしてしまうミスがあっても、意外と飛距離が落ちていなかったことに少し驚きました。1発の飛びもありながら、平均飛距離も伸びるかも。
いつも行く室内練習場でも打ってみたのですが、やはりいつもよりも少しだけヘッドスピードも上がり、初速が速かったです。ボール初速が62.3出たのですが、この計測器でなかなか出ない数字でした。

多くの人に合いそうな飛距離の出るシャフトでした!
「ツアーAD GC」をコースで試打してみましたが、少ししっかり目のシャフトながら、しなりは意外としなやかでオーソドックスな中調子シャフトという感じです。シャープに振りやすく、飛距離性能も高いです。ヘッドスピードと初速が少し上がる感じ。ドローヒッターもフェードヒッターも使いやすそう。ねじれが少ないので、最近の高慣性モーメントヘッドにも良さそうですね。いろんなゴルファーが使いやすく、飛距離が伸びやすいシャフトだと思いました。これはツアーADシリーズの中でも、新しいスタンダードシャフトとなりそうな予感がします。ぜひ皆さんも一度試打してみてください。

ゴルフバカイラストレーター、野村タケオ。
京都府出身。様々なゴルフ雑誌やウェブサイト等にイラストやイラストコラムを寄稿。
毎週水曜の22時からYouTubeライブで生放送「野村タケオゴルフバカTV!」を放送中。

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