4本のクラブでパープレー!?ラウンド時間は45分! スピードゴルフ世界選手権、見たらゴルフ観が変わるかも…!?
ゴルフという名の違う競技「スピードゴルフ」。世界選手権を観戦したゴルフサプリ編集部員が衝撃を受けたこととは?
スピードゴルフという競技をご存じだろうか? 成績はスコアとラウンド時間の合計で競うスポーツ。例えばスコアが72で1時間半(90分)かかってラウンドしたなら72+90=162がスピードゴルフスコア(SGS)となり、より小さいスコアを出したほうが勝ちとなる。ルールはゴルフに準じており、違うことと言えば、使えるクラブの本数の上限が7本ということくらいだ。
初めて目にするスピードゴルフ。ティーングエリアには音楽が鳴り響き、選手紹介がされる。スタート時刻のカウントダウンが始まり「ファイブ、フォー、スリー、ツー、ワン」スタート~!!
スタートの合図とともに放たれたボールを追って、プレーヤーがボールの位置目掛けて走り出す。マラソンランナーと変わらないくらいのスピードか、体が言うことを聞かないオジサンシニアゴルファーの私的目線で見るなら、ハッキリ言って全力疾走に近い……。
プレーヤーの判断は早く、ボールの場所に着くや否や次打を打つ。そしてまた走る。そこにはピンにレーザーを当てて計測器で測る姿も、番手選択で迷う姿もない。
ボールを打つとボールのもとへ走り打つ。スピードを競っているにも関わらず、バンカーに入ったらきちんとバンカーをならし、グリーン上についたピッチマークも直す。感心するほど”ゴルファー”なのだ。
グリーンでは時間のロスを防ぐため、クラブを抱えたままパッティングする選手が多く、片手でパッティングする選手もいる。パターを使わない選手だっている。
それでもトップの選手は70台でラウンドしてくる。タイムは44分!? 1ラウンドでこのプレー時間。もう、驚きでしかない。
18ホール、選手に密着してみた!
打っては走る、打っては走る。
ニュージーランドのエイミー・リントン選手に18ホール密着してみた。
ティショットしてはランニング、ボールの場所に行くと呼吸を整えてすぐショット。ランニングのペースは落ちないのは当然だが、とにかくゴルフが上手い! 2オン2パット、3オン1パット……、淡々とホール数をこなしていく。
パーを取れたときはガッツポーズ。
一緒について気づいたのは、いつものゴルフとは違って敵はコースだけでないということ。そう、ホール間のインターバルも走らなければならないのだ。ラウンド中を思い出して欲しい。ホール間を移動するとき、道が険しいからカートに乗るのだ。スピードゴルフはそこも走らなければならない、急な坂道だろうが走る。外国人選手ならでは、「ウォー!」と叫びながら坂をクリアしていく。カートで並走するコチラに「大丈夫!」とグッドサインを出し、そして動きを休めることなく、呼吸を整えてティショット。すっかり彼女のファンになってしまった。スコアは41・38の79、ランは61分26秒のタイムだった。
過酷な競技後、笑顔で答えてくれたリントン選手。
ホールアウト後、話を聞いてみた。弟がニュージーランドで有名なロバート・スミス選手、その影響で始めたという。
「2年前に始めました。小さい子供がいるので普通のゴルフは時間がかかりすぎてってできない、でもゴルフが好きでプレーしたい。そこでスピードゴルフをやってみると、プレー時間は短いし、楽しいし、といいことばかり! ぜひ、みなさんにもやってみてほしいです!」という。
ニュージーランドでは名門コースでもスピードゴルフが開催されるほどのポピュラーな競技で100人近い競技人口がいるとのことだ。
みんなどんなクラブを使ってる?
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