中島啓太の“回転軸が微動だにしない”ドライバースイングを解説!
日本男子ゴルフ界の期待の星といえばこの人。欧州ツアー本格参戦1年目で、さっそく欧州で1勝を挙げている中島啓太。凱旋帰国して参戦したJTカップでは優勝を逃したものの、しっかりと存在感を示した。2025年も活躍が期待できる中島啓太のドライバースイング連続写真を解説。
注目ポイントはカラダの中心に据えた回転軸がズレないところ
先週末に行われた国内男子ツアーの今季最終戦『ゴルフ日本シリーズJTカップ』で4位となった中島啓太選手。初日から首位を守っていただけにやや残念な結果となりました。しかし、今季の主戦場となった欧州ツアーでは優勝し、来年、さらなる飛躍が期待されます。
下記の連続写真から見てとれる中島選手の特徴は、カラダの回転を主体的に使ってスイングするところでしょう。手や腕の動き・運動量を抑え目にして、カラダと同調させて振るためコンパクトかつシンプルなスイングになっています。
中島選手のようなスイングをするためには、いくつかのポイントがありますが、アマチュアゴルファーに特に参考にしてほしいところは、カラダの中心に据えた回転軸をズラさずにスイングする点です。写真1枚目、2枚目、3枚目のバックスイングを見ると、カラダを右方向へ動かしたり、ズラしたりする動きは微塵もありません。アドレスしたその場でカラダをしっかりとネジっていることが見てとれます。
もちろん、手や腕を使ってクラブを持ち上げたりする動きも見られないためトップはコンパクト。しかし、上半身は強くネジられているためトップはコンパクトでも、飛距離アップ等に必要なパワーは十分に蓄えられています。ほとんどのアマチュアゴルファーは手や腕でクラブを上に持ち上げるため、グリップの位置は高くてもカラダのネジりや締まりがなく緩んだまま。これではパワーを蓄えられません。また、持ち上げる動作によって軸が右へとズレて、スウェーする人が非常に多いのが現実です。
切り返しは当然ながら下半身リード。ウェイトを移したあとすぐに左ひざを伸ばすように動かして、腰・骨盤を滑らかに回しています。このとき右体側を深く側屈させることでビハインド・ザ・ボールの姿勢を作り、それに伴って緩やかな入射角が可能となるためドライバーにとって理想といわれるレベルブロー的なインパクトを実現しています。中島選手ほどの深い側屈はなかなかできませんが、側屈ができないとビハインド・ザ・ボールで打つことが非常に難しくなるため、この点もぜひ参考にしてください。
フォロースルーを見ると、グリップがカラダの正面から外れていません。これもカラダの回転と手や腕の動きが同調しているから。手や腕だけでスイングしたり、間違ったカラダの回転でスイングしたりすると、同調にはなかなか至らず、その結果、インパクトが不安定になってしまいます。スイングの精度を上げて、ショットを今以上に安定させたいなら、中島選手をお手本に練習をしてみましょう。
中島啓太
なかじま・けいた。2000年6月24日生まれ。2022年プロ転向。日本ツアー通算4勝。2024年は欧州ツアーを主戦場に戦い、「ヒーローインディアンオープン」で欧州ツアー初優勝をあげた。
解説:宮川岳也(みやかわ たけや)
USGTFティーチングプロ。埼玉県の練習場とインドアスタジオでレッスンを行っている。