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男子ツアーの賞金シードは65人。それが今年66人だった理由とは？

男子ツアーの賞金シードは65人。それが今年66人だった理由とは？

2024/12/05　ゴルフサプリ編集部

複数年シードを持っている中島だが、賞金シード落ちになりそうなところを回避できた。（写真は2024年日本シリーズJTカップ　撮影／相田克己）

日本男子ツアーは先週の「日本シリーズJTカップ」でレギュラーシーズンの全日程が終了。賞金ランキングによるシードを得た「66人」が確定した。JGTO(日本ゴルフツアー機構)の規定では、賞金ランキングによるシード権（出場資格）を得られるのは、義務試合数不足の選手などを除いた「上位65人」まで。それが、ひとり多くなったのは、どういうことなのか。

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「日本シリーズ」で賞金シードを獲得した最後のひとりは意外にも……

男子ツアーの賞金シードは基本的には最終戦のひとつ前、「カシオワールドオープン」終了時点の賞金ランキングで決まります。
なぜ最終戦ではないのか？というと、「日本シリーズ」に出場できるのはPGAツアーや欧州ツアーを含めたトーナメントでの優勝者や賞金ランキング上位の30人。シード獲得ギリギリの順位だと、まず出られません。

今回、「日本シリーズ」で賞金シードを獲得したのは中島啓太です。
今年は日本ツアーで2試合しか出ておらず、「カシオ」の時点では義務試合数不足で賞金シードの対象外でした。それが欧州ツアー優勝（ヒーローインディアンオープン）の資格で「日本シリーズ」に出場したことで、海外ツアー（対象はＰＧＡ、欧州、コーンフェリーの３ツアー）を主戦場とする選手の義務試合数「3」をクリアし、賞金シード獲得となりました（賞金ランキングは47位）。
ただし、中島は賞金シードを獲得できなかった場合でも、昨シーズンの賞金王として2028年シーズンまでの複数年シードを持っています。

抜かれるのを待つだけ、それではあまりに酷

シードが65人なら、中島と入れ替わりで“最下位”の選手が弾き出されてしまうのでは…とも思うかもしれません。
ですが、試合に出られないから自力では稼げず、ランキングが抜かれる可能性しかない状況で待つだけ、というのはあまりに酷です。
その理由から、賞金シードはフルフィールドで選手が出られる最後の試合（=カシオ）でのランキングで決めるようになっています。
そのために「日本シリーズ」で賞金シードの選手が増えて、65人の枠に対して66人、という珍しいケースになりました。

弾き出されずに済んだ市原弘大。過去には１メートルのパットを外して逃したことも

賞金シードの66番目。出場義務試合数不足者を除いたボーダーラインの69位で獲得したのは市原弘大でした。
70位の片岡大育との差は9万5526円。37位だった「カシオ」のスコアが1打でも悪かったら、片岡と順位は逆転していたので、インスタートだった最終日後半の４、５、７番とバーディを奪ったことでシードにつなげました。
ちなみに2012年には今回と逆で、ボーダーラインに1ランク足りずに、6万1645円の差でシードを獲得できない、という経験をしています。
この時は「カシオ」の最終日最終ホールで、1メートルのバーディパットを決めていれば獲得できた…という悔しい思いをしましたが、12年を経て今度はギリギリで滑り込むことができました。

天国と地獄を分けるボーダーライン

たとえ1円の差であっても、賞金シードを獲得できなければＱＴ（予選会）へ回ることになります。ここでの成績が振るわなければ、翌年はレギュラーシーズンにほとんど出られなくなる可能性もあります。
まさに「天国と地獄を分けるボーダーライン」なので、不可抗力による悲劇のないように、というのが「1枠増」の理由です。

（文/森伊知郎）