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「林からは出すだけ」がセオリーだけど。最終ホールだったらギャンブルショットで狙うのもあり?

石井良介のゴルフ・すべらない話:第60回

2025/01/22 ゴルフサプリ編集部

ティショットが曲がってボールは林の中に。木と木の間からグリーンが見えてるけど、セオリー通り「出すだけ」を選択。それが普通の考えだと思うが、石井良介は「でも、その選択も時と場合によります」と言う。林の中からボールを出すだけじゃなく、グリーンを狙う選択もアリということだが、それは一体どんな時になのだろう? 石井良介に聞いてみよう。

林に入れたのは調子が悪いから。その前提で攻めるか判断する

林の中に入った場合、出すだけという方が結構多いですが、僕のラウンドレッスンではイケそうなら積極的にグリーンを狙ってもらいます。木と木の間にボールを打ち出さなければいけないので、そのための練習を普段やっているのかが問われますが、打ち出し方向に2つボールを置き、その間に打ち出すという練習は普段からやっていただいています。

林の中からグリーンを狙うショットを“ギャンブルショット”と呼ぶことがありますが、僕の中でギャンブルは2分の1。半分の確率で成功が見込めるのがギャンブルショットです。10回やって1回成功するかしないかのショットはギャンブルでなく無謀です。ただ、それが必要な局面もあります。例えば18番ホールをパーで上がればベストスコアという状況では、林から出してボギーなのは嫌だから攻める。逆に朝イチのホールは攻めません。まだ先が長いのでセーフティにと考えます。シチュエーションにもよるということですね。

そもそも林に入れたのは調子が悪いから。攻めるかどうかはその前提で判断しなければいけません。それでもイケると思うなら勇気をもって挑むだけです。僕はトラブルショットが楽しいタイプ。子どもの頃はドライバーがよく曲がって、林から打つのに慣れているせいかもしれません。「ここからパーを取るぞ!」みたいなノリもゴルフの楽しみなので、その方向性は否定したくない。林からグリーンに乗せた時の快感も捨て難いので基本的には狙うことをすすめます。

面白いのは、ラウンドレッスンで「狙いましょう!」とアマチュアの方に言うと「無理です」と言う人が結構多いこと。僕がその状況から打ってグリーンに乗せてみせたりもするのですが、それでさえ「無理」と言います。そこまでいけば出すだけの判断でOK。それができる自分がイメージできないわけですからね。

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普通は「無理せず出しましょう」という教えが大多数だと思いますが、出すだけにしても、アマチュアの方は大事なことを怠っています。何ヤード打つかを決めていないことです。「狙えないからその辺に出しておこう」だから手前のラフにつかまったり、打ちすぎて反対側の林に入れたりするのです。

たとえ出すだけでも、何ヤードキャリーさせどれだけ転がるかを考えて打たなければいけません。アプローチでなるべくカップに近づけるのと同じ感覚で、次のショットで勝負できるところに運ぶのです。こうすればアプローチの練習にもなるし、そこから寄せワンでパーが取れるかもしれません。だから「その辺に出す」は絶対ダメです。

林から出す場合に限らず、アマチュアゴルファーは何ヤード打つか決めずに打っています。だから簡単にダボやトリになる。プロはもちろん、競技ゴルファーは常に何ヤード打つか決めて打っています。いいスコアを出すには一打といえども無駄にしたくない。その発想からすると「その辺に打っておこう」はショットの流れを切ることにもなります。

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林に限らず、何となく打つショットはラウンド中一打もないようにするべき。決めた通りに打てなくてもいいので必ずそうしてください。間違っても何が悪かったのかがわかります。プランが悪かったのか、打ち方が悪かったのか、やろうとしたけどできなかったのか、やったけどうまくできなかったのか。これらが曖昧なままだとゴルフは上達しません。

最後に林から打つ前の手順を紹介しておきます。ボールのところに行ったらまずライを見ます。ベアグラウンドなのか枯葉の上なのか、などなど。枯葉の上は結構難しくて、ちょっとダフるとバンカーショットみたいになります。ライによっては出すだけになることもあります。もちろんクラブは何本か持っていきますし、そのクラブで賄いきれなければ、横着せず取りに戻ります。

ボールのところに行った段階でライの確認とともに、どこに出せるスペースがあるのかアタリをつけておきましょう。初級、中級の方なら木の幹の間にスペースを見つけます、レベルアップすると枝の間にある空間も使えるようになります。自分のアイアンがどれくらいの角度で打ち出されるのかわっていれば、上を抜けるか抜けないか判断ができます。初級、中級の方は、低い球で出すだけになることも多いと思いますが、低く打ち出すには練習が必要。普段からアイアンで低く打つ練習をしておきましょう。それができていなければ、FWやUTなどロフトが立ったクラブを使った方が楽なことも多い。その場合はパターのように短く持ってボールの近くに立ち、小さな振り幅でコツンと打つのがポイントです。

石井良介

石井良介
いしい・りょうすけ。1981年生まれ。『令和の試打職人』として各種メディアに引っ張りだこの人気解説者。PGAティーチングプロA級。You tube「試打ラボしだるTV」が人気。早くからトラックマンを活用したレッスンを開始。高い経験値と分析力で正しいスイング、正しいギアへと導く指導と的確な試打インプレッションに定評がある。

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