打ち手が求める内容によって、クラブ選びのプロセスは変わる
前回のこぼれ話では、フィッティングには大きく分けて2つの考え方(振りやすさを重視する、結果を最優先する)があり、そのどちらも正解です、というお話をしました。
フィッティングに関するもう一つの論争として「ヘッドが先か? シャフトが先か?」というテーマがあるでしょう。それについては「打ち手が求めること」によって手段が変わるので、ヘッドが先の場合もあれば、シャフトが先の場合もあります。
「長さを決めるのが先」という意見もある
もっと広い視野で考えてみましょう。ボクがアメリカに行ってフィッターと話をたくさんさせてもらったことがありました。
そこでボクが「何を一番先に決めますか?」という質問をしたときに「長さ」と答えた人もけっこういたんです。つまり、そのゴルファーにとって振りやすい・構えやすい「長さ」を決めて、そこから適正な「重さ」とかを導き出していく、という考え方でした。
例えば、アイアンを長くしたければ、重いシャフトは入れられませんよね。それが、重いシャフトに決めてから「じゃあコレを1インチ伸ばそうか」となったら、またフィーリングが変わってしまいます。だったら初めから「長さ」を決めるというのも「あ、なるほどな」って思いました。
ボクも、パター選びのときに「長さ」をスゴい大事にしてます。パターって長さによって構えやすさが変わるので、この考え方を生かしたりしてるんです。
いろいろなやり方を試す楽しみがあるのがフィッティング
クラブをフィッティングするときに「何から選んでいくか?」ということに関しても、アプローチがいっぱいあるということ。ヘッドから、シャフトから、だけじゃなくて長さとかスペックからというように。それら全てのアプローチが正解なんです。
つまるところ、フィティングには“答え”がないので、さまざまな話を聞いてみること、いろいろ試してみること、その上で自分が違和感なく打てることは何だったのか、結果が変わることは何だったのか、というところを楽しんでいくことがフィッティングだと思います。たぶんボクは、死ぬまで“答え”が分かりません。
自らの優位性をアピールするフィッターも……
ここで、一つだけ苦言を呈します。フィッターさんが10人いたら、10人の考え方があります、10人のアプローチの仕方があります。その全員が正解だと思うんです。
でも中には、自分と違う考え方やアプローチを「ダメだ」と否定して、自分の優位性を出そうとする、優位性をアピールするフィッターさんがいるのも事実です。残念ですが。
ただ、選択するのは、あくまでも皆さんゴルファー自身です。もう一度言いますが、全員が正解なので、いろいろな意見を聞いて、自分が納得できるやり方を試しながら探していってください。
鹿又芳典
かのまた・よしのり 1968年生まれ。年間試打数2000本超え。全てのクラブに精通するクラフトマン。豊かな知識と評価の的確さで引っ張りだこ。ゴルフショップマジック代表。







