前回のお話に続きまして、アイアンの球筋のお話に移らせていただきます。
だんだん、マニアックになっていくので、少々難解になるかもしれませんが、ご了承下さい。
ここで、グリーンを狙っていくショットのお話の前に、グリーン周りでのショット、アプローチショットの話をさえてください。
なぜかというと、グリーンを狙っていくショットと、グリーン周りのショットはセットで考えた方が逆にシンプルになりやすいからです。
もっと言えば、ショット全体のつながりですので、ティショットから、パッティングまで考えていかなくてはなりませんが、今回は、グリーンを狙うショットとグリーン周りのアプローチショットのお話をさせていただきます。
グリーンを狙ったショットが外れた場合を考えている?
なぜ、アプローチショットの話をするかと言えば、グリーンを狙っていったショットがグリーンを外れた時のことを想定しなくてはいけないからです。
ピン方向を狙っていった際に、どのように外れることが予想されるか?になります。
例えば、グリーンの右の端にピンが切られていて、それを狙っていった場合には、グリーンの右サイドに外す確率が高いですよね?
そうなると、ショートサイドからの難しいアプローチショットが残る確率が高くなります。
そこから寄せるテクニックや、クラブを持っていますか?
もし、なければ、そのサイドに狙っていくこと自体がミスという判断になります。
そう考えていくと、ショートサイド、バンカーなどに外すという、グリーンを狙っていった際のリスクを考慮して、狙いを定めていく必要があるということをご理解いただけますでしょうか?
たとえ、そういったテクニックやクラブを持っていたとしても、ゲームの展開では狙っていくべきではないし、そういう結果を招かない、それこそマネジメントというものが必要になってきます。
ですが、そのマネジメントのためには、これまで述べてきた、狙っていける球を打てなければ、実現は難しくなってきます。
そうなんです。コースマネジメントというと、コースの攻め方のことを大まかに言っているだけで、実は、クラブやその時のクラブの考え方までは述べていることが少ないです。
まずは、自身がアプローチでできることがわかっていないと、マネージメントの基礎的な部分も実現することは不可能です。
例えば、自分のウェッジで、どんなことができるのか?自分はどんなショットが得意なのか?苦手なのか?
そういったことを把握してみましょう。
そして、それができないのは、クラブのせいなのか? それともそもそもその打ち方を知らないのか? もしくは練習量が不足しているのか? などなどがあると思います。
単純にロフトのコンビネーションだけを考えてみても、ショートサイドからのアプローチショットを想定するなら、球を高く上げられるクラブ=ロブウェッジ(ロフト角58度以上)が入っていて、かつ、使いこなせているのか?ということになってきます。
もし、使いこなしている最大のロフト角のウェッジが52度以下であれば、なかなかショートサイドのアプローチで寄せていくのは難しくなっていくでしょう。
バウンスも同様に考えて行く必要があるでしょう。
グリーンを外した際の次のショット(ボギーオン狙い)のショットが、とにかく乗ること優先、ワンピンくらいによれば最高という状況だと考えて行くと、いろんなライから難しいことをしなくても打てるウェッジを目指すなら、やはりハイバウンスをオススメします。
この辺りは、ウェッジ編でさらに深く書かせていただきます!
その上で、さらに様々な状況を想定して、ややこしいライに行ったときにも対応できるようにするためには、ローバウンスを組み合わせてくことをオススメします。
ハイバウンスのウェッジにはバンカー脱出の役目も担っていただきたいので、サンドウェッジくらいのロフトのものが良いでしょう。
それに対して、ここ一番、ピンチの一本として、ロブウェッジを入れていくことを考えて、そのウェッジをローバウンスでセッティングすることをオススメします。
ゴルフ場ではいろいろなライコンディションに、避けようとしても行ってしまうので、その言った意味でも、複数本のウェッジで、様々なことができる準備をしていくことが重要になります。
セッティングができていたとしても、使いこなせる練習を積んでいるかも重要になってきます。
バッグに入れてコースに行っている時点でそれは準備ができているという前提にさせていただきます。
というように、まずは、自分のウェッジのセッティングを分析してほしいです。
スライサーがナイスショットすると……
では、準備ができていると仮定して、セカンドショットの話をしていきましょう。
この場合、ピン位置のショートサイドを思い切って狙っていけると判断できます。
例えば、ピンがグリーンの左サイドに切ってあったとしても、ショートサイドからのアプローチの準備がでいていれば、ショートサイドに外す覚悟で狙っていくことが可能となります。
もちろん、絶対に寄らないシチュエーションなどはありますので、ロブウェッジを持っているからと言って、どんなホールでも狙っていけるということではありませんが、そういった上げるアプローチがあれば寄せることが可能なシチュエーションであれば、そこは狙っていっても良いでしょう。
逆に、そういった準備をしていないという状況であれば、そのピンは狙っていってはいけないということになります。
では、例えば、左ピンにたいして、どうやって狙ってくのが合理的なのか?というお話に移っていきたいのですが、もう一回だけ前段階のお話、球筋の特徴のお話をさせてください。
持ち球というのがありますが、ご自身で右左どちらに曲がる球が打ちやすい、もしくは出やすいというのがあると思います。それは前提として、持っておいてください。
つぎに、では、どちらの球がどのような特徴があるのか、以前にもお話したことがありますが、再度させていただきます。
まずはスライス系の球のお話から行きましょう。シンプルに述べさせていただければ、
スライスは左から右に曲がる球ですので、狙い通りのポジションにボールを運ぶためには、それを計算して左を狙うということが必要になってきます。
ここまでは割と簡単にご理解いただけると思います。
では、その先で、では、そのスライサーの方がナイスショットをするとどうなるか?考えてみましょう。
出球が左になるということは、基本的には「つかまった球」を打ちたいという表現になると考えてください。このつかまったショットというのは、気持ちよく打てれば、球は曲がらなくなりやすいです。
逆球はダメですが、ナイスショットは曲がりにくい球筋になることをご理解いただけるでしょうか?
もちろん、計算通りに曲げるショットもナイスショットではありますが、それよりも曲がらないようにしっかり捕まえたインパクトをすることを目標にしてみましょう。
曲がった球でコントロールするよりも、曲がりを少なくする方を目指した方が、スイング的にも合理的ですし、クラブとしても整えやすいです。
球を曲げやすいクラブということは、逆にも曲がりやすいクラブということにもなりやすいです。
また、距離の調整も、曲がる球よりも、真っすぐに近い球の方が良いでしょう。
曲げてコントロールするのは、もう少し高度な技術が必要と考えていただければ嬉しいです。
話を戻しまして、スライサーがナイスショットを目指すと、曲がりが少なくなりやすい、当部分をご理解ください。
もっと言えば、スライサーの究極のナイスショットはストレートボールであると言っても言い過ぎではないと考えています。
ということは、ターゲットに向かって構える際に、スライサーは、そんな左を向かない方が良い、ということになります。なぜならナイスショットした際に、真っすぐの球に近くなるからです。
スライスを計算していくのではなく、真っすぐを目指して、ミスしたから曲がったということを目指しましょう。クラブもそのように考えていただけたらと思います。
つまりはしっかりとつかまるクラブにしていって、もちろん、逆球が出てしまったらダメなので、そこの塩梅をうまく調整することだ大事ですが、右に曲がりすぎないクラブを目指しましょう。
それには、ライ角やフェースアングルなども重要になってきます。
ですから、スライスを打ちたい人ほど、ライ角はアップライト傾向、フェースアングルもクローズ傾向になりやすいです。これは、もしかしたら、今までお考えの方の逆の考えかもしれませんね?
ですが、次に述べる、フック系の持ち球のお話をさせていただけると、理由はご理解いただけると思っています。
では、フック系の球筋のお話に移らせていただきましょう。
フック系の球を打つためには、今度は逆に、出球は右にならないといけません。
そして、同様に、フック系の人のナイスショットを考えてみましょう。
これは真っすぐに打つことにならないのが難しいところです。フック系の場合、真っすぐに近い球筋になるということは、つかまりきらなかった球となるので、どちらかというと心地よく振っている時に出にくくなります。
フックを打とうとして、真っすぐになった=逃がしたということになります。
つまり、フックを打とうとした場合、ナイスショットはやはりドローボール=左に曲がった時となりがちです。
ここがスライスで打っていく時とフックで打っていく時の大きな違いと言えるでしょう。
スライスを打っていく時のナイスショットは、ストレートに限りない球筋になりやすく、フックに打っていったときのナイスショットは、コントロールされて左に曲がっていく球となります。
ですから、ドローボールの方がコントロールは難しいとなりますね!
かつ、球筋の特徴として、スライス系の球は、ナイスショットした時が最大の距離になりやすく(逆球は別です)、ミスすると飛びにくくなるのですが、フック系の場合は、ミスして球が曲がりすぎると逆に飛びすぎるショットになりやすくなります。
原理は簡単で、スライスの場合、ナイスショットが最も効率世の良いインパクトになり、ミスショットになると、フェースがオープンになる=ロフトも増えていく状態がほとんどですから、効率は落ちていく傾向です。
逆に、フック系は、曲がりが大きい=クローズになっていく=ロフトも立っていく傾向ですから、距離はどんどん増していく方向にあると言えるでしょう。
スライス狙いは、ナイスショットからミスの度合いが大きくなればなるほど、右にショートしやすく、フック狙いだと、ナイスショットからミスの度合いが大きくなればなるほど、左にオーバーするか、右にショートするか、両方のミスが出やすいと考えていください。
では、この球筋の特徴をご理解した上で、先に上げた、左ピンの狙い方を考えてみましょう。
グリーンの形状はレダン(正面から見て約45度に傾いているグリーン)としてみましょう。
左にあるピンに対して、ドローで右から曲がるボールが有利!と考える方が多いのですが、これは、以前ドッグレッグホールでのティショットで述べさせていただいたように、絶対に有利か?というとそうでもないことが多いです。
例えば、ドローボールを上記しました、その球筋の特徴から考えてみましょう。
ドローボールを狙う際の最大の特徴は、球が曲がった方がナイスショットということになります。
曲げに言っているんだから曲がったら正解でしょ? と思われる方が多いのですが、ドロー狙いで曲がらない球、プッシュで右に抜ける球がミスショットと認識する人が多いです。
そのため、ドロー狙いは、曲げたい=曲がりすぎるリスクもあると考えてください。
曲がりすぎると、上記しましたようにオーバーのリスクが高くなるということになりますよね?
つまり、左ピンをドローで狙っていこうとすると、ピンより右サイドに打ち出していって、曲げて狙うということが想定されます。ちょうどよく曲がった時のみナイスショット。曲がらないミスはグリーンオン。
ですが、曲がりすぎると、左に外しますし、もしくは、つかまりすぎて奥にオーバーしやすいということを認識していただけると嬉しいです。
打ち出し方向がピン方向になってもダメですね!
そうなると、ピンに寄るショットは確率が低くなることがご理解いただけますでしょうか?
かつ、ショートサイドのアプローチが必要となってきます。
総じてみると、左ピンをドローで攻めるのは、曲がらないドローを打つ選択肢が強くなりやすくなります。
ということは、つまり、左ピンのドロー狙いは一か八かのショットか、逆に安全策になりやすいということが言えるでしょう。。
では、左ピンの安全かつ狙いやすい球筋は?というと、実はフェードボールとなります。
え?左にピンがあるのに、右に曲がる球打つの?というシンプルな疑問に当たりますね!
右に曲がるボールを想定して狙うとなると、左サイドのピンのさらに左から曲げるのでは? と考えがちなのですが、上記しましたように、実はフェードボールの究極のナイスショットはストレートボールですから、それを活用したいと考えています。
繰り返しになりますが、フェード狙いの人は、球を捕まえに行って、曲げるもしくは曲がらないように打ちます。
つまり、ピンに真っすぐにアドレスして、フェードで狙っていくのが良いでしょう。
そうなると、「ナイスショットでストレートボールになったら、ピンに寄ります」。
「もし、少しミスして右に曲がったとしても、広い右サイドに乗る」ことでしょう。
特にフェードボールのミスショットは曲がれば曲がるほど飛ばなくなるので、右の手前に乗ることになり、レダン形状ではグリーン上にボールが残りやすいということも想像できると思います。
ということで、結論としては、左ピンこそ、フェード狙いが実は効率的であるということになります。
ナイスショットが出たら攻めたことになり、ミスショットでも安全にグリーンをとらえやすくなるということになります。
もしかしたら、ボーリングでスペアを取る時を想像していただけるといいかもしれませんね。
左端の1本だけピンが残っている際のスペアを狙うショット思い浮かべてみてください。
おそらく右サイドに立ってナナメに投げる人が多いと思いますが、ガーターに落ちないように投げようとすると、左に曲がる球は投げたくないですよね? それと同じイメージをもっていただけると嬉しいです。
ピン位置が右の場合のお話はまた次回。
ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。


