ユーティリティのシャフトの適正重量はコレ! カーボンとスチールそれぞれ詳しく解説
吉本巧のゴルフギア教室 第71回

ユーティリティのシャフトの適正重量を、カーボンシャフト、スチールシャフトそれぞれプロコーチ・吉本巧が詳しく解説します。
カーボンはフェアウェイウッド、スチールはアイアンのシャフト重量に寄せる
ユーティリティ(以下UT)のシャフトは何グラムくらいが適正なのか? 結論から言うとカーボンかスチールかで異なります。当然ながらカーボンは軽く、スチールは重いわけですが、アマチュアゴルファーにおすすめなのは断然カーボン。軽いぶん操作性があり、おまけにしなり、ねじれともに大きいので飛距離も打球の高さも出やすいからです。
ということで、まずはカーボンシャフトから。こちらの適正重量はフェアウェイウッド(以下FW)のシャフト重量から割り出します。シャフトの重量は番手が下がるほど重くなります。セット内でバランスをとるためで重量フローと言いますが、それを踏まえるとFWのシャフト重量より重くするのが基本です。
目安はプラス10グラム。一般的にはFWのシャフトより10グラム重くするのが適正です。例えばFWのシャフト重量が60グラム台なら70グラム台が適正重量の目安。FWと同重量ならちょっと軽め、20グラム重ければちょっと重めになります。
これを踏まえたうえで、今使っているUTとFWのシャフト重量を確認してみましょう。UTのシャフトがFWのプラス10グラム前後であれば問題はありません。もちろん軽い方、あるいは重い方が振りやすく感じる人もいます。適正重量がわかってからでも、その感じのままなら使い続けても大丈夫です。

ヘッドスピード40m/sでもスチールシャフト装着のユーティリティは使いこなせる? 分岐点は「アイアンシャフト70g」
スチールシャフトが装着されたユーティリティを使ってみたい。でも、当然ながら普段使っているカーボンシャフトのユーティリ...

【2025年】ユーティリティおすすめ人気ランキング|やさしいモデルの選び方
2025年最新のユーティリティおすすめ人気ランキングを発表!ゴルフ初心者・中級者はもちろん、上級者からも人気のユーティリ...
次にスチールシャフト。こちらはアイアンシャフトの重量が目安になりますが、重量フローの点から見ると、アイアンのシャフトもスチールであることが前提になります。アイアンのシャフトがカーボンの場合、重量フローが逆転してセッティングの流れが悪くなるので、絶対にとは言いませんが、UTのシャフトをカーボンにするか、アイアンをスチールにした方がいいと思います。
その前提で考えるとアイアンシャフトより10グラム軽いものがUTのスチールシャフトの目安になります。例えばアイアンのシャフトが100グラム台ならUTは90グラム台が適正。アイアンと同重量ならちょっと重め、マイナス20グラムならちょっと軽めのセットアップになります。マイナス10グラムでアイアンと同じシャフトを入れると同タイプでクセも同じになるので、できればブランドを統一したいところです。
ただ、冒頭で記したように長いクラブは軽い方が振りやすいので、一般アマチュアの方がUTにスチールシャフトを入れるなら、アイアンより20グラム程度軽いものにした方が楽に打てるので、私はそちらをおすすめします。
このように、カーボンシャフトを入れたUTはFWに、スチールシャフトを入れるとアイアンに寄った性格になります。よってカーボンシャフトならキックポイント(調子)をFWと同じにするとFWに近いイメージで、スチールシャフトなら同様にアイアンと同じにすると、双方と同じイメージでスイングできます。FWが得意なら前者、アイアンが得意なら後者というセレクトでもいいでしょう。
UT1本のセッティングならカーボンシャフトで決まりという感じですが、2本以上入れる場合にはカーボンとスチールを組み合わせる手もあります。例えばFWのシャフトが60グラム台だとしたら、長いUTは70グラム台のカーボン、短いUTは80グラム台のスチールという具合にするとUTをFW寄りとアイアン寄りに振り分けることができます。
スチールシャフトは重くて硬く、ねじれも少ないのでヘッドスピードが必要になります。ハードヒッターかカーボンだと強い球が打てなかったり、打球が吹き上がるといった人に向きます。最近はカーボンでも重さがあってしっかりした作りの重量系カーボンシャフトもあって男子プロなどヘッドスピードが速い人が使っているので、普通のカーボンシャフトだとアンダースペックになるプレーヤーは試してみる価値があるでしょう。

吉本巧
よしもと・たくみ ゴルフ修行のため14歳から単身渡米。南フロリダ大在学中は全米を転戦するなど11年間にわたって選手とコーチを経験したのち、日米の20年の経験から吉本理論を構築。プロやアマチュアのスイングコーチをはじめ、フィジカルトレーナー、プロツアーキャディー、メンタルコーチング、クラブフィッティングアドバイザーなども務める。現在は東京・中央区日本橋浜町の「吉本巧ゴルフアカデミー」で指導中。「吉本巧のYouTubeゴルフ大学」も人気。

ヘッドスピード40m/s前後ならユーティリティはオートマタイプ一択! 上がりやすく直進性を重視したヘッドを選ぼう
アイアンよりも上がりやすくてフェアウェイウッドよりも打ちやすい。困った時のお助けクラブを由来とするユーティリティだが...

ヘッドスピード40m/sで25度ユーティリティが170ヤード飛ぶ人のためのUTセッティング
ドライバーのヘッドスピードが40m/sならロフト角25度のユーティリティで170ヤードは飛ばせる。これを基準に前後の番手(ロフ...