バックスイングが浅いと思ったら、深くなるようにゆっくり上げるのは正解? 不正解?
勝又優美は見た!「そのスイング改造、いる、いらない?」Case.42
これまで大勢のゴルフ大好きおじさんたちをレッスンした勝又優美コーチが見てきた「本当は必要のなかったスイング改造」と、その解決方法を紹介するシリーズ。ゴルフが好きだからこそ陥りがちな”スイング改造の落とし穴”。今回のテーマはバックスイング。若い頃はキレよくシュッとバックスイングできたが、おじさんともなるとスピードが落ち、ともすれば回転不足を招きがち。そこで生まれるのが、ゆっくりバックスイングして速く下ろすという発想。これって、ある、なし?
ゆっくりバックスイングする最大のメリットは体と腕が同調すること
プロのスイングを見るとテンポよくクラブをパッと上げ、パッと下ろすスイングが目立ちます。一方で、2025年シーズンの年間女王になった佐久間珠莉プロはゆっくり上げて速く下ろすタイプ。今では少数派になりましたが宮里藍プロや飛ばし屋の加瀬秀樹プロのように、かつてはこのタイプのプロが結構いました。
考えてみればバックスイングとダウンスイングの組み合わせは2種類。「速い X 速い」と「ゆっくり X 速い」しかありません。「速い X ゆっくり」はバランス的にあり得ませんし、「ゆっくり X ゆっくり」ではヘッドスピードが上がらずクラブの挙動も不安定になるからです。というわけで、ゆっくりバックスイングして速く下ろすのはありです。
ただ、気をつけなければいけないことがあります。本来ゆっくりバックスイングすることのメリットは体と腕が同調しやすいこと。パッと速く上げると手が先行する、いわゆる“手上げ”になって体の回転が伴わなくなりがちです。その点、体主体でゆっくり回転できれば否が応でも腕が同調します。体が回りやすくなることのメリットをしっかり理解して行うことが絶対条件です。
また、体を大きくねじろうとするあまり、途中から手が引っ張るバックスイングになる人もいるので注意が必要です。これはクラブを高い位置に運ぼうとするのが原因。体を主体に動き、動けるところまで動いたら、クラブの位置に関係なくそこをトップにしましょう。トップが浅く感じるかもしれませんが体が回っているので大丈夫です。
ちゃんとできているか見るならトップで右ワキが空いていないかをチェックしましょう。手上げが入るとトップで右ワキが空いて右ヒジが浮いてしまいます。トップで右ヒジが地面を指す形になっていればOK。トップが浅めでも同じです。バックスイングをゆっくりにした場合、ダウンスイングでも連動して気をつけなければいけないことがあるので、次回はそれについて紹介したいと思います。
勝又優美
かつまた・ゆみ JLPGAティーチングプロA級。就職したホテルが所有するゴルフ場勤務となりゴルフをスタート。ゴルフを楽しむ人々にふれ、日本の大人たちを笑顔にしたいとティーチングプロの道に。2010年に認定ティーチングプロとなり13年には A級ライセンス取得。やさしくてきめ細やかな女性らしいレッスンで大人気。堀尾研仁氏主宰の「KEN HORIO GOLF ACADEMY」に所属。
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