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自分に合わないような極端なスペック打ったことある?重いクラブは柔らかくて、ヘッドが軽いと速く振れる?

【ダグ三瓶・数字にとらわれすぎないクラブ選び(スペック編)③】

2025/12/28 ゴルフサプリ編集部

バランスが一番難しいかもしれません。
上記しましたように、メーカーで管理されている数値の代表とも言えますが、これでしか管理されていないということも言えます。

バランスというのは、端的に言えば、クラブの重心位置を記号であらわすことで、その差を感覚的につかめるようにしているものです。
これも以前にも書かせていただきましたが、同じバランスのクラブがあったとしても、そのクラブの長さ、総重量、各部の重さ、シャフトの重さ・種類などで全く感じ方は変わってしまいます。

そのため、工業製品として管理するための数値としては活用できるかもしれませんが、実際の振りやすさの目安として管理しようとすると矛盾が生じてしまうと考えていただけると嬉しいです。
つまりは、知っておいても良い数字ではあるが、目指すべき数値ではないということです。そういったことを加味して、いろんなバランスを試してみることをオススメします。

例えば、現状ではDバランスというのが一般的で、D0~D5くらいのものは打ったことがある方も多いでしょう。
また、重い方、例えばEバランスなどはパターなどで体験したこともあるかと思います。
ですが、逆方向、すごく軽いバランスはお試ししたことはない方が多いのではないでしょうか?
Cバランスならある、という方もいると思いますが、BやAなどのバランスを試したことがある方はほとんどいらっしゃらないでしょう。当方のフィッティングでは、ほぼ、バランスは気にせずにどんどん試していただきますが、その中で、いろいろとやって結果的にBバランスになった方も少なくありません。

そして、例えば、そういったクラブを渡して、振りやすいと言っていただいた方でも、Bバランスですよ! と伝えると驚く方が多いです。
今までそうやってクラブを調整してきていないのですから当然ですよね。
その上、面白いのが、急に軽すぎるのでは?と不安になる方がいることです。それまで、何も言わずに打っていただいた時は、軽くしていくことで、良い!振りやすい!と判断していたのに、Bバランスですよ! とお伝えした瞬間に軽い!と感じてしまうということです。
これこそ、数字にとらわれすぎていることの典型で、良い悪いの判断を数値に頼りすぎてしまうことの弊害と言えるでしょう。
もちろん、数値で管理することは重要ですが、数値が先になってしまっては本末転倒。
あくまでも、結果として数値を知っていることは重要ですが、その数値にならないと振りにくい!という順序は危険だと考えていただけると嬉しいです。

その最たるものが、バランスと言えるでしょう。
是非とも、BやAといったバランスもお試しいただいた上で、ご判断をいただけると嬉しいです。

また、同じBバランスだとしても、全く軽く感じない場合があります。
それは、パーツごとの重量が関係してきます。
バランスというのは総重量が軽ければ、自然に軽く出ます。
総重量が10g変われば1ポイント軽くなるという計算がありますように、総重量350gだったドライバーを280g軽量化すれば、自動的に約7ポイント軽くなるということになります。
そして、もちろん長さも影響します。
例えば、シャフト重量だけを下げて行って、総重量を70g軽くした上に、長さを2インチくらい短くしてみましょう。
もともとD0だったものにこういった加工を加えるだけで、計算上はBバランスになります。
今度は、逆に長さを変えず、シャフトも変えずに、ヘッドの重さだけでBバランスにしてみましょう~ヘッドを約20g以上軽くすればそういったことが可能になります。
この上記2種類のクラブ、どちらが振った時に軽く感じると思いますか?
やってみるとわかるのですが、ヘッドを20g軽くしたものの方が圧倒的に軽く感じます。

カウンターバランスという考え方もあります。
グリップを重くしたり、グリップ側に鉛を貼ったりして、バランスを下げましょう~というものです。
こちらも、上記と同様に、カウンターバランスにしたBバランスだとしても、この振り感は軽く感じにくいです。なぜかというとかなり総重量が重くなっているからです。
カウンターバランスはやりすぎるとただの重いクラブになりがちですのでお気を付けください

こういったことを考えて行くと、バランスだけを目指すことの危険性がご理解いただけると思います。

ということで、まとめさせていただきますと、現在、世間一般で売られているクラブのスペックを中心に、かなり幅広くスペックを変えてみると、意外とそちらの方が良い方をたくさん見てきています。
いわゆる、標準スペックが悪いわけではないのですが、極端なスペックをいろいろと試した結果、最終的に、その標準スペックが良いと判断してみる方がより確度の高い自分に合ったスペックになると考えていただければ嬉しいです。

ご一考いただければ嬉しいです!

ダグ・三瓶(だぐ・みかめ) ブリヂストンスポーツ、アクシネット ジャパン インクと日米2つの大手メーカーに所属。その中でクラブ開発、ツアー担当、マーケティング、フィッティングなどを担当。ツアーレップ時代にはあのボブ・ボーケイ氏に日本で唯一の弟子と認められていた。現在、フリーとなり迷い多きアマチュアゴルファーにアドバイスを送ってくれることとなった。

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