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金子駆大は11度、竹田麗央は8.5度 男女でロフト逆転現象が起きている

2026/02/01 ゴルフサプリ編集部

2025の賞金王、金子駆大はロフト11度のドライバーを使用している。男子プロなのにどうして11度なのか? その理由はインパクトロフトにあった。

2025年国内男子ツアーで賞金王を獲得した金子駆大は、バックスイングで後ろを振り返るように顔の向きを変えてしまう動きが特徴的ですが、ドライバーのロフト選びにも特徴があって、男子プロでありながらロフト11度のドライバーを使用しています。

ヘッドスピードが速い男子プロは、ロフトが立ったドライバー。男子に比べてヘッドスピードが遅い女子プロはロフトが大きいドライバーを使用するというのが、これまでの常識ですが、最近は男女でロフト逆転現象が起こっています。

2024年JLPGA賞金ランキング、メルセデスランキングともに1位、2025年から米女子ツアーに本格参戦。ルーキーイヤーで米女子ツアー通算2勝目を挙げた竹田麗央はロフト8.5度のドライバーを使用。

2025年のドライビングディスタンスを見ると金子は279.23ヤード、竹田は267.72ヤードとなっていて竹田が飛ばし屋であることは確かですが、飛距離が逆転しているわけではないので、ヘッドスピードを比較すれば金子の方が速いと判断できます。

スイング中の遠心力でヘッドの重心が引っ張られる。ヘッドスピードが速いほどロフトが増えるから、ヘッドスピードが速い人はローロフトというのがこれまでの常識。

にもかかわらず、金子がロフト11度なのに対して、竹田麗央はロフト8.5度のドライバーを使用しているのはなぜなのか?


その答えは「リアルロフト」と「インパクトロフト」の違いにあります。「リアルロフト」とはクラブ単体でシャフト軸線に対してどれだけフェースが上を向いているかを示しているのに対して、「インパクトロフト」は実際にヘッドとボールが衝突した時のロフトを示します。

インパクトロフトはスイング中の遠心力の大小でも変化しますが、ヘッドの軌道によっても変化します。

金子駆大 ハンドファーストな状態でインパクトに向かい、ハンドファーストをキープしたままレベルから弱ダウンブロー軌道で振り抜けている。
竹田麗央 ヘッドが低い位置からインパクトに向かい、アッパー軌道で高い位置にヘッドが振り抜けている。

個人差はあるものの、今では男子プロはレベル~ダウン軌道のスイング、女子プロはアッパー軌道のスイングが主流となっています。男子に比べて筋力が弱い女子プロが飛ばすにはアッパー軌道が有効で、筋力でヘッドスピードを上げられる男子プロが方向安定性を求めると、ハンドファーストをキープしやすいレベルから弱ダウンブロー軌道が有利と言われ、USPGAツアーではダウンブロー1度の男子プロが多いと言われています。

アッパー軌道はスイングの最下点以降にインパクトを迎えるというとこと、ハンドレートな状態だからインパクトロフトは増える。レベルブローの場合インパクトロフトの増加は遠心力によるもののみ、ダウンブローの場合はハンドファーストが強くなるぶん、インパクトロフトは減少する。

ボールの飛距離は、初速、打ち出し角、バックスピンで決まり、効率よく飛ばすには、これらが一定の範囲内に収まっている必要があります。ヘッドスピード40m/sならば、ボール初速は56m/s(ミート率1.4)以上、打ち出し角16度前後、バックスピン2400rpm前後が具体的な数値です。打ち出し角は大体インパクトロフトの8割程度なので、この時のインパクトロフトは19度~20度となります。ヘッドスピード40m/sでインパクトロフトが19度~20度になっていない場合は、飛距離をロスしているということになります。

竹田がロフト8.5度、金子がロフト11度を使用しているのは、インパクトロフトを最適化するためなのです。シャフトのフィッターをしていた時に、しばしば「ロフト9.5度の方が飛ぶんでしょ」とか「ロフトが寝ていると飛ばないんでしょ」あるいは「ボクはヘッドスピードが遅いから9.5度は無理」と言われることがありました。

その都度、インパクトロフトと初速、打ち出し角、スピン量の話をさせていただいていましたが、今、男女両方の賞金王が身を持って示してくれています。昔の常識にとらわれずに今まで使っていたものと違うロフトを試してみてください。出来れば、計測器で自分のインパクトロフトの数値を確認すれば、ロフトを変えるだけでドライバーの飛距離が伸びる人は少なくないはずです。

文/
大塚賢二(ゴルフギアライター)
1961年生まれ。大手ゴルフクラブメーカーに20年間勤務。商品企画、宣伝販促、広報、プロ担当を歴任。独立後はギアライターとして数多くのギアに関する記事を執筆。有名シャフトメーカーのシャフトフィッターとしての経験も持つ。パーシモンヘッド時代からギアを見続け、クラブの開発から設計、製造に関する知識をも有するギアのスペシャリスト。

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