写真右は開発段階初期のテストモデル。溝の深さ、位置を何度も調整してフェース面から10㎜の位置に1.5㎜の凹みをつける『スピードボックス』が完成(写真左)
2020年モデルの『RMX』で採用された『ブーストリング』は、ヘッド内部にフェースの上下を一周するようなリブをつけることでインパクトエネルギーを前方部に止める技術。
今年5月から開発拠点として本格稼働した『R&Dセンター』。開発室、試作室から反発性能を調べるCOR測定室、さらに屋内レンジとしては国内最大規模の奥行き30メートル、高さ10メートルのテストフィールドがある。
前作では33度だった重心角が34.5度になり、さらにつかまりが良くなった。また左右の慣性モーメントも前作より約500g・㎠大きくなって、5000g・㎠超えの大慣性モーメントヘッドになった。
アイアンフェースはタテよりもヨコの方が長いので、ソールのない試作品ヘッドでヨコのたわみを最大にしてボール初速が上がるかをテスト。
最初の試作品では5本のリブがトップブレードまで繋がっているが、開発途中でトップブレードに繋げないほうがスピードが出ることがわかった。またリブの高さも何度もテストを重ねた結果、0.3㎜となった。
フェース、ソールを限界まで薄くすることで飛距離性能を高めた一方、フェースのトゥ側は前作より2.6㎜高くしてアイアンらしい顔になった。