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ゴルフクラブのバンス角とは|ハイバンスとローバンスの違いや特徴

2023/09/26 ゴルフサプリ編集部

バンス角

ゴルフクラブのソールにはバンス角(バウンス角)があり、この角度によってソールの抜け具合が変わったり、バンカーショットで砂を爆発させる力が変わったりします。特にウェッジを選ぶ際には気にするべきポイント。自分の技量にマッチしたものをチョイスすることで、アプローチショットやバンカーショットが安定します。

そこでこの記事では主にウェッジのバンス角(バウンス角)について紹介します。

目次

バンス/バンス角とは

バンスとは

バンス(バウンス)とはソールの膨らんでいる部分、出っ張っている部分のことです。この膨らみがあることでリーディングエッジが地面に刺さりにくくなったり、潜りにくくなったりします。つまり、ミスを軽減する機能というわけです。

バンスはバンカーショットのために考えだされたものです。バンスのないサンドウェッジはバンカーショットをする際にヘッドが砂に潜りやすいという欠点がありました。しかしバンスを付けることでヘッドが砂に潜りにくくなり、また砂を爆発させやすくなり、ラクにエクスプロージョンショットが打てるようになったのです。

バンス角がウェッジ選びで重要である理由

バンス角

バンスの役割は、インパクト前後でクラブが必要以上に地面に潜らないようにするためのもの。バンス角がないとヘッドが接地した際、リーディングエッジだけが地面に当たるので刺さってしまいます(いわゆるざっくり)。

バンス角が大きいとリーディングエッジから接地した時に、ほぼ同時ぐらいにソールのバンス部分が接地しやすくなるので刺さり過ぎを防ぎ、ソールが滑るように動いてくれます。そのため、ざっくりになりにくくなるのです。

  • ゴルフ,ロフト角,ハイバンス

    【ハイバンス】地面に刺さる前にバンスが滑り刺さりづらいが、テクニックは使いにくい。

  • ゴルフ,ロフト角,ローバンス

    【ローバンス】柴の薄い厳しいライでもボールを直接打ちやすいが、少しでもダフると地面に刺さりやすい。

クラブが短くヘッドの入射角がきつくなるウェッジは、少しでもボールの手前から入るとヘッドが刺さってしまいます。それを防ぐためにバンス角が存在し、その大きさによって滑り具合が変わるのである程度大きい方がミスの軽減率は高いです。

ハイバンス・ローバンスの違いを比較

ハイバンスとローバンスの違い

ウェッジのバンス角にはハイバンス(バンス角が大きい)とローバンス(バンス角が小さい)があり、一般的にハイバンスはバンス角12〜16度、8度以下をローバンスといいます。

以下では、ハイバンスとローバンスの特徴やどんなシーンに向いているかを紹介します。

ポイント

  • ハイバンス(12〜16度)の特徴とおすすめの人
  • ローバンス(8度以下)の特徴とおすすめの人

ハイバンス(12〜16度)の特徴とおすすめの人

ハイバンスはソールが出っ張っているので、地面と当たったときにバンスが跳ねてくれるため、ヘッドが少し手前から入っても地面に刺さりづらく、ソールが滑ってくれます。

また、バンスがあるとインパクト時にロフトが立つので、クラブがボールの下を潜ってボールが飛ばなくなるというミスが起こりにくいです。

ハイバンスの特徴
バンスがあるとリーディングエッジと地面にできる隙間をインパクトで埋めようとする挙動が起こりロフトが立ちやすくなる。

さらに、ハンドファーストで構えたり、ボールを右足寄り置く方で、ダウンブローに打つ方にもおすすめ。バンス角が大きいと地面に刺さりづらくなるのでミスを防げるからです。

また、バンスのないウェッジでバンカーショットをするとクラブが砂に潜ってしまいがちですが、バンスあるとソールが地面から跳ねる勢いで砂が爆発することで、いわゆるエクスプロージョンショットが打てて脱出しやすくなります。

▼ハイバンスのウェッジの特徴

  • ヘッドが地面に刺さりにくくなり、ソールが滑りやすくなる
  • インパクトでロフトが立ちやすい
  • バンカーで砂を爆発させるエクスプロージョンショットが打ちやすい

▼ハイバンスのウェッジはどんなシーンに向いているか

  • ダフリのミスをしたくない
  • ウェッジでもしっかりと距離を出したい
  • バンカーからやさしく出したい

▼ハイバンスのウェッジがおすすめの人

  • 初心者から中級者ぐらいまでのアプローチで安定した結果を得たい人
  • ハンドファーストで構える方や、ボールを右足寄りに置きたい人
  • 初心者から中級者ぐらいまでのバンカーで安定した結果を得たい人

ローバンス(8度以下)の特徴とおすすめの人

ローバンスはバンス角が小さいため、ソールが滑ってくれなくなりますが、ボールに直接コンタクトする必要がある時には使いやすいです。例えばボールが沈んでいたりベアグラウンドのようなボールの下に隙間がない場合。ボールが沈んでいる状態でバンスがあると、バンスが邪魔になりコントロールがしずらくなるからです。

また、ハンドファーストが弱い構えの方や、ダウンブローにボールを打たない方にもおすすめ。ボールを左足寄りに置いて低く長いインパクトをするような方は、ローバンスでも十分にソールが滑ってくれます。逆にこういう打ち方の方がハイバンスを使うと、バンスの抵抗でトップが出るというようなミスが起こりやすいです。

また、バンカーではローバンスはソールが滑りにくく難しくなります。どうしてもローバンスを使いたいという方は、バンカーではハンドファーストの度合いを弱めて、ボールを中央へ置いて構えてみましょう。リーディングエッジが砂に刺さりずらくソールが滑りやすくなり、バンカーショットが安定するはずです。

▼ローバンスのウェッジの特徴

  • ボールに直接コンタクトがしやすい
  • 様々なテクニックが使いやすい

▼ローバンスのウェッジはどんなシーンに向いているか

  • 沈んだライやベアグランドからのアプローチ
  • 様々なテクニックを駆使してアプローチを行いたい時

▼ローバンスのウェッジがおすすめの人

  • テクニックを色々と使いたい中上級者
  • ハンドファーストに構えない人やダウンブローに打たない人

バンスの使い方・打ち方のポイント

バンスの使い方

ここからはバンスの使い方の注意点や使って打つためのポイントを紹介します。基本的に以下に紹介することさえ知っていれば、バンスを使うことは難しくないはず。とはいえ、一朝一夕にはできないため、練習で感覚をつかみましょう。

ポイント

  • フェースを開いてアドレスする
  • ダフりが多いならソールを滑らせる
  • クリーンに打ちたいなら鋭角にスイング
  • バックフェース全体が砂と接地するイメージ

フェースを開いてアドレスする

フェースを開いてアドレス

フェースを開くとバンスが地面に接触し、リーディングエッジが浮く

バンスを使うにはフェースを開くことがポイントです。その理由はフェースを開くとバンスが地面と接触するからです。

バンス角の大きさにかかわらず、基本通りに左足太ももの内側にグリップをセットしてアドレスすると、バンスは地面と接触しません。つまりこの状態からではバンスを使ったショットは打てないのです。したがって必ずフェースを開くことが前提になります。

ダフりが多いならソールを滑らせる

ダフりが多いならソールを滑らせる

ボールの下をヘッドが潜り抜けて行くイメージが大切

アプローチショットでチャックりやダフりのミスが多いなら、バンス角が大きめのウェッジで、ソールを滑らせて打つようにしましょう。

ソールを滑らせる意識があれば、アタックアングルが緩やかになりリーディングエッジが芝に刺さりにくくなります。

滑らせるポイントはダルマ落としのイメージ。ヘッドをボールの下に潜らせるようにスイングしましょう。

クリーンに打ちたいなら鋭角にスイング

クリーンに打ちたいなら鋭角にスイング

クラブを鋭角に下ろせばソールが跳ねることはない

ボールをクリーンヒットしたい、ソリッドなボールコンタクトが好き。こういった人はバンス角が小さめのウェッジで、ハンドファーストにアドレスし、低い弾道のアプローチショットをイメージしましょう。

バンス角が小さめのウェッジならソールが跳ねにくいため、クリーンヒットが容易になります。ポイントはアタックアングルをやや鋭角にして、上からヘッドを入れるようにスイングすることです。

バックフェース全体が砂と接地するイメージ

バンカーショットが苦手なら、バンス角が大きめのサンドウェッジで、バンスから入れる意識をもちましょう。

バンスから入れるポイントはヘッドの重さを感じながら、バックフェース全体が砂と接地するようにクラブを下ろします。

ヘッドを鋭角に下ろして、打ち込むようなスイングをすると、ロフトが立って、バンスを使えなくなるため気をつけましょう。

サンドウェッジでバンカーショット
ヘッドの重さを感じながら下ろすことが大切

バンスは自分に合った角度を選ぼう

バンス

ハイバンスとローバンスの違いとどんな方に合うか紹介してきました。

ハイバンスはバンス角12〜16度、8度以下をローバンスというと説明しましたが、当然ハイバンスの中でもバンス角が大きいものほどバンスの効果は大きくなり、ローバンスでもバンス3度とバンス8度では性能はまったく異なります。

まずは自分が目指したいアプローチのスタイル、またはミスの傾向を考慮してハイバンスかローバンスを選びましょう。

最終的に自分がどのバンス角度が合うかに関しては、様々なバンス角度のウェッジを実際に打ってみて判断することが大切です。


宮川岳也

■解説者プロフィール

宮川岳也(みやかわ たけや)
ゴルフ雑誌編集記者を経て、フリーランスのゴルフライターに。USGTFティーチングプロ資格を有し、現在はゴルフライター活動とレッスン活動の二刀流。