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ホーガンもアイアンのスイング動作に取り入れていた「カッピング」とは?(1/2)|教えて!ホーガン先生

アイアンが際立つ!強いインパクトの作り方【第8回】Part1

2019/04/18 ゴルフサプリ編集部

1949年、36歳のホーガンは交通事故に遭遇。左半身を砕かれる重傷を負い、再起不能と言われたが、11か月後にツアー復帰。後にメジャー6勝を加えた。回復後は左足を軽く引きずりながらも、飛ばしは健在。

その秘密は左手首の使い方にあったようだ。

ベン・ホーガン(Ben Hogan、1912~1997)
アメリカ・テキサス州出身。身長173㎝、体重68㎏。ツアー通算64勝。
メジャー3勝後の1949年に自動車事故で瀕死の重傷を負うが、翌年に復帰。以後、メジャーでは1953年の3冠を含む6勝を加え、グランドスラマーに。1948年に『パワー・ゴルフ』、1957年にレッスンのバイブルと呼ばれる『モダン・ゴルフ』を著し、現代でもそのスイング理論は多くのゴルファーに影響を与え続けている。

森 守洋/ホーガンアナリスト
ベン・ホーガンを手本としたダウンブローの達人・陳清波に師事。現在もホーガンの技術研究に余念がない。

筋力に頼らない飛ばしは「左手首」のひと工夫が生む

ほどきやすい深いタメができる〝カッピング〟

1955年、『ライフ』誌の記事の中で、ホーガンはフックのミスを防ぐ手段として、トップで左手首を甲側に折る、いわゆる〝カッピング〟でクラブフェースを開くことを取り上げている。

「でも、ホーガンは若いころからこの動作を取り入れていました。そのためにヘッドが下がるオーバースイングだったし、これでフックが直ることもなかった」(森)

つまり〝カッピング〟のメリットは、フック防止ではなく飛距離アップにあるという。

「左手首を親指側に折るのではなく、甲側に折ると、90度以下まで曲げられます。また、ダウンでリリースする際、手のひら側に起こすことで、深いタメでも振り遅れることがありません。筋力に関係なく、効率よく加速できるんです」(森)

POINT-1
“カッピング”はフック防止のフェード用技術?

トップで手首を甲側に折ると、フェースもオープンになる。「でも、ダスティン・ジョンソンのように、逆にアーチ状にしてフェースをシャットにするフェードヒッターもいます。“カッピング”をフック防止の技術とは言い切れません。左手首のタメを深くし、クラブの慣性モーメントを下げて鋭く振るための技術、と考えるべきでしょう」(森)

POINT-2
左手甲の倒し方と連動するのはフェース向きよりシャフト向き

「ホーガンのように左腕でプレーンをイメージしてトップを決めると、左手甲の倒し方で右ヒジの高さが変わります。結果、シャフトの向きが変わり、ヘッドの位置も変わります」(森)

タメの深さも、カップ状が最も深くなり、アーチ状は浅めになる。「トップのヘッド位置を、プレーヤー自身が叩きやすい体勢に合わせる手段にもなります」(森)


深い“カッピング”のリリース方法は?


次回へ続く

イラスト/久我修一
取材協力/東京ゴルフスタジオ
写真/Getty Images

GOLF TODAY本誌 No.560 151〜155ページより